シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0188■近所の四つ足-黒トラ

2006-08-22 | 近所の猫
びっくりしたぜ~。ちょっとデッキに出てたら、いきなりひょうが降ってきたんだ。
当たっても痛くはないけど、デッキに当たってすごい音。
どうりで寒いと思ったよ、きょうは。
ひょうの話はコッチでもどうぞだニャン。
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ニュージーランドは夜遅くなると、みんな家の電気が消える。
香港とは違う。外に出てみると、家がでっかい黒い固まりみたいに並んでる。静かなもんさ。
ところがおいらの家はどうだい? ピカピカに電気がついてて、アイツらがうろちょろしてるのが見える。音楽や話し声が聞こえたり。静かで真っ暗なほかの家とはぜんぜん違うんだ。

それに毎晩のように、
「ピッピー、チャッチャー」
「帰っといで~。もう寝ちゃうよ~。」

と外に向かって2人で叫んでる。そんな家、絶対にないぜ。
なにやってんだろね?早く寝ろよ。
でもね、ここで帰らないと大変な目に遭うから、呼ばれたら帰ることにしてる。
(前に遭った大変な目はコッチから)

シーンとしてる夜にアイツらが大声を出すのには訳がある。
それはおいらの家にネコドアがないからなんだ。
「ないんだったら付けろよ。」
と思うだろ? おいらもそう思うし、ずっと待ってた。
アイツらにドアを開けてもらわなくても出入りできる日を。

でも、そんな日は来ないってことがわかった。
理由は黒トラだ。
ヤツはいつも風のようにやってきてはおいらたちのご飯をかっこんで、風のように逃げてく。だからアイツらはよく見たことがないのさ。おいらは何度かケンカしたけどね。

引越しだなんて知らなかった頃、「食い逃げ犯」 でヤツの話をしてたんだよな。
そうだ、そうだ、思い出してきたぞ。

開いてるドアどころか、窓からだって飛び込んで来るヤツだったから、
「ネコドアなんか付けたら大変!」
ということになって、付かないことになったんだ。
(←この窓からだって開いてりゃ入って来るんだぜ。スゲ~よなぁ!)

そう!
ヤツのせいでおいらの家にはドアがない!

そういうヤツだから写真もなし。
次はジャックの話でもするか。
(つづく)