やっち@十月祭とビール好きの部屋

町田の小さな麦酒屋さんの奮闘記と、訪れた仲間たちのブログです

バイトちゃんの条件

2014-01-28 16:55:06 | 日記
昨夜はいつもの定例月曜会。
私が行っている美容院の美容師さんが、火曜日休みなので、うちに来て飲んで、十月祭閉めてから他所で飲む会。

十月祭に来たのが、経営者ばかりになったので、雇う子タイプの話になった。

十月祭では従業員を募集したことがない。
誰かを雇う余裕がないのもあるが、雇う自信もない。その子の将来まで真剣に考えちゃうからね。

よく電話は来るんだ。
“前、お店に行ったとき感じよかったんで…”
へー、そんな接客してないけどなぁ。

相性良かったんだね。
しかし、残念ながらお断りしました。
ゴメンね…暇で私だけで大丈夫なの。

そんな中で、今まで三人の女の子雇った。

将来お店を出したいと言うMちゃん、Yちゃん、大学出たての就活中のKちゃんの三人。

Mちゃんは、知ってる店のスタッフだった。ドジで怒られてばかりだが、憎めないタイプだった。
今にも泣きそうな薄い顔がまた可愛くて、よく励ました。

しばらくして、その子はその店を辞めた。
残念に思っていたら 、ある日私の行きつけの店で私を待っていた。

“十月祭の定休日を貸してください”

それも面白いんだけど、まずは彼女のもと勤め先への義理があるので、それをちゃんとしなくちゃと思った。
引き抜きしたと思われたくないしね。

(知り合いの店でも、人気のスタッフがヘッドハンティングされて、お客さん根こそぎ持っていったの、私はどうかと思ってる。お別れ会にいって励ましたけど、次の店には行けてない。この業界、筋は通さないとね。)

オーナーと二人で話し合ったよ。
彼女はこんな子だよと色んな欠点言われた。私の知らない姿があった。
それでも彼女の自主性を信じて任せることにした。

任せるからには人を呼んでやらなくちゃと、イベント風に、私のコミュニティで集客して、月に一度彼女に任せた。

次のYちゃんは、同じく行きつけの店で出会った。
酒が弱いのによくそこで酔っぱらっていたっけ。
精神的にも弱い子だった。
将来お店を出したいとは言うけど、どうなんだろうって感じた。

だから、お酒飲まなくていいように、ややこしい人間関係ないように、うちのランチを任せた。

好評な日はよかったけど、ノーゲスの日には泣いていたっけ。
その時の彼女のメモはまだ持ってるよ。

Mちゃん、Yちゃんに共通することは多かった。
若いのに飲み歩く。
お店を出したい。
タバコを止められない。

私はタバコは吸わない人間。
“止めたんですか?”って言われるけど、吸ったことないから。

上の二つはいいとして、タバコにはマナーがあると思う。

吸わない私の中でのマナーは以下。

吸わない人の前では遠慮。
外で吸わない。
もらいタバコはしない。

基本、お客さんに断ったら吸ってもいいから外で吸わないでとお願いした。
スタッフの二面性見たくないんだ私。

貧乏臭いから止めろと言ったのに
もらいタバコは止めなかったなぁ…
見てなければ掃除もしないし、
遅刻、欠勤も多かった。

それから何よりも思ったのが、学ばないこと。謙虚に素直になれないこと。
人としての成長がある程度終わっていたこと。

残念ながら、二人ともフェードアウトで辞めていった。

二人の何が困ったか?
習慣と育ちが私と違ったこと。
作業以外は注意したくないから、全て私のストレスになった。

そして三人目のKちゃん。
私の術後の力仕事関係を補うために手伝ってくれたお客さんのお嬢さん。

ビールのことも、飲食のことも何も分からない真っさらな女の子。

しかし、何でも素直に興味をもって学んでくれて、一回言ったことは二度と言われない、そして何よりも私の仕事をよく見ていた。
タバコも吸わなかった。
何のストレスもなく、しばらく手伝ってもらった。

終バス、終電で帰っていいよとは言っていたのだけど、ついお客さんと話し込んだりご馳走していただく時は、店を閉めてからご飯食べにつれ歩いた。
彼女は彼女なりに悩みがあって、よく聞いてあげたっけ。
そしてタクシーで送った。

彼女は就職を期に十月祭を卒業した。
うちでの経験は彼女に必要だったと思うよ。
今でも定期的に遊びに来るんだ。

結局、雇って上手く行く子は、雇い主との相性はもちろん、育った環境が似ていることなんだろう。

どの子もそれぞれに成長して、自分が尊敬し師事できる方に会えることを祈るばかり。

私もそういう原石な子がいたら育てていこうと思っている。