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シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0245■タビ物語-おやすみ

2007-04-24 | 近所の猫
子どもたちがまた学校へ行き出した。アイツらはすんごく喜んでる。
これでも「かわいがってる」って言うのか?
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「おやすみ。」
小さい子は自分の部屋へ。
「おやすみ。」
アイツはベッドへ。

アニキとおいらは廊下に残った。
ガラスのドアの向こうには外の電気に照らされて、頭から尻尾まではっきりわかる黒ネコのタビがいた。すごすごベッドになんか戻れるもんか。おいらたちはドアに寄って警戒した。やつはまるでドアを蹴破って来そうな勢いだった。

ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー


アイツが声をかけて、一瞬止まった体当たりがまた始まった。
アイツはベッドの中で起きてたけど、戻ってこなかった。



「お家に帰りなね。お家に・・・」
とヘタクソだけど、交信しようとしてる。こんなにヘタじゃ、タビには通じない。

ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー


しばらく音が続いた。スゴいやつだ。でも、アイツは寝ちまってヘタクソな交信も終わった。
とうとう外の電気が消えた。

ドアが開かないことがわかったタビは、あきらめた。
アニキがソファーに引き上げて、おいらもアイツの部屋に戻って、また足元に丸くなった。
もう戻ってこないだろう。四つ足だからね、タビの交信ぐらいわかるさ。今度は朝までぐっすり眠った。
(つづく)

Vol.0244■タビ物語-体当たり 

2007-04-21 | 近所の猫
おいらたちの話だと更新が遅れたりするのに、タビだとこんなに早いのはどういうこった?
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けっきょく、おいらはアイツと一緒に寝た。
連れ合いも一緒で2人と1匹じゃ、そろそろ暑い頃だったけど、1人と1匹ならワルくない。おいらはアイツの足の方に丸くなって寝てた。アニキはちょっとだけ一緒にいて、水を飲みに行ったついでにいつものソファーに戻っていった。

夜行性のおいらだって寝てたぐらいだから、そうじゃないアイツはホントにぐっすり寝てた頃、突然、玄関のドアがガタガタ鳴った。
おいらとアイツは同時に起きた。

ガタガタガタガタ
スゴい音だ。
アニキの頭のテレビもついてる。この音じゃ誰でも起きるぜ。

連れ合いのいない夜にこんなことになって、アイツは、
「どうしよう。」
と思ってた。でも、起き上がって、見に行こうとした。

そのときだった。
ニャー
デカい鳴き声がした。
タビだ。

ガタガタ、ドンッ
ニャー
ガタガタ、ドンッ
ニャー


タビはドアにぶつかりながら鳴いてる。
そうでなけりゃ、こんな音しないぜ。
アイツの部屋は玄関に近いからよく聞こえるんだ。

玄関に行くと外の電気がついてた。タビが動き回ってるから、電気が消えない。
ガタガタガタガタ、ドンッドンッ
ニャーニャー


家の中の電気がついてアイツが出てきたのがわかったタビは、もっと音を立てた。
デカい黒いからだをガラスのドアに押し付けてるから、頭から尻尾まで全部見える。

ガタガタ、ドンッドンッ
ニャーニャー
ニャーニャー


「タビちゃん、きょうはもう遅いからダメよ。ご飯ならお家に帰って食べて。この時間はみんな寝てるの。静かにしてね。おやすみ、またね。」
アイツはそう言っただけで、ドアを開けなかった。

「ママ、どうしたの?」
小さい子が起きてきた。アイツの声が聞こえたんだろう。
「あの黒いネコが騒いでるの。どうしたのかしらね。またご飯がもらえると思ったのかしら?ほうっておけば帰るでしょう。大丈夫よ、もう寝なさい。ママも寝るわ。」

でもタビは帰らなかった。
(つづく)

Vol.0243■タビ物語-鳴けば開くドア

2007-04-19 | 近所の猫
パソコンの調子も戻ったらしいし、話も長いしでどんどん更新だ。
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タビは知ってたんだ。
このドアは鳴けば開くってことを。
おいらたちがいつもそうしてるのを、遠くから見てたから。
だから玄関で鳴いたんだ。この間の昼間も、今夜も。

タビは真剣だった。腹を空かしてた。
やつの頭のテレビにはいろんなもんが映ってた。おいらの知らないもんもいっぱいあった。とにかく、アイツに一生懸命交信しようとしてたけど、通じるわけない。

