シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0315■あきらめて

2007-09-21 | 最後のメッセージ
いっぱいメールをありがとニャン。
ツルっていうきれいな紙のトリももらった。
トリは四つ足を守ってくれるんだ。
前のガンのときは首からトリのかたちの石をぶら下げてたくらいだからね。

家にトリが来るなら大事にしたほうがいいぜ。
ホントにありがとニャン。
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9月17日、とうとうアイツはおいらに食べさせるのをあきらめた。

おいらはその前の日から、1日に何回も流動食のときに口を開けないでいた。
もう喰えなかったんだ。
ごっくんっていうのが、できなかった。上を向かされて流し込まれれば少しはからだのなかに落ちてくけど、喰ってるとは言えなかった。おいらにはからだの中が動いてないのがわかった。落ちてったものはもう絶対出てこない。

アイツもそれがわかってた。でも、わかりたくなかった。
だから、4cc、3cc、2ccと、喰っても喰わなくても同じような量を流し込んだ。それも半分は口の周りからあふれて、アイツが拭き取って終わった。

「もう、食べらんない・・・・・・」
それまで何度もやってたけど、おいらは口を閉じた。いつもよりもっと、しっかりと。アイツの頭にはっきりとメッセージも送った。アイツはもちろん気が付いた。それがいつもよりはっきりしてることもわかった。

「ピッピィィィィィィ~~」
流動食を喰わせていたアイツが突然泣き崩れたので、部屋にいた連れ合いが驚いてそばに来た。

「もうピッピ食べないわ。口を開かないの。」
スポイトの先を口の脇から差し込めば大きな二本足に小さな四つ足の口を開けさせるのなんか簡単だった。それまでだってアイツは何回かそれをやってた。
「せめて5ccは・・・」
って、いつも頭の中で言ってた。でも、とうとうあきらめたんだ。

アイツは突然、泣きながらパソコンに向かった。いつもよりずっと速くカタカタカタカタやりだした。
そのへんからおいらの記憶はあったりなかったり。眠っていたような起きてたような。どっかに行ってたようなそこにいたような。アイツがおいらに喰わせることをあきらめて、ホントにホッとした。
そう、おいらはもう喰えない。だから喰わなくていい・・・・

夢を見ているようなときに、それが来た。
「こんにちは」の人、あきこさんからの3回目の交信だ。
(たぶん、つづく)


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