ぽぉぽぉたんのお部屋

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逆転のトライアングル

2023-03-12 | 映画のお話
2022年・第75回カンヌ国際映画祭パルムドール

「この転覆劇、あなたは笑えるか?!
ブラックユーモア満載で贈る世紀の大逆転エンタメ!」との触れ込み

タイトルの原題は「triangle of sadness」で悲しみの三角形という意味のようだ。
美容業界で使われる用語でどうやら「眉間のしわ」のことらしい
トラブルのしわと呼ぶ国もあるようで
悩み事や悲しみが積み重なっていつの間にかできている深い深いしわだったりする。
容易に消えないはずが美容外科ではいとも簡単に消せるのだ。
だが、見た目のために消してみても、心の中は変わらない・・・
それでも また 毎日積み重なってゆく苦悩

モデル同士のカップル、ヤヤとカールの
デートの支払いのいざこざから始まるのだが
どうやらモデル業界は男性は女性の三分の一の収入らしいのだ。

モデルでインフルエンサーとしても売れっ子のヤヤは
これっぽっちも支払う気持ちなんてないようだ。
いつか、大金持ちと出会ってセレブになるまではモデルを続けようと思っている彼女
ご招待での豪華客船クルーズの旅に二人は出発するのだが・・・

予告編を何度か観ていたが、普通におもしろ可笑しい作品ぐらいにしか思っていなかった。
だが、過激なブラックユーモアたっぷりの展開に翻弄される。

くそで儲けていると豪語するロシア商人や武器商人など
リッチでくせ者だらけの乗客はやりたい放題でバケーション満喫

高額チップのためならどんなお望みでもと笑顔ふりまく客室乗務員たち
そうして、船室から一向に出てこなかった船長がやっと出てくるが

台風が来ていても、自動の操縦室は空っぽでだれもいない

おまけに豪華ディナーの真っ最中と、何が大切か、人命などとは考えもしない
想像力のない連中ばかりで
大揺れの船内ではお下劣で汚らしい場面の極み 

難破し海賊の襲撃を受けて無人島に流れ着いたのはたったの7人

火をおこし食料を確保できるのはトイレ掃除だった女性だけ
その彼女ですらイケメンモデルを毎晩のお相手にするルッキシズムぶり
わからないでもないが・・・

格差社会やルックス差別や人種差別ごちゃ混ぜの中

無人島は実はリゾートで
エレベーターが出現し
ヤヤはトイレ掃除婦に殺されることも想像できずに
付き人にしてあげるとつぶやくのだ

痛烈に皮肉る最期は・・・




主演のヤヤ役のチャールビ・ディーンが敗血症で急逝し遺作となった。
以前に交通事故で脾臓を失っていたことが原因らしいが
まだ、32歳だった。

「ベルサイユの子」のダミアン役のギョーム・ドパルデューも遺作だった。
彼も以前 交通事故で右足を切断していた。
映画の撮影中にルーマニアでウィルス感染からの肺炎で
37歳で急逝したことを思い出した。

もっともっとふたりの作品を観ていきたかった・・・


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