やっち@十月祭とビール好きの部屋

町田の老舗麦酒屋さんを畳んだ店主のその後奮闘記です(笑)

置き去りの日々

2015-07-31 10:50:54 | 日記
“ビールの美味しい季節ですね!”

“忙しいでしょう?”

言われるのが段々イラッとしてくるほど、うちはマイペース。

いつもの人がいつものように来てくれて、遠方からもわざわざ寄ってくれて…

こんな自分勝手な店に来てくれてありがとう(*´ω`*)



さて先日、Facebookに何と10年以上前のお友だちから申請が来た。

“覚えてますか?M です”

もちろんだよ。
私がまだ専業主婦やっていた頃、お互い小型犬を飼っていた関係で知り合って、お料理教室に通ったり、お互いの家行ったり来たりしていたお友達。
お互い“飲みに行く”ってことは全くなく、公園散歩したり、お茶したりしてた。
今じゃ考えられない。
別な人の人生だ。

私が離婚して、住んでいたマンションの名義が旦那さんだったもので、飼っていた犬を二匹だけ連れて家を出て。
それから気まずくて連絡をしなくなった。
不思議だよね。
結婚する時は連絡して、写真入りの年賀状送ってさ、離婚したらやらないの。
結局、年賀状って現状自慢なんだよね。
自慢してた。ヤなやつだった。
失って初めて気付いたよ。

世間知らずで、損ばかりして、お金なくて、苦労して、死ぬほど働いて、泣きながらここまでやって来た。
酒も浴びるほど飲んで、飲まないと生きていけない人間になった。
M ちゃんに会わせる顔ないや…

でも、彼女からのメッセージでは

“今夜行っていいですか?”

時が経ちすぎていて、彼女がどんな人になっているのだか分からなかったし、うちのビールが飲めるのかも分からなくて、“何でもある訳じゃないから心配です”とだけ答えた。

しばらくしてやって来た彼女は、一つにきっちりしばったポニーテール、シックなワンピースを着た大人の女性だった。
当時二十代だった女の子は、すっかりキレイなお姉さんになっていた。(持ち物はキラキラしてたけど…)
それでも彼女は少しも変わらず、キラキラした目で、嬉しそうに、やさぐれた私に接してくれた。

眩しかった…

なんだろう、苦労を思い出しても平気なのに、幸せだった頃を思い出すと泣けてくるんだ。

当時、一緒に暮らしていた男性とは結婚したようで、写真を見せてくれた。
でも、相変わらず全部外食、食事の用意はしないそうで、生活感のかけらもなく、彼女は少女のままだった。

“よくご飯とかケーキとか作ってくれたよね”

そうだっけ?(;^_^A
昔から世話焼きだったみたいだ。
妹のように思って可愛がっていた彼女の喜ぶ顔見たかったんだよね。

全然変わってない彼女を見ていると、あの頃に戻ったようですごくくつろいだ。

“康子さん、全然変わってないね”

ああ、私は別人なのに…
この子にはそう見えるんだ。
きっと、人の心の奥が見える、皮一枚には惑わされない心のキレイな子なんだね。

お客さん全員帰ってもしばらく飲んでいたら、旦那さんからのline。
心配してるみたいで、危ないから迎えに来るって言うんだ。
徒歩5分もかからないだろうに優しい人だねぇ。
彼も来たいって言ってたのに置いてきたみたい。
帰り道だし送っていったよ。

ありがとね!( 〃▽〃)
今度は昔みたいにランチ食べ行ったりしよーね!

でもさ、驚いたのはうちのビールを飲む速さ…

“ビールじゃないみたい!美味しい”

確かに現在スッキリしたものばかり入ってるけど…
飲めるようになったんですね…
私にもご馳走してくれたし、彼女もグラスで6杯くらい飲んでたよ。

また来てね!
今度はこっちゃん(飼ってる犬)や旦那さんもね!
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東西の感覚

2015-07-30 11:10:09 | 日記
夕方に父の携帯からかかってくるとドキドキする。だって埼玉からやって来るのに大抵既に町田の駅にいたりするんだもん…
社交的で話好きな父は、誰も来ないと寂しそうなんだよね…(店も心配している)

でも今回は素敵なご夫婦がいらしたので、非常にご機嫌だった。

兵庫県出身のなまりの残る奥様と、こちらが地元のご主人。
よく笑いよく話す奥さんに、はにかむ程度に口角をあげ、話しかけない限りお口を開かないご主人。
夫婦(男女)とは不思議なもんです。
(関西男子とは付き合ったことありません)
今回は仲良く人間ドック明けだそうだ。
ビールが染みるね!

