週末は天候が良くなく、今日も朝から小雨が降り続く。今日の最高気温は21度で、半数近くの人が長袖で、中には薄いカーディガンを羽織っている人もいた。朝晩、雨の中でもコオロギが鳴き、今日も家の近所や職場の裏山で、ウグイスが綺麗な声で鳴く。咲いて来た葛(くず)の花も雨のために一部が散っていた。今日は札幌ですら釜石よりずっと気温が高く、28度になっている。台風が接近しつつある関東でも35度以上の猛暑日だし、名古屋は40度に迫っている。同じ日本内のようには思えないほどの気温差だ。職員の中には油断をして、風邪を引く者もいた。 昨夜インドネシアのロンボク島北部でM6.9の地震があり、100人近くが亡くなっている。インドネシアはオーストラリアプレートに載り、その下に太平洋プレートが潜り込んでいる、その境に当たるため、日本同様に大きな地震が度々襲って来た。火山も同様にある。太平洋プレートは東側では北米大陸へも影響しており、米国オレゴン大学の最近の調査では、米国北西部及びカナダ南西部の太平洋岸の1000Kmに及ぶプレート同士がぶつかって沈み込んだ海溝であるカスケード沈み込み帯の南北端でマグマが上昇していることが分かった。この沈み込み帯では318年前にM9の巨大地震が発生しており、その巨大地震の周期は平均 270年とされており、すでに現在、その周期を超えている。従って、ここではM9クラスの巨大地震がいつ起きてもおかしくない状態になっている。ここでの巨大地震は当然津波を発生させ、日本へも到達する。日本では現在、南海トラフの巨大地震と首都直下型地震が心配されているが、周期を考えると、首都直下型はすぐには起きそうにない。むしろ、南海トラフの巨大地震の方が可能性が強い。今年初め、政府も南海トラフ地震の30年以内の発生確率を70%から80%に引き上げている。今日のニュースを見ると、政府の中央防災会議が、南海トラフ巨大地震発生の可能性が高まっていると判断した場合、政府の呼び掛けで住民が一斉避難する仕組みを導入する方針を明らかにしている。しかし、現在の国の地震予知の能力から考えると、実際にはこうした対策は機能しないだろうと思う。現在、政府系の海洋研究開発機構が南海トラフに沿って、掘削孔を海底下深度656mまで掘って、長期に渡り観測可能な装置を設置しようとしている。南海トラフ巨大地震では震源域は1000Kmに達し、予想では最大震度7で、津波の高さは30mを超えるとされている。政府の想定では被害は死者32万人、220兆円とされているが、土木学会は1410兆円とした。ちなみに東日本大震災は20兆円である。しかし、東日本大震災で見られたように、こうした被害や被害額には原発事故が含まれていない。南海トラフ巨大地震でもやはり政府や土木学会は原発事故を想定していない。浜岡原発は高さ海抜22m厚さ2mの防潮堤で補強されたが、東日本大震災では岩手県の田老町の厚さ22mの防潮堤が脆くも津波で崩れ去った。浜岡原発には1号機から5号機までの原発があり、最悪の場合、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教によれば、御前崎市の住民はほぼ90%が死亡し、癌などの長期の被害を含めると、200万人もの犠牲者を出す可能性があるとされる。現在、同原発は稼働していないが、使用済み核燃料は冷却し続けなければならないため、その冷却が絶たれると、悲惨な結果を引き起こす。しかも、中部電力は再稼働を申請中である。犠牲者を出した東日本大震災もすでに7年が経ち、その当時の反省もすでに忘れられかけている。地震を含めた災害はいつも「忘れた頃にやって来る」。しかも、その災害への対策はほとんど何も取られていないのが現状だ。
庭で羽根を休める赤トンボ