大川原有重 春夏秋冬

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もんじゅ改革監「現地の要に」 組織立て直しへ不退転

2014-05-02 20:01:41 | 原子力関係
福井新聞のニュース


もんじゅ改革監「現地の要に」 組織立て直しへ不退転
(2014年4月26日午前7時00分)
「文科省が前面に立った改革のため、現地の目、耳となる」と話す加藤孝男・もんじゅ改革監=敦賀市白木の高速増殖炉もんじゅ



 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)に、改革の“お目付役”として、文部科学省の加藤孝男・もんじゅ改革監が着任した。原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受け、その後もトラブルが続くもんじゅ。運転再開が全く見通せない中、審議官級と異例の高い職位で現地に駐在し、どう組織を立て直すか、もんじゅ構内で聞いた。

 ―審議官級として現地駐在の意義は。

 「現場体制の強化に向け、より高いランクの人間を置くということで改革監が設定された。本省には副大臣を本部長とするもんじゅ改革推進本部があり、私は事務局であるもんじゅ改革推進室の室長でもある。現地の目、耳であり、文科省が前面に立って改革を進める現地の要となる」

 ―具体的な職務は。

 「私自身が見聞きし『ここは現場に言おう』『ここは(本省に)相談しよう』と判断する。審議官級という立場はその判断を責任を持って現場でやれということだと考えている。日本原子力研究所(現原子力機構)出向時には原子力船『むつ』を担当したことがあり、原子力安全委員会(現原子力規制委員会)の事務局にいたこともある。規制される側とする側の両方の気持ちが分かると思っている。そこは大事にしたい」

 ―見直した保全計画をはじめ、もんじゅは書類の不備が多い。チェックはするか。

 「規制庁が1週間かけて保安検査をするような大量の文書を、私が全部確認するのは物理的に不可能だと思う。求められている重要なポイントは、品質保証システムが機能するようにすることだ。品質保証システムはPDCA(計画・実行・検証・改善)のサイクルを回し、改善を続ける」

 ―もんじゅの現状をどうとらえているか。エネルギー基本計画では放射性廃棄物の減容化が強調された。

 「安全以前の問題でひっかかっている感じで、外からは明らかに信頼されてない。集中改革期間(今年9月まで)を含め、ここ1年くらいが、取り組みを前に進めさせてもらえるようになるための正念場。現場の第一印象では皆きちんとし、一生懸命さも伝わってきている」

 「文科省と原子力機構は親子のような関係だ。文科省は政策立案をやってきたが、今回は一歩踏み込んだ形で、それなりの覚悟で私を送り込んでいるはずだ。不退転の決意でやる。県民の方々には親のように厳しくしかっていただきたいが、時々はほめたり励ましたりもしていただけるとありがたい。そうなるよう努力したい」

 「核燃料サイクルは、エネルギーセキュリティーなどの点から技術として持っておくことが大事だ。現場は『国策がよく分からないから、頑張る気にならないよね』ということは全然ない。長い間もんじゅで苦労を積み重ねてきた人たちが、そんなことでやる気を失うことは絶対ない」

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