ぽぉぽぉたんのお部屋

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ビヨンド・ユートピア 脱北

2024-02-12 | 映画のお話
「自由にたどり着くまでの旅にカメラが密着した奇跡のドキュメンタリー」
とあったがそんな言葉さえ華々しく感じる。

北朝鮮の実態や脱北の事はなんとなくわかっていたような気がしていたのだが・・・

始まりにこれは「再現フィルムではない」と断りがはいる。
すべてが隠し撮りの映像だという。

ひとり脱北して10年会っていない息子を脱北させようとした母親と
中国の山中で身動きの取れなくなった子ども2人と80代の母と夫婦の話が
並行して進んでいく。

若い女性なら中国でアダルトチャットや売春業者、農村地帯の独身者に売れるのだ。
ドラッグや人身売買など色々お金になる。
だが、
年寄りと子供のいる家族ではどうしようもない。
引き取る気があるのかと家族の映像がキム牧師に送られたのだ。

市場価値のない脱北者たちの身元引受人 韓国人牧師キム・ソンウン
中国の瀋陽から青島、ベトナム、ラオスを経由してタイへと1万2千キロの移動距離にかかる費用は莫大だ。
50人以上ものブローカーや地下組織があり
キム牧師の支援者たちの資金だけではどうなのだろう・・・

映画を作ることでお金は入るだろうが
脱出ルートがさらされ、キム牧師の身も危ぶまれるが
それでもドキュメンタリー映画を作る価値はあるということなのだろうか


要はお金なのだとショックだった。

結局、金が目当てのいくつものブローカー頼み
自分たちの身が危なくなったらいつでも投げ出されるだろうし

買収したパトカーに乗ったり、ジャングルを歩いたり
3つの山越えでは山道を10時間以上も歩かされて、
金目当てに同じ山を何度も越えさせられいる・・・
年寄りも幼子も・・・よく耐えられたものだ。

北朝鮮出身の妻が金正日みたいな体型の牧師に惚れたと言っていたが
どうやら彼は脱北の手助けで体中に金属が入っているほど危険な目にあっているようだ。

ベトナムからの船の乗り降りを事細かに注意する場面が印象的だった。
船がタイについても焦らず静かに慎重に降りなければ沈んでしまうのだ。
そうして
タイに来たら、今まで逃げていた警察に早く捕まって
北朝鮮から来たと言うようにと・・・

中国もラオスもベトナムも北朝鮮とは密接な国なのだと改めて気づかされた
見つかれば報奨金目当てで簡単に売るのだから

もう一方の17歳の女性の息子は中国でつかまり
収容所に送られ痛めつけられ、もう生きてはいないだろう
脱北させようとしたことがいいことだったのか
そうでなかったのか、
脱北者の家族としてそのまま北朝鮮にいても未来はないのだという

せめて5人家族が
映画撮影で入るお金で脱北できたのは皮肉だが現実だ


それにしても平和ボケの日本は大丈夫だろうかとふと思った。





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