「どうしたのかしら、こんな時間に。お腹空かしてるの?なんでお家に帰らないの?野良猫じゃないんでしょう?」
アイツにはタビの頭のテレビなんかまったく見えてなかった。勝手にあれこれ考えながら、とりあえずカリカリを出した。この間とおんなじだ。

腹ペコのタビは交信を止めて喰い始めた。
交信より飯だ・・・
相当腹を空かしてる。
(真夜中にやってきたタビ。喰うのに必死だった→)

「大きいからよく食べるのね。ホントに大きいものね。ピッピよりずっと大きいから10キロぐらいあるのかしら?足なんてスゴく太いものね~。まるでイヌネコだわ。どこのネコなのかしら?前からたまに見かけてたけど。」
喰ってるタビを見下ろしながら、アイツはつらつら考えてた。

おいらたちはその後から見てた。本当だったら、こんな時間のこんなやつ、絶対追っ払うところだけど、あっちは外、おいらたちは中。まぁ、きょうのところはいっか、って感じだった。飯だけ喰ったら帰るだろう。

ガツガツ喰ってボールから顔を上げたタビは、アイツを見上げてまた交信してきた。はっきりと。
でもアイツには通じない。
「お腹いっぱいになった?お家帰りなね、もう遅いから。」
とか言ってる。

アイツが空になったボールを取って、ドアを閉めようとすると、タビはその隙間から家に入ろうとした。
「ここはあなたのお家じゃないからダメよ。お腹いっぱいになったんでしょう?おやすみ。」
アイツはドアを閉めた。ドアのガラス越しに座ってるタビがはっきり見える。
でももう鳴いてない。

すぐに外の電気が消えた。動くものがないとこの電気は消える。
タビは行っちまったのか、座り込んでるのか。
(つづく)

Vol.0242■タビ物語-真夜中の訪問者

2007-04-17 | 近所の猫
アニキの長い話の次は、近所の四つ足の長い話。おいらのブログだけど、まっ、いいよな。
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その日は連れ合いがいなかった。
朝早くクルマが迎えに来て、1人でどっかに行った。
旅行のときしか使わないバッグを持ってったから旅行に行ったんだろう。

アイツと子どもはいつも通りだった。学校へ行ったり、パソコンでカタカタやったり、なんか喰ったりベラベラしゃべったり。おいらたちもいつも通りだった。連れ合いがいないくらいでなにも変わりゃしないさ。

ただアイツが、
「きょうは一緒に寝ようね~♪」
と、おいらとアニキを何回も抱いちゃ言ってた。夏の初めだったからそんなに寒くもなくて、その頃はよくソファーで寝てたんだ。
「まぁ、一緒に寝るのもいいかな?」
と思った。

子どもが寝て、おいらたちは夜の見回りやトイレで出たり入ったり。アイツはドアを開けたり閉めたりするのが自分しかいないから、面倒くさがってた。でもね、行かなきゃいけないときもあんのさ。アイツのシャワーも終わって、そろそろ寝る時間だった。

そのとき、玄関でニャーニャー鳴き声がした。
「えっ?ピッピ?チャッチャ?まだ外?」
アイツはあわてて玄関に行き、ドアのカギに手をかけた。でも、このときは気がついた。

声を聞いて、おいらとアニキも見に来たもんだから、廊下に1人と2匹が揃ったんだ。
さすがにぼんやりのアイツも、おいらたちじゃないってわかった。
ニャーニャー
ニャーニャー
外の声はもっと大きくなった。

ニャーニャー
ニャーニャー
なんてデカい声なんだ。

ピカッ
そのとき突然、外の電気がついた。夜に誰かが通るときだけつく電気がついた。
ガラスのドア越しに黒いデカい影が映った。

「タビちゃん!」
アイツはガチャガチャやってドアを開けた。
「どうしたの?こんなに遅く。もう夜中よ。お腹空いちゃったの?」
ニャーニャー
ニャーニャー
タビは鳴き続けた。
(つづく)

Vol.0241■タビ物語-出会い

2007-04-15 | 近所の猫
涼しくなってきたぜ、ニュージーランド。
毎日、毎日一生懸命喰ってるぜ。もっと寒くなる前にしっかり太っとかないとね。
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長い話をするよ。スゴく長くなるだろうな。だって、この話は今も続いてるから。
でもね、そろそろ話した方がいいだろう。

