やっち@十月祭とビール好きの部屋

町田の老舗麦酒屋さんを畳んだ店主のその後奮闘記です(笑)

私のビール感

2015-07-28 13:41:00 | 日記
ビール嫌いだったってことは話した。
大抵の(うちらの時代の)女性がビールを嫌いな理由。

1.冷たい
2.炭酸がキツい(お腹がふくれる)
3.お酌文化
4.一気文化

そして、私の場合は“おまえビールでいいよな”的な雑な感じが嫌だったなぁ~
好きなもの頼みたかったもの。
女は酌しろ!みたいのも時には不快だった。
たくさん残ってると“飲みが足りねぇ!”
ちょっとだけ残ってると“飲んでしまえ!”
自分のペースで飲ませてはもらえない酒。
時にはピッチャーに残ったくそ不味い液体。
美味しいと思って、味わって飲んだことなんかあるかなぁ?

だから、大学時代、ロンドンのpubで何らかのエールを飲んだ時、ビールがキンキンでなくて、香りがして、飲んでもお腹膨らまない、今までの概念を覆す感動があったわけだ。
何かを飲んで美味しかった!って言うレベルじゃなく、“これはビールか?”って言う感じ。

あれからはどこに行ってもビールを探すようになった。
日本のクラフトビール(以前は地ビールと言った)では、北海道の大沼のホテルで飲んだ大沼ビール。大型の添乗のチーフだった。
部屋にもろくに行けず、仕事で疲れた深夜のロビー。
一度ソファーに腰かけたら立てなくなって、そこで明日の確認してた。
そしたら、フロントの方がビールらしいものを運んでくるのが見えた。

“いや…今ビールじゃないんだよなぁ…要らんなぁ”
って思った。
でも、テーブルに置かれたビールらしき液体からはいい香りがしたんだ。

“なんですか?これ”

“地元のビールです”

飲んだらこれがまた美味しくてね~
売店の地ビールコーナーの持ち帰り用は、1リッターが2本入ったものだった。それを一人暮らしのくせにクールで発送したなぁ~。
大沼ビールは今でも存在するし、ボトルも小さいのがある。IPA も増えたんだよね。相変わらず旨い。
思い出のホテルは残念ながら今はない。

次に開眼したのは新潟のスワンレイクビール。
新潟の添乗で寄った物産館、ボトルで売っていた。
全種類ガサッとかごに入れレジで精算。
それが3000円以上してさぁ。レシート確認した。その値段に驚いた。
そういう経験もあるから、今でも“高い!”って言われるの分かるんだ。
軽く後悔したが、家で飲んだら美味しかったなぁ…。
この話はスワンレイクの社長にも、ブルワーさんたちにも話した。
初代から同じ方々が造っているので、実際に私が飲んだビールを、それから何年か経って会えたこの人が!って思ったら感動したなぁ…。

三本目は軽井沢のよなよな。
それは私立の中学生の小さな修学旅行の添乗だった。
仕事が終わって、売店で買った缶ビール。プルタブを開けて驚いた。
これは何だ?
缶ビールを美味しいと思ったのはこれが初めて。
そして、売店の缶を買い占めてスーツケース一杯にして帰ったっけ…。
この話もヤッホーの上席に話したなぁ。

当時の地ビールは不味いものばかりだった。その中でこれらは昔も今もクオリティを下げずに頑張っている。
不味かったビール(言えないけど)も、資本力(結局ここ)で頑張って続けた結果、現在は上がってきている。

“俺のビールだ悪いか!”
ガイドラインも知らず、他のビールを認めない。
職人気質で、無愛想で、気難しかったブルワーたちも、イベント慣れで愛想笑いと営業トークが出来るようになった。
そして、そこで知り合ったブルワー同士は仲良くなり、切磋琢磨した結果、更に味わいは向上した。

近頃ではイベントだらけ。
盛り上がっているのは嬉しい限りだが、あれはあくまで移動販売。
温度は冷たすぎるし、扱いも雑で、何よりプラカップで飲むことが多い。
コンディションを、整えたクラフトビールの旨さはそんなものでは収まらないんだよ。
イベントのハシゴだけに留まらず、専門店や現地で飲む方が少しでも増えたらなぁと希望する。

日本人は世界的にも味覚が鋭い国民だと思うんだ。
それをフルに活かして、今後に期待したい!
消費者も協力して欲しい!
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