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画像・詩シリーズ  #14 はじまりの映像から

2024年07月30日 | 画像・詩シリーズ
#14

 はじまりの映像から

ことばの人が
言葉の小さな火を点しながら
とぼとぼ歩いて来た
ゆらゆらの水鏡みたいなものではなく
もっとクリアーな映像が手に入れば
言葉は不安がなくなるのに?
(ほんとうに そうか?)

そんな思いを抱きながら
ことばの人は歩いて来た
言葉よりも映像の方が
全体を一挙に指示してしまう
物語の波瀾万丈も
映像なら易しい
はじまりは 薄ぼんやりに見えて
一挙に全体が伝わって来た
(遙か 母と自分の間の クリアーな察知?)

言葉が音楽にあこがれる
情感を音とリズムに乗せて
一挙に放つ
一挙にからだで感じ取る
(遙か 母と自分の間の クリアーな察知?)

はじまりの映像が終わり
はじまりの音楽が終わり
言葉がはじまった
何かが終わり
何かが始まった

(もう終わってしまったのだ)

曲がりくねった道を歩いてきた
今や言葉は当然のように
自然な顔をして歩いている

(大きな断層)

それでも
はじまりの映像や
はじまりの音楽や
気になってしまうことがある

言葉の中のぼんやりした映像
言葉の中の不確かな音楽
(よくつかめないな)
言葉の不安が響いてくる 






詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6532-6535

2024年07月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6532
人はどうして変身するのか
たまる砂粒を吐き出して
すっきりしたいからか



6533
家族のものたちは
人も物も次々に
〈神〉に捧げられスッカラカン



6534
家族の内をかろうじて流れていた
みどりの小川は涸(か)れ
心の肌は乾いて空虚になっていく



6535
信のない者にとって
〈神〉に捧げてしまうと
家族は死の家