詩『言葉の街から』 対話シリーズ
5925
いろいろな書体があるように
今ここを生きる言葉も
いつも尽くせぬ思いを抱えている
5926
澱(よど)みないゴシック体もあれば
言葉の水面と水面下に
行きつ戻りつのかすれた変体仮名もあり
5927
書体を渡り歩いては
しっくりいかない
心をなだめようとする
5928
けれどそれは言葉を持ってしまった
ことばの人の
言いようもない 定めにちがいない
5925
いろいろな書体があるように
今ここを生きる言葉も
いつも尽くせぬ思いを抱えている
5926
澱(よど)みないゴシック体もあれば
言葉の水面と水面下に
行きつ戻りつのかすれた変体仮名もあり
5927
書体を渡り歩いては
しっくりいかない
心をなだめようとする
5928
けれどそれは言葉を持ってしまった
ことばの人の
言いようもない 定めにちがいない