私も関西育ちなもので、奥さんとは話がピッタリ合う。

やはり東京に移住した関西人は皆寂しがる。
何を話しても“へー”
絡んでこない、オチがない、テンポのないやり取り…
このまま話してよいのか?嫌われてるのか?自分の話に自信がなくなる。

逆に東京の人は、ノリとかオチを求められて嫌みたいだね…

Facebookを見て(サクラ募集の)駆けつけてくれた常連のT さん、彼は東京の人。
オススメの十和田豚バラ焼きを出したら、もっとしょっぱい方がいいって言った。
青森、秋田の料理は甘いものが多いんだよね。
関西の甘いすき焼きも苦手と言った。
(私は関西風がいいんだよね。定期的に十月祭では関西風すき焼きの会やります)
関西で育った私には、東京の、色の濃い、醤油臭い料理が口にあわない。何でも同じ味がする。

西と東では、乗り越えられない、感覚の違いがあるもんだね。

言葉もノリも味もそうだけど、自分の基準をしっかり持った上で、拒否することなく、分かり合い、譲り合えるといいね。

ちなみに、今では私も“へー”って言っちゃいますけど…(;^_^A



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儲からない夜

2015-07-29 11:40:40 | 日記
開店準備をしていたら…

“何時からですか?”

って声かけてきたカップル。

“そろそろですけど”

言いながらも、うちに来たのかなぁと思い聞いてみると…

“焼き鳥屋さんですよね?”

ほれ、やっぱり
隣ですよそれ…

うちの隣にできた焼き鳥屋さん、白い壁、青を基調とした色彩、アイアン使い…外観がうちとリンクしていて、よく入り口間違えて入ってくる人がいる。
逆にあちらに入ることもある。

お隣は定休日だとお伝えして、近隣の焼き鳥屋さん紹介しといた。

そうなんです。
うちはちゃんと聞かないと間違いがあるのだ。

それからは、火曜日だし、暇なんだろうなぁと余裕してテレビのクイズ番組にガチで答えていた。

入り口の方でモタモタしてる団体がいるのが、雰囲気見えた。

普通は出ていって迎え入れるとこだろうが私はしない。
ドアを開けようとして開けられずに帰る人もいるが私は追わない。
その程度で諦めるメンタルでは私はとてもつきあえない。
きっと、ちょっとしたことで気に障るんだろう。
私は無邪気な人間なので、どうしてもお客さんということを忘れて、友達だと勘違いして、垣根を越えて、失礼なこと言ってしまうようだ。
申し訳ないと思うけど、そういう人間だ。
強気なんじゃなくて、とても怖がりなんだ。

その団体はついに入って来た。
さっきのこともあるから、念のためうちに来たのか確認してみたら、横浜の方で、知り合いのビアバーの紹介だそうだ。
通常、4名以上の団体は入れないのだけど(対応できないから)そう言うことなら話は別でしょ。
さすがに紹介された人たちは馴染むのも早く、ビールもよく飲み、時間のかかるフードにも文句もなく、私も楽しくお話しながら、ビールを飲んだ。

終電が近いからと帰られたが(ラーメン食べたいって言うから町田家紹介した)、月曜に引き続き、本当にアットホームで楽しい、私が理想とするオクトーバーフェストな夜だった。



…でもさ

お会計間違えてた。
伝票二枚あった…(。>д
そしたら金ないくせについてくるんだ。

ま、知らない関係でもないし、彼の勤め先も、社長も仲良しだし、まいっか…

お誕生日おめでとうございマース!

店主に数杯ゴチって私も飲んだ。
ついてきた彼も飲んだ。

で、お会計私なわけだ…

“ごちそうさまです!”

つか、おごんねーから!( ̄∇ ̄)
おめ、絶対返せよ!

はぁー、何なんだぁ?
計算間違えするわ…
出費ばかり…
儲からねー夜だった。

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素晴らしきかな!

2015-07-28 14:48:19 | 日記
昨夜久しぶりに来店された女性。
長い茶髪は黒髪に変わり、今やツーブロックにサイドを刈り上げたショートヘアー。
ギャルはすっかり大人の女になった。

お誕生日、独りで過ごすの嫌だから飲みに来てくれたそうだ。

いつも暇な月曜なのに、上手いこと若い男性の二人連れがいらして、彼女も楽しそうだった。
(ネット検索で来たようだけど、うちは意外とネットで引っ掛かるみたい)
ドイツのオクトーバーフェストにも行かれたお二人と、彼女は意気投合して皆でオクフェス帽かぶって喜んでたね。


そう言えば、彼女もともとビール飲めなかった。
初めて来店されたのは数年前、知人の連れとして。
ビール専門店だって言われて来てるのに…

“ワインありませんか?”

