釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

早期発見を妨げ続ける「専門家」

2020-11-21 19:12:18 | 科学
昨日は日中に23度まで上がったが、今日は一気に8度も下がった。最低気温は6度の予想だが、1週間後には0度前後になるようだ。11月としては気温の高い日が続いたが、それでも新型コロナウイルスの感染拡大は連日最多を更新し続けた。気温が下がればなお拡大は止まらないだろう。政府は今頃になって、「GO TO」キャンペーンの一部制限を検討しているが、ほとんど効果は期待出来ないだろう。東京大学先端科学技術研究センター児玉龍彦名誉教授によると、現在の感染の波の原因となっているコロナウイルス株は4番目の株のようだ。4月の第1波とされる波の直前に武漢型ウイルスの感染があり、いわゆる第1波はD614G株と言われる欧米型ウイルスに変わり、8月の第2波とされる感染では日本国内で変異した東京・埼玉型ウイルスとなり、現在の第3波は遺伝子解析が行われていないため、まだ分からないが、これまでのウイルス株とは異なると考えているようだ。現在、欧州で猛威を奮う第2波も欧州の第1波とは異なる20A.EU1株中心の感染力の強い変異株であり、従来のマスクや距離を保つ防衛策だけでは防げないタイプになってしまったと言われる。欧州では規律に比較的厳しいドイツですら感染拡大を抑えられなくなっていると言われる。米国のリベラル系ニュースサイトThe Daily Beastは「Bill Gates Shoots Down COVID Vaccine Implant Conspiracies(ビル・ゲイツはCOVIDワクチンインプラント陰謀を否定する)」と題する昨日の記事で、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツとのインタビュー記事を載せている。ゲイツは、人間にマイクロチップを埋め込むためにパンデミックを利用していると言う陰謀論をあらためて否定した上で、これからは、寒くなるため、今後6ヶ月から8ヶ月の間に流れるニュースは基本的に悪い内容となると述べている。一昨日には世界保健機関WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長も、「新型コロナウイルスの感染がまたも急拡大しているヨーロッパについて、今後6カ月は「厳しい」状況が続くだろうと警告した」と英国BBCが昨日報じていた。日本でも、感染が拡大しているため、Google予測もさらに拡大し、12月16日までに現在よりもさらに感染者が6万8894人、死者が701人増えるとされる。一昨日、新型コロナウイルス対策担当の西村康稔経済再生相は、記者会見で「感染がどうなるかって言うのは、本当に神のみぞ知る……」「これはいつも、尾身先生も言われています」と述べている。日本の感染症専門家のトップとされる政府コロナ対策分科会尾身茂会長がいつも「感染がどうなるかって言うのは、本当に神のみぞ知る」と言っていると言う。10月2日の日経バイオテクは、「新型コロナ、第2波で年齢にかかわらず死亡率が低下したワケは?」と題するる記事を載せている。東京都の新型コロナ対策のアドバイザーで、「検査をすれば医療崩壊する」として検査制限を提唱した国立国際医療研究センターの国際感染症センター大曲貴夫センター長らの「研究」の中間解析結果を載せている。2020年9月4日までに登録された345施設の6070例を対象に中間解析したものだそうだ。「その結果、第1波の入院症例に比べ第2波の入院症例では、(1)高齢者の割合が低下した、(2)入院時に重症だった症例が減った、(3)発症から入院までの日数が短くなった──ことが明らかになった。」と言う。さらに、年齢層別の解析では「(1)あらゆる年齢層において、入院時に重症だった症例の割合が低下した、(2)あらゆる年齢層において、入院後の死亡率が低下した、(3)入院時に軽症または中等症だった症例のみを対象としても、あらゆる年齢層で入院後の死亡率が低下した(0歳から29歳は0.0%で同率)、(4)入院時に重症だった症例のみを対象としても、あらゆる年齢層において入院後の死亡率が低下した──ことが分かった。」。そして、「第1波に比べ、第2波で入院した症例では、重症度にかかわらず、あらゆる年齢層において死亡率が低下したことが明確になった。その理由について、大曲センター長は、「発症から診断までの時間が短縮していることが大きいと考えている。軽症のうちに見つかれば、重症化率は下がり、医療的な介入も早期に実施できる。その結果、重症化率や死亡率が下がる可能性はあるだろう」と結論付けている。早期発見・早期治療は医療の大原則であり、それを妨げて来たのは、まさに尾身氏や大曲氏ではないのか。日本では早くからPCR検査の対象に、37.5度以上・4日間を条件とした。このブログでも3月9日には、それを批判的に書いた。この条件が正式に外されたのは5月9日である。第1波より第2波の方が、早く検査を受けられるようになったのだ。それにより「発症から診断までの時間が短縮」したのだ。あまりに当たり前のことを、しかも自らが課した条件のために第1波では、無駄な死をもたらしたのである。しかもこうした分析をしながらも、今なお無症状感染者を無視して、検査を制限し続けている。日本の「専門家」がいかに無責任か。児玉名誉教授の言われるように日本の新型コロナウイルス対策には科学がない。科学がない以上は感染は収束しない。新型コロナウイルスの特徴で厄介なのは、無症状感染者がいて、変異が頻回で、動物との間でも感染し、そこでもまた変異を起こすことだ。つまりは、副作用を仮に度外視してもワクチンの有効性や自然抗体も限定されてしまうと言うことになる。そんな厄介なウイルスを相手に、日本は「科学」と言う武器を持たないでどうウイルスと闘うのか。児玉名誉教授は、日本はいまだにPCR検査の検体を手で技師の熟練度により検査機器に注入している、と言われている。すでに発展途上国ですら、全自動のPCR検査機器を導入していると言うのに。お金の使い所を間違えているのでは。ウイルスを科学的に押さえ込むことが最も早く終息させる方法であり、それがまた経済をも最も早く回復させる。これほど単純なことを何故やらないのか。やはり、やらないための理由が政府にはあるのだろうか。