福島・原発事故避難 介護職員121人が離職
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福島県の介護老人保健施設の職員のうち121人が福島第1原発事故の避難で離職したことが、県老人保健施設協会が施設を対象に行った調査で分かった。放射能への不安を最も抱くと言われる20~30代の子育て世代が4分の3を超す。補充が進まず、協会は「職員の疲弊や介護サービスの質の低下が深刻化している」と危機感を募らせている。
離職者の年代別割合はグラフの通り。20代が44%で最も多く、30代が33%と続く。ほとんどが女性だという。職種別では介護職が55%、看護職が26%で、全体の8割が施設の中核を担う人材だ。
調査対象は協会に加盟する施設の中で、原発事故などで運営を中止した施設を除く68施設。原発事故前の職員は計約5100人で、避難を理由に辞めた職員は全体の2.4%に当たる。
調査は昨年8月とことし3月に2回行った。離職者を穴埋めする職員の確保が「極めて困難」と答えた施設は1回目は42%だったが、2回目は66%に上がり、補充が進まない実情を裏付けた。
地区別では、原発に近い相双地区が25%から100%、福島市などの県北地方が80%から85%にアップした。1回目はゼロだった会津地方も2回目は23%になり、人材不足が県全域に広がっている。
職員の仕事量は「かなり増加」が21%、「やや増加」が44%で全体の7割弱の施設で仕事量が増えた。ストレスを抱く職員は「ほとんど」が38%、「半数以上」が19%で、多くの職員が心的負担を抱えて働く実態が浮き彫りになった。
協会は21日、根本匠復興相に対策を講じるよう陳情した。本間達也会長は「介護職員の人材不足は県全域に広がっている。新卒確保も難しく、放置すれば県内の高齢者ケアは破綻する」と話している。
2013年05月23日 河北新報
福島県の介護老人保健施設の職員のうち121人が福島第1原発事故の避難で離職したことが、県老人保健施設協会が施設を対象に行った調査で分かった。放射能への不安を最も抱くと言われる20~30代の子育て世代が4分の3を超す。補充が進まず、協会は「職員の疲弊や介護サービスの質の低下が深刻化している」と危機感を募らせている。
離職者の年代別割合はグラフの通り。20代が44%で最も多く、30代が33%と続く。ほとんどが女性だという。職種別では介護職が55%、看護職が26%で、全体の8割が施設の中核を担う人材だ。
調査対象は協会に加盟する施設の中で、原発事故などで運営を中止した施設を除く68施設。原発事故前の職員は計約5100人で、避難を理由に辞めた職員は全体の2.4%に当たる。
調査は昨年8月とことし3月に2回行った。離職者を穴埋めする職員の確保が「極めて困難」と答えた施設は1回目は42%だったが、2回目は66%に上がり、補充が進まない実情を裏付けた。
地区別では、原発に近い相双地区が25%から100%、福島市などの県北地方が80%から85%にアップした。1回目はゼロだった会津地方も2回目は23%になり、人材不足が県全域に広がっている。
職員の仕事量は「かなり増加」が21%、「やや増加」が44%で全体の7割弱の施設で仕事量が増えた。ストレスを抱く職員は「ほとんど」が38%、「半数以上」が19%で、多くの職員が心的負担を抱えて働く実態が浮き彫りになった。
協会は21日、根本匠復興相に対策を講じるよう陳情した。本間達也会長は「介護職員の人材不足は県全域に広がっている。新卒確保も難しく、放置すれば県内の高齢者ケアは破綻する」と話している。
2013年05月23日 河北新報