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ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「地下鉄の中で」

2015-03-09 | きょうのできごと
いつのもように私は地下鉄の先頭の車両の席におさまっていた。

女性たちの声がしたので
耳だけ澄ますと
席を譲る声と譲られる声だった。

ドアのすぐ近くに座っていた女性が
乗りこんできた女性に声をかけ、席を譲ったようだった。
譲られた女性は恐縮していたようだが素直に腰かけた様子だ。

譲って立ち上がった女性が
動き出した車内でバランスを崩し、他の乗客に触れたと感じたのだろう
謝りながらよたつく自分を自嘲した・・・
小柄でスマートな女性だったから無理もない・・・

私の右隣の初老の男性がお尻を寄せて
私も習ってお尻をよせると
席がぽっかりと一つ空いた

女性にトントンすると
気づいたようだが反対に振り返ったので
もう一度触れて声をかけた。
彼女はお礼を言って喜んで席についた。

この席は4人座れるのにいつもゆったりと3人しか座っていない。
彼女が今まで座っていた向かいの席には
3人がゆったりと座って、スマホやタブレットに夢中だ。

スマホをなぞっている譲られた女性は
若くふくよかだが片手が不自由な感じだ。

隣の男性は鞄の上にタブレットを置いてずっとにらめっこ。

この男性が気づいて、もう少しお尻を寄せてくれていたら
彼女は席を譲らなくてもすんだろうに・・・
と思いながらまじまじと見る。
 
それから、目を閉じながら
弱者が弱者に席を譲るのだからと考えてしまう・・・

弱者だからわかること、気づくことも多いのだろう。

少しすると、そうっと私をのぞきこむ気配がして
私の前に顔を持ってきていた隣の女性が
「おかげさまでした」と言って
かわいいほどに小股に歩いてドアに駆け寄った
やっぱり弱者なのだった・・・

「とんでもないです」
と随分昔に覚えたこの言葉が繰り出された。

 

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「バスの中で」

2015-02-12 | きょうのできごと
土曜の午後、帰りのバスの中で
流れる景色を追いながら、私はあれこれ思いを巡らしていた。

すぐ後ろの席に乗った男性が何やら話している。
どうやら文句タラタラのようだ。
誰かと話しているのかと思ったりもしたが
振り向かないまでも一人だと察せられた。

バスの中で、たぶん携帯電話だろうが
ぶつぶつ文句を言っていても仕方ないだろうと嫌な気分になった。

しかしその繰り言はいっこうに止みそうもなく
だんだん声も大きくなっていく。

突然、怒鳴り出すとやおら立ち上がって

走っているバスの中を後ろの乗客の方へ・・・

皆あっけにとられている中


「何やってるんですか」と運転手がバスを止めた。

 男は運転席に駆け寄り言った。
「うるさいと言っても静かにしないからゲンコツをくらわした」と。


「別にしゃべったっていいでしょ。
 今のカメラで撮ってあるから、警察呼びますよ!」
「お客さんどうしますか?」と女性客に問う。

男の態度が変わり、
「ごめんなさい、もうしません。どうか許して下さい」
と何度も土下座して謝る。
 
おしゃべりなどしていそうもなかった被害者の女性客が
「とにかく席にすわりなさい!」と一喝して
男はおとなしく座り、バスはまた走り出した。

元から女性客は次で降りる予定だったようで
降り際、何やら運転手と話していたが

バスは何ごともなかったように走り続けて
他の乗客も目的の停留所まで降りるようすはなかった。


もう随分と前の事だが全く別の路線で
後ろの席で男がどんどんと足を踏みならしていただけで
乗客がほとんど降りてしまったことがあった。

運転手は後ろの席まで行って注意していたが・・・



あの時もこの時も私は降りることなく席に着いている。


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「地下鉄で・・・」

2015-01-21 | きょうのできごと
今月も下旬となり地下鉄で出かけた。

「あなたはどっち派?」のポスターはあるものの、
やはり駅のエスカレーターは相変わらずだ。
きれいに片側整列で皆のっている。

そこをあえて真ん中にドンと言う気にはなれない
ましてやひとり反対側にと言う気分でもない・・・

何か「いづいなあ」と思うこともあるが生真面目に並んでしまう。

学生の時はそうではなかった。
制服は嫌いではなかったが濃紺が自分に似合わないことには気づいていたから
いつも白っぽいセーター姿で通した。
今は抗うのも面倒な年齢なのかもしれない。

地下鉄の中では向かいの乗客が皆
スマホとにらめっこしている。
指をはけのように操りながら
何をしているのだろう・・・

彼はゲーム? あの人はメールチェック?

