大倉草紙

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【東京】 ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情 (国立西洋美術館)

2008年11月28日 19時26分44秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月26日(火)
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チラシに使われているのは、「背を向けた若い女性のいる室内」(1904年頃)。
妻のイーダを描いたものである。
後ろ姿が美しい。
妻・イーダを描いた作品は多い。

 
「ピアノを弾くイーダのいる室内」          「休息」(1905年)
(1910年)

          
     「イーダ・イルステズの肖像」(1890年頃)

イーダの右目は青、左目は茶で描かれている。
1904年、デュッセルドルフ市立美術館に展示たこの作品を見て、強い印象を受けたリルケは、ハンマースホイに会うためにコペンハーゲンへ行ったという。


          
       「イーダ・ハンマースホイの肖像」(1907年)

これは、イーダ38歳のときの肖像画。
疲れきっていて、38歳には見えない。
観ていて、辛くなるほどだ。


室内を描いた作品が続く。

          
        「室内、ストランゲーゼ30番地」(1901年)

一見、普通の室内だが、中央のテーブルの影は一方向ではなく、右側のピアノの脚は足りない。
一旦気になり出すと、不思議で非現実的な空間に見えて仕方がない。


          
              「陽光習作」(1906年)

ドアノブのないドア。
陽の光が美しい。
美しいのだけれど、静かなのだけれど、落ち着いて観ていられなかった。
不安な気持ちになるのだ。


      
        「白い扉、あるいは開いた扉」(1905年)

奥へ続いていく扉へ吸い込まれそうな感じになる。
一番奥に見える開かれた扉からは、光が見える。
人物は描かれていないが、床板には誰かが生活した痕跡が。
あれこれ考えるとホラーになってしまいそう。


グレートーンの作品群は、決して暗いものではない。
けれど、観ていて心にずっしりと重いものを感じる。
ハンマースホイの不思議な魅力を堪能した。

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