って言ったっけ。
そこが十月祭で、私の個人的ワインがあったので“そんなんでいいすか?”って出したんだ。
お友だちのホワイト系ビールを試飲した彼女は、“美味しい!飲めるかも”って驚いてた。

あれからうちに通うようになった彼女のグラスは段々大きくなった。
昨夜も2マース近く飲んでたね(;^_^A

誰かの感動に立ち会える仕事は素敵だ。
誰かの分岐点、きっかけづくりができる。
人と人を結びつけ、思い出の人になれる。
私の仕事は素晴らしい!
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私のビール感

2015-07-28 13:41:00 | 日記
ビール嫌いだったってことは話した。
大抵の(うちらの時代の)女性がビールを嫌いな理由。

1.冷たい
2.炭酸がキツい(お腹がふくれる)
3.お酌文化
4.一気文化

そして、私の場合は“おまえビールでいいよな”的な雑な感じが嫌だったなぁ~
好きなもの頼みたかったもの。
女は酌しろ!みたいのも時には不快だった。
たくさん残ってると“飲みが足りねぇ!”
ちょっとだけ残ってると“飲んでしまえ!”
自分のペースで飲ませてはもらえない酒。
時にはピッチャーに残ったくそ不味い液体。
美味しいと思って、味わって飲んだことなんかあるかなぁ?

だから、大学時代、ロンドンのpubで何らかのエールを飲んだ時、ビールがキンキンでなくて、香りがして、飲んでもお腹膨らまない、今までの概念を覆す感動があったわけだ。
何かを飲んで美味しかった!って言うレベルじゃなく、“これはビールか?”って言う感じ。

あれからはどこに行ってもビールを探すようになった。
日本のクラフトビール(以前は地ビールと言った)では、北海道の大沼のホテルで飲んだ大沼ビール。大型の添乗のチーフだった。
部屋にもろくに行けず、仕事で疲れた深夜のロビー。
一度ソファーに腰かけたら立てなくなって、そこで明日の確認してた。
そしたら、フロントの方がビールらしいものを運んでくるのが見えた。

“いや…今ビールじゃないんだよなぁ…要らんなぁ”
って思った。
でも、テーブルに置かれたビールらしき液体からはいい香りがしたんだ。

“なんですか?これ”

“地元のビールです”

飲んだらこれがまた美味しくてね~
売店の地ビールコーナーの持ち帰り用は、1リッターが2本入ったものだった。それを一人暮らしのくせにクールで発送したなぁ~。
大沼ビールは今でも存在するし、ボトルも小さいのがある。IPA も増えたんだよね。相変わらず旨い。
思い出のホテルは残念ながら今はない。

次に開眼したのは新潟のスワンレイクビール。
新潟の添乗で寄った物産館、ボトルで売っていた。
全種類ガサッとかごに入れレジで精算。
それが3000円以上してさぁ。レシート確認した。その値段に驚いた。
そういう経験もあるから、今でも“高い!”って言われるの分かるんだ。
軽く後悔したが、家で飲んだら美味しかったなぁ…。
この話はスワンレイクの社長にも、ブルワーさんたちにも話した。
初代から同じ方々が造っているので、実際に私が飲んだビールを、それから何年か経って会えたこの人が!って思ったら感動したなぁ…。

三本目は軽井沢のよなよな。
それは私立の中学生の小さな修学旅行の添乗だった。
仕事が終わって、売店で買った缶ビール。プルタブを開けて驚いた。
これは何だ?
缶ビールを美味しいと思ったのはこれが初めて。
そして、売店の缶を買い占めてスーツケース一杯にして帰ったっけ…。
この話もヤッホーの上席に話したなぁ。

当時の地ビールは不味いものばかりだった。その中でこれらは昔も今もクオリティを下げずに頑張っている。
不味かったビール(言えないけど)も、資本力(結局ここ)で頑張って続けた結果、現在は上がってきている。

“俺のビールだ悪いか!”
ガイドラインも知らず、他のビールを認めない。
職人気質で、無愛想で、気難しかったブルワーたちも、イベント慣れで愛想笑いと営業トークが出来るようになった。
そして、そこで知り合ったブルワー同士は仲良くなり、切磋琢磨した結果、更に味わいは向上した。

近頃ではイベントだらけ。
盛り上がっているのは嬉しい限りだが、あれはあくまで移動販売。
温度は冷たすぎるし、扱いも雑で、何よりプラカップで飲むことが多い。
コンディションを、整えたクラフトビールの旨さはそんなものでは収まらないんだよ。
イベントのハシゴだけに留まらず、専門店や現地で飲む方が少しでも増えたらなぁと希望する。

日本人は世界的にも味覚が鋭い国民だと思うんだ。
それをフルに活かして、今後に期待したい!
消費者も協力して欲しい!
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