
実家に行った帰り
バスを降りると少し風があり
たちこめる熱気がかすかに流れているのを感じた。
駅はUターンの帰省客でごったがえしていたが
街中は夏休みで人出が多い。
夕方のバス停にリュックを背負った若者たちが
並んでいた。
被災地の海岸行きのバス停だった・・・
こんなところにバス停があったのかと
いまだ復旧できない線路を思い起こした。
歩いて自宅に帰る途中
小学校の歩道のネットにからまる朝顔のつる先が
あちこちで思いあぐねたように宙にさまよっている。
ひとつずつ絡ませてやりたい気持ちで
見ていると
しおれた花の合間のネット穴に
何やらいる気配。
よくのぞいてみると
鳥のヒナのようだ。
ネットにはまり動けなくなったのかと
ちょっと足に触れると
羽根を縮めたり、ちょっぴりだけ足位置をかえるので
はまっているわけではないようだ。
暑さのせいもあってか
随分弱っているように見えた。
巣から落ちてしまったのだろうか・・・
スズメより大きい鳥のヒナのような気もする。
しばし悩んだが持ち帰って育てるわけにもいかず
やはりどうすることもできない・・・
自然の摂理に任せるしかないだろう。
虫好きの母子にメールを送ると
少しして返事が返ってきた。
「カラスの子かな」と彼女
幼稚園年中さんの男の子は
「フクロウの赤ちゃんだ」と言っているらしい