ぽぉぽぉたんのお部屋

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「ビニールハウス」

2024-04-10 | 映画のお話
気になっていた韓国映画
 
パンフレットには「半地下はまだマシ」とあった
ん~~この宣伝文句 何だかなぁ~~と思う。
 
「半地下」の映画は観ていないが、ビニールハウスが韓国の貧乏人の住処だということは
以前観た映画で知った。
確か、もう10年以上も前に観た『嘆きのピエタ』
コロナ全盛期の頃に海外で亡くなった韓国人映画監督の作品だったか・・・
 
その時のビニールハウスとは大違いの 
豪華な家具が置かれた
床もベッドも冷蔵庫もある今回のハウスは別ものだった。
あの時の映画では透明の薄っぺらのビニールハウスそのものだったのが、
分厚い黒い素材になっていて普通の家とどこが違うのか
最新式のハウスにしか見えなかった。
 
ともあれ
ビニールハウスで暮らす訪問介護の仕事をしている女
息子と一緒に暮らすためなのだと、自分に言い聞かせて人生を変えてしまう。
自分に起きたことに身をゆだねざるを得ない か弱い女・・・
私にはそうは見えなかった。
何もかもが中途半端でただずるずると生きているだけ・・・
 
どうして息子が少年院に入っていたのか
親が離婚してぐれただけなのか
誤って殺してしまったかもしれない介護先の認知症の老女を
母親とすり替えようなどとどうして思いついたのか
そうして
どうやって認知症の母親を病院から連れだして来たのだろうか
息子たちはどうして声を上げて逃げ出さなかったのかと
小さな疑問が次々と湧いてくる
 
結局、自分のこれからの人生に立ち向かおうとする気持ちもなく
他力本願の一見不幸な美魔女なのかしらね。
 
何も悪いことはしていないのに
どうしてこう不運なんだろうと思いながら生きてゆく
本当に少年院から出所してきた息子も
認知症の母親も、彼女の生きがいだったのだろうか
 
しょうもない男に翻弄され、大切な息子のためにと思ってやったことが
母を殺し、息子を殺し、仕事先の親切な主まで失ってしまう。
もう仕事も生きがいも無くなって、これからどう生きるのだろう
 
でも
もうすっかり今までの足手まといはなくなって
案外、しっかり生きていくのか
また、しょうもない男に引っかかって、ずるずると・・・
なのだろうか
 
同性としても
善人ぶっていてもこの中途半端な生きざまが一番引っかかった。
 
貧困サスペンスとしては
あまりにも無慈悲過ぎて、ちょっと笑っちゃう感じだ。
 
悪人なら悪人らしく生き、死んでいく、
どうしようもなく救いのない
最下層の人々のくらしを描き切ったキム・ギドクの方が私は好きだなあ
 
 
 
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