釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

ペルーの地震

2018-01-15 19:21:59 | 社会
週末は気温が低く、寒かったが天気はよく晴れていた。昨日は日中に甲子川沿いのいつものウォーキングルートを歩いていると、4羽の白鳥が川の上を、下流に向かって飛んで行くのを見かけた。しかし、今日の昼休みに職場近くの川を見ると、いつもの1羽の白鳥の姿しかなかった。どこか中間の川にいるのかも知れない。釜石の冬の夜空は星がよく見える。夜空を見ていると、流れ星を見かけることがあるが、昨夜も北斗七星の近くに流れ星を見かけた。北極星を間に挟んでカシオペアも見える。出勤後に裏山を眺めていると、この寒い時期にリスが跳ねていた。知っているリスの巣とは逆方向に消えて行ったので、別の巣からやって来たリスかも知れない。最初にリスの姿を認めた場所に、その後鹿も1頭だけ現れた。 ペルー南部の沿岸部で昨日、M7.1の地震があった。ペルーも日本もリング・オブ・ファイアRing of Fire(環太平洋地震火山活動活発地帯)に属する。別名を環太平洋造山帯とも言い、アルプス・ヒマラヤ造山帯とともに世界の2大造山帯とされる。地震や火山活動、造山活動のいずれもがプレートの活動による。世界で記録されたM8以上の地震の9割が、この環太平洋で起きている。さらにM6以上の世界の地震のうち2割以上が日本近辺で起きてもいる。日本は世界の陸地面積のわずか0.25%でしかないのにもかかわらずである。環太平洋の地震はプレートを介して、互いに影響し合う。その意味で、今回のペルーの地震は注目に値する。1946年4月1日にハワイに甚大な津波被害を与えたM7.8のアリューシャン地震が発生し、同じ年の11月10日には、ペルー で死者1400人を出したM7.3の地震が発生した後、翌月21日に死者・不明者1330名、家屋被害39127戸を出したM8.0の昭和南海地震が起きている。同じような状況が現在も起きている。昨年7月18日にはM7.8のアリューシャン列島での地震があり、今回1月14日にペルーの地震が発生したのだ。アリューシャン列島とペルーの地震との期間は前回は7ヶ月ほどで、今回は6ヶ月だ。南海トラフ地震の発生確率は今後30年以内に70%程度と言われている。政府のこれまでの対策の前提は地震の予知が可能と言うことであった。しかし、それが困難となったため、政府は方針を変えて、新たに地域を含めて、これから対策を検討すると言うことになった。津波被害の想定される中部はトヨタ始め、日本の産業の工場が集積し、工業出荷額が日本全体の3分の2を占めている。南海トラフの巨大地震の2012年8月に公表された被害想定では、最悪で死者は32万3000人、負傷者は62万3000人、全壊・焼失建物は238万6000棟、自力で逃げられなくなる脱出困難者は31万1000人となっていた。想定被害額は220兆3000億円で、 日本のGDP(国内総生産)の42%にもなり、東日本大震災の復興予算23兆円の10倍近い。この被害想定には中部電力の浜岡原発や四国電力の高浜原発は含まれていない。中部電力は南海トラフ地震を想定して海抜18mの防潮堤を22mにかさ上げしたが、東日本大震災で見られたように、防潮堤は高さよりも頑強さだ。東日本大震災ではほとんどの防潮堤が津波により破壊された。原発は間違いなく冷却不能に陥るだろう。仮にここ数年以内にこのような巨大地震が発生すれば、政府財政の破綻だけでなく、日本経済そのものが崩壊してしまうだろう。しかし、これほど広域に渡る問題だけに、また、東日本大震災と同じく、まさかと言う思いもあって、対策は遅々として進んではいない。
裏山に現れた鹿