大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

『MOSHA』~ある修復家の展覧会~

2010-03-29 15:17:28 | 美術
 先日、いつも絵画の修復でお世話になっている土師広君から、ちょっと意外な展覧会の案内をいただきました。早速展示中と初日に、二度ほど展覧会場に足を運びました。とても素晴らしい模写の展覧会でした。正直「凄い!」と思いました。僕が昨年の夏にオランダのマウリッツハイス美術館で観たレンブラントの『トゥルプ博士の解剖学講義』を土師広君が綿密な調査と研究に基づいて模写した作品です。まず土師広君の徹底的なこだわりに尊敬の念を感じました。レンブラントが作品を制作していた当時とほぼ同じように、絵の具を手練りで制作したことに驚いたのですが、『トゥルプ博士の解剖学講義』という絵画はレンブラントが製作中に何回も書き直しをしていたことが研究の結果明らかになっているそうで、土師広君も同じように代表的な箇所を三カ所ほど書き直したということを聞いて、本当にびっくりしました。
 指導教官である木島さんは「黄金背景テンペラ画」の技法材料研究の世界的に権威のある方で、クリエイティブな仕事も、修復家としての職人的な仕事も、両方こなせる素晴らしい方だという印象を強く持ちました。今回の展覧会は、土師広君のディレクションによる展覧会だそうです。よろしければ是非展覧会場に足を運んでみてください。


『MOSHA』~ある修復家の展覧会~

2010年3月23日(火) - 4月3日(土) 11:00_19:00 日曜・祝日休廊 最終日は17:30まで営業
「MOSHA」

菅 亮平 / 土師 広 / 籾井 基充 / 渡辺 郁夫 / 木島 隆康


「本会場に展示されているきわめて精巧で魅力的な模写作品は、いずれも真作の科学的分析調査結果に基づいて描かれている。絵画の基本構造である支持体製作から始まる、地塗り層、絵具層の諸材料は、ほぼ科学的データから選択された材料と技法である。その点において、これまでの模写とは大きく異なり、迫真性のある、さらに完成度の高い仕上がりを得ている点に注目していただきたい。」
                                      東京藝術大学大学院 美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復油画研究室
                                                               教授 木島隆康 

art deta bank(アートデータバンク)
104-0061 東京都中央区銀座7-10-8 第5太陽ビル1F tel: 03-3574-6771 
open 11:00_19:00  日・祝日 休廊

東京メトロ銀座駅A3出口より 徒歩5分        


          
                                                  右が土師広君

           
                                    レンブラントの『トゥルプ博士の解剖学講義』

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