県は30日、東京電力福島第1、第2原発で新たな事故が起きる事態に備え、両原発から約30キロ圏の13市町村住民が域外に避難するための原子力災害広域避難計画を公表した。市町村ごとの避難先がほぼ固まり、他の県内46市町村と茨城県を示した。震災前の2010(平成22)年国勢調査に基づく13市町村の全人口約55万人が対象。人口34万2800人の避難先が焦点だったいわき市では住民の分散避難が特に求められ、中通り、会津の21市町村と茨城県を避難先とした。
県内では13市町村の隣接地を中心に浜通り北部、県北、県中、県南、会津、南会津の6地域に分けた。大熊町は会津若松市、富岡町は郡山市を主な避難先とするなど第1原発事故を踏まえて選んだ。役場機能を一時埼玉県に移した双葉町は石川、矢吹両町などを避難先とした。
唯一の県外避難先の茨城県では、いわき市から28万8100人を受け入れるとした。ただ、避難先となる具体的な市町村が固まっておらず、県は調整を続けている。
災害の状況により、計画で示した避難先で受け入れられない恐れもあるため、県は国と連携して新潟県などの隣接県でも避難受け入れ態勢の確立を目指す。
(2014年5月1日 福島民友ニュース)