釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

長期政権に溜まる腐臭

2020-06-02 19:18:56 | 社会
昨日、ロシアの通信社スプートニックSPUTNIKは、「ロシア保健省はロシア製コロナ感染症治療薬を承認した。登録名は「アビファビル(アヴィファヴィル、Avifavir)」」と報じた。「アビファビルはロシアで初となる直接作用型抗ウイルス薬で、臨床試験で有効性を示し、コロナウイルス増殖メカニズムを阻害することが確認されている。本剤は2014年から日本で重症型インフルエンザ治療薬として使用されており、十分に研究されている」となっている。ロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフRDIF総裁は「アビファビルはロシアで抗コロナウイルス薬として承認された第1号というだけではなく、世界で最も有望なCOVID-19治療薬となるだろう。ロシア国内で記録的なスピードで開発され、治験をクリアし、ファビピラビル(アビガン)ベースの治療薬として世界で最初に承認を受けた」と述べている。そして、今日の日本経済新聞は「<東証>富士フイルムが小高い ギリアドのコロナ薬候補「効果限定的」」と題する記事で、「米製薬大手ギリアド・サイエンシズは1日、新型コロナウイルスの治療薬「レムデシビル」について実施した第3段階の臨床試験(治験)の結果を発表し」「効果はいずれも限定的だった」ために、「1日の米株式市場でギリアド株は失望売りに押された。」と報じている。それに対して、アビガンを製造する富士フイルムは小幅上昇で始ったとしている。日本の厚生労働省は昨日発表されたこのギリアド・サイエンシズ自身が行なっていた治験がまだ終わってもいない段階で、米国もまだ正式承認していないレムデシビルを早々と承認し、自国開発のアビガンについては、5月承認予定を延期させた。PCR検査機器についても同様である。現在、日本で厚生労働省主導で行われているPCR検査は、熟練した検査技師を要する手間のかかる手作業を介した機器が使用され、日本の「プレシジョン・システム・サイエンス」(PSS社)が開発した最新鋭の早く正確に判断できる「全自動PCR検査システム」は承認していない。PSS社はフランスのメーカー「エリテック社」に技術供与し、エリテック社製のPCR機器はフランスの医療現場で採用され大活躍して、PSS社は、駐日フランス大使から感謝状をもらっている。厚生労働省は自国企業の先進的な開発を尽く無視し、利権確保だけしか考えない。もっとも、それは特に厚生労働省に限ったことではない。コロナ禍に対する国の経済対策の酷さも呆れるばかりである。首相補佐の地位を確立した経済産業省はやりたい放題である。マスク配布の問題も、個人事業者や中小企業補償の「持続化給付金事業」も全てトンネル会社が存在し、電通や似非学者竹中平蔵の派遣会社パソナが自動的に利益を得られる仕組みになっている。現政権下の政策のほとんどが、こうした国費に群がる企業に利益が吸い取られるものになっている。あれほど首相が黒川検事長の定年延長に拘ったのも当然である。検察庁がまともであったならば、首相を始め現政権の多くがすでに告発・逮捕されていたはずだ。現在の為政者、官僚はあまりにも器が小さい。目先の利益しか考えず、日本が抱える巨大な困難、高齢化と人口減少、教育・科学の急低下、返済不可能な国家債務など全く放置されている。もっとも、仮に彼らがそれらの問題に手を打とうとしても、何か出来るだけの器ではないのだが。