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祖母の箪笥(たんす)を分解、古の大工の智恵に感銘!

2015-10-27 | 日々教訓
祖母の箪笥(たんす)を分解、古の大工の智恵に感銘!

明治~大正~昭和~平成…と、歴史を刻んだ箪笥を“分解”した。
敢えて“解体”(※)と書かないのには理由がある。

表面は漆塗りだが傷は多く使い込んだのがわかる。
玄翁(げんのう‥金槌)と釘抜きを使い、ほどけそうな隙間を探し力を込めるのだが、最初はびくともせず唖然とするばかり!Σ(×_×;)!

角の端々は密着した金具で保護され、それを外すのが大変!

組み継ぎや本ざねはぎ、など凄い技が幾重にも使われている!
しかも全て、一本一本手作りと分かる木釘を使用してあり接着剤は皆無!
先端を尖らせて打ち込んだ木釘は木材と一緒に伸縮するので、木と木をしっかり固定してくれている。

驚くのは、要の部分を解くと、さらさらと簡単に分解できること積木パズルのごとし!
当然元の材料となった板は綺麗な素材(部品!)として丸ごと他用できる!接着剤なら不可能だ。
まさに資源の循環(サイクル)文化が息づいていたのだろう。

日本の木の文化の素晴らしさをたった一つの箪笥から目の当たりにしたようで嬉しい反面、この技術を持って作れる大工がどれ程いるのか?果たして伝承されているのか?…と、複雑だ。

両端の持ち手金具のみが和釘でしっかり取り付けられ、金具は元は錆止めに漆を焼き付けたものだろう。
また、木釘を作るときは、形を削ってから弱火でじっくり炒って硬化させたらしい。

筆者がヨットの作り方を知るため、木工見習いで入った造船所では、曲がった釘の再利用のため、一本一本叩いて伸ばすのも仕事だっただけに、箪笥が作られた往時の苦心と智恵の深さは想像を越える。

分解する前に他の用途がなかったかと問い直すより、綺麗に取れた材を活かす方策がちゃっかり頭に浮かんでいた(^o^)v

※建築分野における解体とは、しばしば建設という言葉と対にされ、建築物を壊すことを意味する。-Wiki

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