ま向かいの彼女は特に真剣で
メモをとったり、本から拾い出したりと
もうここは図書館のようだ。

向こうの男性は器用に立ったまま
何やらやっている。
素晴らしいバランス。
私にはまねできそうにもない。

しばし人間観察しているともう降りる駅だ。

帽子にマスクにメガネ、完全武装なので
こちらも得体のしれないおばさんだ。


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「今年こそ」

2015-01-03 | きょうのできごと
色々な事があった昨年

秘密もいっぱい抱えているような気分でいたが
それがある日消えてなくなってしまった・・・

どんなに包みこんでいたつもりでも
他愛もないことだったんだ

今年こそ
ほんとうの秘密をそうっと抱え込んで
守ってあげていたい
ずっとずっと
愛おしげに

つい力を入れすぎたりしないように
優しく ささやかに そしてひっそりと

今年こそ
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「女子会旅行」

2014-11-14 | きょうのできごと


勤めていた頃の同期の友人たちとのランチ会が
ここ数年行われるようになった。

そうして今度は「旅行にいきましょう」と連絡があった。

一ヶ月半たって松島旅行に出かけた。
女子会プランである。

のんびりとよもやま話でもと楽しみにしていたが
私の引いた風邪が長引いて良くならず
薬をかえたり病院をかえたりと
右往左往していた。

色々悩んだもののマスクをしての参加となった。
話しだすと咳こむので
話したくても話すことができない。

回復するはずの天候は宿に着き
話しこんでいると
大雨が降りだして
円通院のライトアップもあきらめた。

仕事を続けたり家庭の主婦に落ち着いたりと
皆それぞれに時を経て
個性が際立ってきたように思う。

のんびり屋さんだと思っていた方が
ちゃきちゃきと地域で活躍していたりと
お話を聴いていると驚かされることが多かった。

スポーツクラブに通っていなかったのは
何と私だけだった。

不健康な体型をさらしてのマスク姿は
ほんとうに情けない。

それでも、温泉に来たのだからと
いつものペースで3回お風呂に入って
のんびりできた旅行だった。



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「秋の日に」

2014-10-17 | きょうのできごと
母と病院に行くのは久しぶりだ。

春に耳鼻科をかえた時に
妹といっしょに付き添った時以来だからもう半年になる。

始発のバス乗り場に並ぶと
高校生たちも列にたくさんいて不思議な感じ。

40分ほどかけて実家に着き
母と歩いてかかりつけの病院に向かう。

病院までは上り坂で
昔は登ったはずなのだがこんなに急だったかしらと思う。

母と並んで歩いているつもりなのだが
母の歩みが速くて何だか落ち着かない。

どうしてこんなに早いのだろうと
自分のテンポを何度も調整して並んで歩く。


そうして帰りはもっと母のスピードがアップした。

「もう少しゆっくり歩いたら」と言うと
「これ以上ゆっくり歩けない」とのたまう。

おまけに癖なのかポケットに手を入れて歩こうとするので
「ポケットに手を入れないで下さい。転んだら危ないでしょ」と
注進する。

あまりにも早いので
腕を組んでゆっくりと歩いてもらおうとするが
「ゆっくり歩くと腰が痛くなるから」と
小走りの速さをゆるめたくないようだ。

もしかして(下り坂で自分でスピード調整ができないのかしら)と
「ストップ!」と号令をかけてみた。

止まってはくれるがいまいち反応が遅い。

何度か「ストップ」をかけては
止まらせながら
機能訓練を試みてみる。

何十年も平地に住んでいる私の歩みは
ここ数年でことさらゆっくりになった。

母は違う。
この坂を年々年老いながら
だんだん遠くなってゆく店を目指して駆け上がっていたのだ。

やがて「ストップ」をかけ合いながら家に帰りついた。
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「台風の日」