まだそんなに暑くない夏の初めの頃だった。
玄関でニャーニャー鳴き声がした。アイツはドアを開けた。
おいらたちだと思ったんだ。でも、そこにいたのはデカいクロ猫だった。たまに庭を横切ってくぐらいで、あんまり見ないやつだった。

アイツはビックリして、飛び上がりそうだった。
「どっ、どうしたの?うちの猫じゃないわ。玄関に?猫のお客さん?」
おいおい、声でわかんないのか? においでわかれとは言わないけど、声でもわかんないのか?
今度はおいらがビックリだ。アイツはワーワー言いながら、どういうわけか廊下にあったカリカリを出した。おいおい、それはおいらたちのだってば!

クロ猫はキョロキョロしながらもサッと喰った。野良猫みたいだ。
でも、やつは野良猫じゃない。おいらが行ったことのない道の向こうから来る。
あっちに家があるはずだ。でも腹を空かせてた。のども渇いてた。カリカリなんか喰ったら、もっとのどが渇くぞ。でも、けっこう喰った。

喰った後も玄関の前に座って、すぐには帰らなかった。
アイツは喜んでカメラを持ってきて写真なんか撮り始めた。カメラを向けてもぜんぜん平気。慣れてる。普通の四つ足だったらあんなもん向けられたら、すぐにズラかるさ。二本足に慣れてる証拠だ。

「キレイな靴下ね~。タビはいてるみたい。本当に真っ白じゃない。」
アイツはブツブツ言いながら写真をいっぱい撮った。やつはジッと見てるだけで逃げも動きもしない。堂々としたもんだ。そのうち、ゆっくりと帰っていった。

その日から、あのデカいクロ猫は正式に、
タビ
って呼ばれることになったんだ。
(つづく)

Vol.0216■ホリデー猫

2007-01-09 | 近所の猫
こうしてみると、ストリートファイターなんて呼ばれてたころがずっと前みたいに思えるな。
丸くなったって?どういう意味だ?寝るときゃ、いつも丸いぜ。
あのころの話はこっちで。
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連れ合いと子どもがキャンプで遠くまで寝に行ってるころ、うちには四つ足がいっぱいいた。
おいらとアニキだけじゃない、あと2匹。
アイツらがシィンとタビって呼んでるヤツらだ。

シィンは隣の家の四つ足で、おいらたちが引っ越して来るまではここを自分ちだと思ってたらしい、とんでもない子ネコだ。
最初は自分ちに帰って来るみたいに、フツーに家に入ってきて、何度もアニキやおいらとやり合った。
特にアニキはすっごく怒ってたぜ。

(こいつがシィン。今、2歳なんだと。若いんだ。
ホントに毎日来るぜ→)

それでもアイツが水をあげたりするもんだから、よくサンデッキに上がって来る。
魚を喰ったことがないみたいで、おいらたちのご飯は喰わない。
ヘンなヤツだ。おいらたちが喰わない肉ばっか喰ってんだろう。

もう1匹はクロ猫だけど、足の先だけ白い、タビだ。
タビは二本足が足につけてる靴下とかいうのの仲間らしい。おいらにはどれが靴下でどれがタビだかわかりゃしないけど。とにかく、白いとこがタビに見えるからタビなんだと。

(←すっごくデカいタビ。
「ピッピの1.5倍はありそうだから体重10キロ近くあるわね」

ってアイツが言ってた。どうりでよく喰うわけだ、よその四つ足のものを!)

もともとシィンは毎日、タビもときどき庭に来てた。
でも、ここんとこヤツらはずっと庭にいた。ゴロゴロ昼寝までしてやがる。おいらが通っても起きなかったりね。おいおい、ちったぁ、緊張しろって。そういうおいらもトイレに行ってすぐに帰ってきたりするんだけど。昼間の庭はけっこう暑いから、家のソファーの方が涼しくていいんだ。

なんでヤツらが庭にいるかっていうと、アイツがいるからだ。
アイツが濡らした服を乾かしに行ったり、ゴミを捨てに行ったりすると、サーっと出てくる。
ニャ~~~(シィン)
ニャーーー(タビ)
2匹でアイツを挟んで前と後、横と横でいっしょに鳴いたりする。

