「東濃リニア通信」    <東濃リニアを考える会>

国土交通省がJR東海のリニア中央新幹線計画を認可しました。このとんでもない暴挙は、必ず歴史が証明します。

「リニアの誘導集電方式」 「長谷川均氏の論文」 「誘導集電方式の課題」

2016年01月26日 07時30分58秒 | 日記
 おはようございます。
 リニアの「誘導集電方式」についてのブログをまとめてみました。
 1年前の拙著ブログ 「リニア実験線のトンネル写真」
 約2年前の 「拙著ブログ」
 昨年12月13日の拙著ブログ 「長谷川均氏の論文」
 同じく12月14日の拙著ブログ 「誘導集電方式の課題」

 長谷川均氏の論文の最後「今後の課題」です。
 6. 2 今後 の課題
 誘導集電装置は、騒音や排気ガスの問題が無く、燃料を積む必要がないため地球環境に配慮したシステムといえる。ただし、エネルギー問題は目先の現象にとらわれがちであるが総合効率や二酸化炭素排出量を全体で考えなければならない。
 車上電源システムも同様であり、誘導集電装置のさらなる高効率化、軽量化等の開発は進めていかなくてはならない。

(1 )集電開始速度の低速化
 誘導集電装置固有の問題としては、走行に伴う高調波磁界により発電を行っているため、出力に速度依存性がある。このため、蓄電池との組み合わせになることは必須である。所要の電力が得られる車両速度が高いと蓄電池の重量増となるとともに、非常時等の信頼性が損なわれる。速度依存性のある誘導集電装置としては、所要の電力が得られる速度をより低くすることが集電システムの信頼性を向上させることにもなる。

(2 )集電コイルの高剛性、軽量化、取り付け方法
 集電コイルの構造部材に、CFRP(カーボン強化繊維プラスチック)などを使用することで、同一重量で数倍の剛性が期待できる。電気的な特性を犠牲にせずに高剛性の集電コイルができ、取り付け方法を最適化できれば、集電コイルの軽量化のみならず、超電導磁石自体の剛性も高くなり、性能向上となる。

(3 )蓄電池を含めたシステム最適化
 最近の蓄電池の開発には目覚しいものがあり、特に有機電解質によるリチウム二次電池などの高エネルギー密度蓄電池は軽量化等で期待される。しかし、サイクル寿命や電解質の安全性などまだ開発すべき課題が多い。

(4 )全体システム連携の問題
 誘導集電装置は各台車に分散配置するため、各電源の連携の問題がある。複数のコンバータ、複数の負荷が系統として接続された場合の、高調波の流入の問題や故障時の過渡特性などの検討が必要である。さらに、非常時の延長給電や駅停車時の急速充電設備など商用条件での運用についてはさらなる検討が必要となる。

(5 )他システムとのハイブリッド
 全体システムとして考えた場合、燃料電池やガスタービン発電装置とのハイブリッド構成なども考えられる。それぞれの装置の燃料選択等の問題の他、誘導集電装置との電気的な連携、最適な運転方法、非常時の制御等を検討する必要がある。


 現在山梨実験線では誘導集電方式の本格的な実験は行われていないと思われます。以前に実施された実験は僅か1キロの区間に地上ループコイルを敷設し行われたに過ぎず、「超電導磁気浮上式鉄道技術評価委員会」が2009年7月に「実用化の技術が確立されている」との結論を出して6年半が経過しているのに、まだガスタービン発電機による電源のみの走行実験であります。
 前記の論文の「今後の課題」を見ると誘導集電のみでは対応できず電池などと組み合わせる必要がありそうです。多くの電池を搭載すれば車両重量が増し、軽量化が必要なリニアには難題であります。
 誘導集電方式の1番の問題は、外部電源が喪失した時の電源問題だと思います。緊急停車するためにエァーブレーキの(フラップ)を押し出す電源、車輪を出し固定する電源、ディスクブレーキの電源が必要です。車内の照明も必要です。超電導磁石を冷却する冷凍機の電源も必要です。
 準備書の説明会の時に「実験線の誘導集電方式のループコイルは全線にわたって設置されているか。」という質問に全く答えませんでした。技術が確立されているのなら堂々と明らかにすべきであります。  

                            以  上
 
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