2014-10-07 | きょうのできごと
台風がやってきて県内は小中学校をはじめ休校となった。

こんな時に限って、どうしても行かなければならない用事がある。

完全武装のフード付きレインコートに
タオルやら着替えやら
替えの靴まで持って出かけた。

乗るはずのバスはしばらくやって来そうもない。

もう少し早いバスにすればよかったと思いあぐねていると
その早いバスが遅れてやってきた。

乗り込んだものの渋滞でほとんど進まない。
普段ならとっくに着くはずが時間は刻々とすぎてゆく。

女性の運転手さんがバスの遅れを正確に車内放送してくれる。

結局、随分と時間はかかったが
早すぎず遅すぎずという所でおさまった。

慣れない場所と雰囲気の中、リーダーが気遣って
新参者の私に時々声をかけて下さるのがありがたかった。

解散となり外に出ると、雨は止んでいた。
用意していた着替えも靴も出番はなかったが
準備万端あっての結果だ。

強い風もそれなりにあったが大したこともなく
台風は通り過ぎていった。

ほっとした一日の終わり
遅い時間に電話がなった。

最初に聴いたことばを大きな声で繰り返した。


こんな日にどうしてと
悔しさと悲しさと今までの想い出が
次々とぐるぐる廻るようにわき上がってくる。

「大丈夫?」と、途中で、そして最後にたずねた。
その度に「大丈夫」と答えが返ってきた。

「大丈夫?」としか言えない自分が情けなかった。

不条理な渦に巻き込まれてしまっても
ただ向き合っていくしかない事を思った。





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「 堕ちた たまご 」

2014-08-08 | きょうのできごと
日曜日、買い物から帰ってきて少しした頃からだろうか
納戸と化した部屋の空気が違う。

マイバスケットのあたりが何だか嫌な感じがする。

嫌な感じが変なにおいだと気付いてから
においが気になって仕方がない。

クンクンとやってみるが
何だか違う

今まで体験したことのないような不思議なにおいだ

初めはマイバスケットのあたりと思いこんでいたが
次第に拡散してきたのか、それとも違う場所なのか
気になりだして2日目、
少し強く臭った場所があった。

自分の目線より少し高いところにあったので気付かなかったが
端の1個に黒い線のようなものがいくつか付いている

(これは何だ)とばかりに台所に持って行って
パックを開け
不思議な卵をとりだす

近づけて調べようと思った瞬間だった
不意に手が滑ってあっという間に下降してゆく・・・

瞬間はいつもスローモーション

あわてて手を差し伸べれば受け止められたかも といつも思うのだ。


落ちた卵から広がったのはどす黒い液体
白身もはねて嫌なにおいがあちこちに飛び散ってゆく


汚物は広がり、あたふたと掃除する羽目になったのは
この暑さを
怠ける口実にしていたしっぺ返し

堕ちたたまごのような自分の堕ちた姿を
見た思いで我にかえったのだ


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「台風をすり抜けて」

2014-07-11 | きょうのできごと
早朝の新幹線で鎌倉旅行に出かける日は台風がやってくる日
事前に休校の学校も出て、いったいどうなることやら・・・

指定の新幹線に乗らないことには
何もかもがおジャンになってしまう旅程は・・・

雨も上がり、空はどんどん晴れわたってくる

着くと時間を繰り下げて登校する学生たちの群れ

小町通りには人影もまばら
バスから降りてくるのは、外国人の団体観光客ばかり

タクシーの運転手さんが
「ひっそりとして、地元の人たちしかいない朝7時半ごろの人通りですよ」

台風をすり抜けて、晴れ女ふたりだったのだろうか・・・

海はまだまだ波も荒く濁っていたが
ウエディングドレスのカップルが写真撮影をしていた
風がベールを流すようにたなびく

空は青く雲は後光のように流れ

大仏様の表情も色々に見えた

   
          
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「銀山温泉」

2014-06-15 | きょうのできごと

初めての銀山温泉。

 

全てこじんまりとしていて、ほんとうに「かわいい~」温泉だ
風情ある大正時代の建物も
滝も銀山川もさほど大きくなくてかわいい
その昔、銀を掘る炭鉱の工夫たちが
ゆっくりと温泉に浸かって身体を休めたのだろう

車も入れない小さな温泉街
今は使っていない建物もいくつかあり
さびれつつもがんばっている日本の温泉街を思う

夜もガス灯がともり、それも10時には消灯
やわらかいお湯にゆっくりと浸かって
非日常のつかの間のひとときを過ごす

夕涼みに窓を開けて川を見やると
建物にカメラを向けている人たちと目が合ってしまい
どうも落ち着きません・・・

カメラに入っても
若く美しい女性なら様になるのでしょうが・・・

 






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