アイツは喜んじゃって、
「あらぁ、シィンくん、タビちゃ~ん」
とか言って、ナデナデしてる。おいおい、そんなヤツらにするヒマあんならおいらにしてくれよ!
水をあげたり、カリカリをあげたりもする。大喰いのタビなんか、なんだって、いっくらだって喰うぜ!あーあ、そんなことするからヤツらはますます帰らない。メーワクな話だよな~。

なんでアイツがいるといいのかっていうと、ヤツらの家の二本足がどっか行っていないからなんだ。
家に帰ればカリカリはあるけど、ナデナデしてくれるヤツがいないのさ。だからヒマなんだ。
特にシィンはいっつも水を飲みたがってた。
「ホリデー猫なのねぇ。さびしい?」
とアイツが言ってた。ホリデーネコ?二本足がどっか行ってる四つ足ってことなんだろう。
ふ~ん。

でも、かわいそうだなんて思わないぜ、四つ足だからね。
家に入ろうとすれば徹底的に追い出すさ。まっ、庭はちょっと大目に見るか。ちょっとだけだぜ。
(つづく)

Vol.0210■誰も飼ってない猫

2006-12-04 | 近所の猫
連れ合いが帰って来ない。どっか行ってるらしい。
アイツだけだとベッドが広くていいんだけど、2人いた方があったかいから、連れ合いが帰ってくるのもいいかな、と思ってる。
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前の家の近所に住んでた四つ足の話だって終わってないってのに、こっちの家でも訳のわかんない連中がうろうろしてるぜ~。

例えばこんなヤツ
開いてるフレンチドアから入ってきて、ハフハフ喰ってるヤツ。

おいらんちでやるなよな!自分ちでやれよ。
それはおいらとアニキのご飯。しかも、出したばっかりで、いいにおいだったのに。

「公園から帰ってくるとき、このネコが着いてきちゃったの。“おうちに帰りな”って言ったら、うちに入ってきちゃったんだけど、おうちないのなか?」
小さい子どもがアイツに聞いてる。
「どうかしらね~。人間が怖くないみたいだから、誰かに飼われてるんじゃない? まだ子ネコでお腹すいちゃったのかもね。」
とアイツ。おいおい、どうして誰もそいつを追い出さないでハフハフ喰わせてるんだ?

「このネコさ、ニュージーランドによくいる誰も飼ってないネコなんじゃない?」
大きい子も話に入ってきた。
「誰も飼ってないネコ?野良猫?」
アイツが聞いてる。
「ううん、野良猫じゃないよ。そのへんのネコドア付けてる家だったらどこに行ってもいいの。ちゃんとエサがあって、どこの家で寝てもいいんだよ。みんなで飼ってる感じ。でも、誰のネコでもないんだ。」

「へえ~。ますますネコドアなんか付けられないわね。夜中に知らないネコが入ってきて、ピッピとチャッチャとケンカなんかしたら大変だわぁ。2匹がケンカしたって大変なのに。」
とアイツ。
「そうだよね。おじいさんだから絶対負けちゃうし。自分の家なのに。」
と小さい子がクスクス笑ってる。
フン

「さっ、食べ終わったらお外行きなさい。ピッピとチャッチャが気がつく前に。」
アイツが言うと、そいつはさっさと出て行った。腹がいっぱいになったらもう用はないんだろう。
アニキは奥の部屋でグーグー寝てたけど、おいらは廊下から見てたんだ。でも、相手にしなかった。
きょうのところは、まぁ、いっか、って感じだった。

そいつは庭に出ると今度は昼寝だ。木の下に隠れてるつもりみたいだったけど、シッポが出放し。子ネコだからか、スキだらけなのか、呑気なヤツだ。やっぱりおいらは相手にしなかった。まぁ、いっか。

初めて見る顔だったけど、飯なんか喰ってって、これからちょくちょく来そうだな。そのときは相手するぜ。(つづく)

Vol.0199■近所の四つ足-イライジャ

2006-10-09 | 近所の猫
連れ合いと子どもはまだ帰ってこないぞ。
静かだけど、ドアを開けるのがアイツしかいないのがちょっとね。
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久しぶりに、前の家の近所の四つ足の話でもしよう。
今日はイライジャだ。
背中や足、顔の半分が黒くて腹が白いヤツだった。
目も鼻も良くなさそうなアイツらは、こいつとオブリの区別が長いことつかなかった。

ぜんぜん違うじゃないか!見てわかんないのか?
においをかげば一発でわかるのに。
同じなのは白黒ってことぐらい。
どれぐらい違うかはこっちを見てくれよ!

(スゴスゴ逃げてくのはイライジャ→)



ある日、イライジャとオブリが庭でケンカしてたもんだから、アイツはびっくり!
「大変、大変!オブリがオブリとケンカしてるぅぅぅ!!」
んなワケないだろ?よく見ろよ。

(トボトボ誰もいない家に帰るのはオブリ→)


それから、「毛が長い方のオブリ」はイライジャっていう名前になったんだ。
二本足ときたら、名前がないとホントに区別がつかないらしい。
大変だよな、目も鼻もワルいってのは。
(←もうわかるだろう?こいつがどっちか)

この名前、近所にオブリとイライジャっていう子どもがホントにいたんだ。
あいつらは兄弟だったけど、四つ足のオブリとイライジャはぜんぜん違う家に住んでた。イライジャの家の方がちょっと遠かったからあんまり来なかったけど、ヒマなオブリは毎日来てたぜ。

イライジャはおっとりしたヤツでおいらは相手にしなかった。その前にいつも防人ネコのアニキが追っ払ってたから、ケンカになんなかったのさ。
何回かウ~~ウ~~やりあったけど、それぐらいだったかな?
サンデッキにズカズカ上がってくる黒トラジャックに比べれば大人しいやつだった。

アイツはいつも、
「さすがイライジャ。お上品だわ~♪」
とか言ってたけど、どんなもんだか。
他の四つ足と区別もつかないやつに褒められてもね~。
(つづく)

Vol.0192■近所の四つ足-ジャック 

2006-09-12 | 近所の猫
ベージュとかいうヤツのためにアイツが外に置いてるご飯。
他のヤツが喰ってるぜ。
おいらもときどき喰ってるけど。
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前の家に来てたの四つ足の話をしてたんだよな。そうそう、ジャックのことだ。

ジャックだなんて二本足みたいな名前だろ? でも、アニキと同じトラ猫なんだ。
最初に見たときは、ほんとに子ネコでロクに交信もできなかった。
それがどうよ、今じゃスゴくデカくなってる。

(↑おいおい、おいらんちのデッキでそんなにくつろいで毛づくろいなんかすんなよな。その辺に、においがつくじゃないか!)

ジャックは歩けない。
いつも飛び跳ねてるんだ。あいつが歩いてるのなんて見たことないぜ。
道をわたっておいらの家に来るときも、庭に入る前に停まってる連れ合いのクルマに乗るときも、いつも飛び跳ねる。

まずクルマの後に飛び乗る。飛び跳ねながらクルマの一番高いところに出る。
せっかく上ったんだからそこにしばらくいりゃいいのに、今度は前から飛び降りてくる。
クルマには後から前にまっすぐ足跡が残る。

それを見つけちゃ、連れ合いがブツブツ言いながら消してる。チラッとおいらやアニキの方を見るけど、おいらたちがクルマの高さになんか上れないのを知ってるから、悔しそうに見るだけだ。
そうそう、絶対においらたちじゃないぜ。

クルマから降りると、飛び跳ねながら庭に入って来る。それがヤツの通り道なんだ。だからどうしてもクルマを通んなきゃいけない。ほんとはそんなこと、ぜんぜんしなくていいんだけどさ。庭に入ってからもピョンピョンピョンだ。

自分ちみたいにサンデッキに駆け上がってきて、その辺一周して飛び降りてくときもあれば、おいらたちのキャットフードを喰ってくときも(この話はもうしたよな)、デッキの端っこにある屋根より高い木にサーっと駆け上がってくときもあるぜ。木の上の鳥を追いかけ回すんだ。捕まえる気もないくせに。
(あーらよっと♪→)

四つ足がこんなに木登りできるなんて、知らなかったぜ。
今ごろは歩けるようになってるかもな。

(←もう子ネコじゃない、立派な大ネコだ)
(つづく)

Vol.0191■ベージュを探せ

2006-09-07 | 近所の猫
おいらの話じゃUPしないくせに、他の四つ足の話ならUPすんだな。
別にいいけど。
最近あったかくて散歩ばっかしてるから夜は爆睡なんだ。
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近所の四つ足の話だったよな。ジャックの話でも、って思ってたけど別の四つ足にしよう。

きょうの夕方、知らない二本足が来て、連れ合いに紙を置いてった。
「このネコがいなくなったんだって。見たことないよなぁ?チャッチャみたいに頭にトラ模様があるんだってさ。」
アイツに紙を見せながら言ってる。

「何色のネコ?」
「茶色だって言ってたよ。」
「チャッチャみたいな?」
「さぁ。見たことあるの?」

「ベージュのネコを2日くらい前に裏庭で見たのよ。初めて見るネコで、へぇ~、こんなネコもいるんだって思ったの。この写真にそっくりだわ。」
「電話して聞いてみれば。」
ベージュ?
おいらはアイツの足元でハフハフ喰ってるとこだった。

アイツはベージュ、ベージュと言いながら耳になんかくっつけて話初めた。
「わかったわ。今夜から庭にもキャットフードを置いてみるわね。」
とか言ってる。ベージュていうヤツに喰わせるらしい。だけど、んなもん置いたらこの辺をうろうろしてるすっげーデカいイヌみたいなヤツや、隣の四つ足がみんな喰っちまうぜ。

「ねぇ、ピッピ、このネコ知らない?ママはお庭で見たことあるんだけど。」
アイツはおいらを抱いて、目の前に紙を突き出した。
おいおい、なんだよ。ネコの手は借りてもしょうがないんだろ?
あれ?コイツ・・・

「見たことある?どこにいるか知ってる?」
「・・・・・・・」
「見つけたらさ、一緒に連れて帰ってきてよ。」
「・・・・・・・」
「さっ、お外に行って探してきて!」
「・・・・・・・」

ドアが開いたから、おいらは外に出た。ちょうどトイレもしたかったしね。
「大丈夫よ、今、ピッピがパトロールに行ったわ!」
ドアの向こうでアイツが連れ合いに言ってる。やっぱり呑気なヤツらだ。
(つづく)

Vol.0188■近所の四つ足-黒トラ

2006-08-22 | 近所の猫
びっくりしたぜ~。ちょっとデッキに出てたら、いきなりひょうが降ってきたんだ。
当たっても痛くはないけど、デッキに当たってすごい音。
どうりで寒いと思ったよ、きょうは。
ひょうの話はコッチでもどうぞだニャン。
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ニュージーランドは夜遅くなると、みんな家の電気が消える。
香港とは違う。外に出てみると、家がでっかい黒い固まりみたいに並んでる。静かなもんさ。
ところがおいらの家はどうだい? ピカピカに電気がついてて、アイツらがうろちょろしてるのが見える。音楽や話し声が聞こえたり。静かで真っ暗なほかの家とはぜんぜん違うんだ。

それに毎晩のように、
「ピッピー、チャッチャー」
「帰っといで~。もう寝ちゃうよ~。」

と外に向かって2人で叫んでる。そんな家、絶対にないぜ。
なにやってんだろね?早く寝ろよ。
でもね、ここで帰らないと大変な目に遭うから、呼ばれたら帰ることにしてる。
(前に遭った大変な目はコッチから)

シーンとしてる夜にアイツらが大声を出すのには訳がある。
それはおいらの家にネコドアがないからなんだ。
「ないんだったら付けろよ。」
と思うだろ? おいらもそう思うし、ずっと待ってた。
アイツらにドアを開けてもらわなくても出入りできる日を。

でも、そんな日は来ないってことがわかった。
理由は黒トラだ。
ヤツはいつも風のようにやってきてはおいらたちのご飯をかっこんで、風のように逃げてく。だからアイツらはよく見たことがないのさ。おいらは何度かケンカしたけどね。

引越しだなんて知らなかった頃、「食い逃げ犯」 でヤツの話をしてたんだよな。
そうだ、そうだ、思い出してきたぞ。

開いてるドアどころか、窓からだって飛び込んで来るヤツだったから、
「ネコドアなんか付けたら大変!」
ということになって、付かないことになったんだ。
(←この窓からだって開いてりゃ入って来るんだぜ。スゲ~よなぁ!)

そう!
ヤツのせいでおいらの家にはドアがない!

そういうヤツだから写真もなし。
次はジャックの話でもするか。
(つづく)