朝6時のサイレンかと、目覚めの悪いわたしはもぞもぞです。じいさまは2階から降りてきて「北朝鮮がミサイルを上げたぞ、早く支度しろ!」。そう言われても、飛び起きることは腰の様子次第なので、腹をくくって自分の身の丈にあった動きをしました。我が家のすぐ後ろの地下室へ逃げました。終戦後すぐに作ったので、階段の上は松の木2本植えてあります。そこから大雨の時は雨漏りをしますが逃げ場所には最適です。落ち着いてからじいさまをみたら、むーたんと水と出ていたトマトを持ってきています。わたしはカッパとタオル3本です。起きてからトイレにも行きましたから、じいさまは「おまえは間に合わないな」と笑っています。むーたんは察したのか、抱かれるのを嫌がるのに大人しかったです。友人はと言うと、頑丈な建物と聞いたので市役所ホールへ行ったら、職員より早く友人家族だけで、挙句には大きな紙に「住所とお名前お願いします」と、4人の名前だけで恥ずかしかったと笑っていました。この先何が起きるか心配ですが、自分のことより孫たちの将来を心配しました。友人曰く「逃げても、隠れても、腹を出して寝ていても、ダメなときはダメだよ」、頷きました。
じいさまが出稼ぎから帰って来て、1年程実家へ手伝いに行きました。それから運の巡り合いか、老人施設で宿直の仕事を15年勤めました。2年目を延長して頂きましたが、3か月で病いを機会に退職致しました。そして、昨日は送別会を開いていただきました。職員の半分の方が出席をして頂き、じいさまは笑顔で帰って来ました。花束を持った姿が照れているようで、似合いませんでした。オレンジ系の花はじいさまに合わせたようで、気配りが伝わって来ました。記念品は糖尿病に合わせてか、塩分計量機をいただきました。15年勤続で表彰されてから間もなくのことでしたから、職員さんにはご迷惑をお掛けしております。申し訳なくてお断りをしましたが、温かい送別会は有り難かったです。一番嬉しかったのは、手の中に入る小さな封筒に入った便箋です。「誰とはなしに声をかけてくれて、周りにはいつも笑いがありました。そんな笑いにどれだけ救われたかわかりません。、、、、これからも声を掛けてください。もちろん、わたしも声をかけます」「旅行でおいしいお酒飲んだこと忘れません」などなどと、みなさんに大事に思われていたことが、自分のことのように嬉しかったです。じいさま、今まで働きずくめでお疲れ様でした。ありがとう。
お盆休みを心行くまで楽しみました。それぞれの立ち位置で頑張り、元気にしている息子娘家族に幸多かれと心の応援です。家の中は元に戻り、静かな毎日を送っています。息子と孫2人がお風呂に入ろうとしたら、むーたんが隙間からすり抜けて浴槽へダイビングしました。止めがきかなくて孫が大騒ぎです。3回ほどヘリから滑り落ちましたが、2回目からは慣れてゆっくりと泳ぎます。蛇口で水を飲みたいために、スリリングをかまします。味を占めたのか今度は、じいさまが腰かけている籐椅子を、ふくらはぎをかじって追い出してしまいました。わたしでしたらげんこつをするところですが、じいさまは「痛い痛い、わかったわかった、除ければいいんだべー」と簡単な明渡しです。そこはこの地で言うなれば、主が座る場所です。一度も横座に座る人ではないのかと、情けなさを感じました。本当にお人よしなんだと、良くもあり悪くもあり複雑な気持ちになりました。むーたんはと言うと、「当たり前ー」と大きな顔をして、腹を上にして寝ています。何故、わたしだけ気が揉めるのでしょう。
今年の夏は雨ばかりで、20日も続いています。40年ぶりとかでぐつついた毎日なので、遊びは家の中が多かったです。自然には逆らえない弱さが露呈されました。我が家には猫のむーたんがいるので、静かだなーと思えば、じいさまの部屋に閉じ込められた猫を相手に遊んでいます。5分後に娘の小学2年生の男の子が「目がー」と娘によって来ました。そのうちに娘夫婦まで「やられた」と言って降りて来ました。すぐ薬局へ行ってアレルギーの飲み薬を買いに行ってきて、事なきを得ました。可愛いけど障れないとかで、マスクをつけて手洗いをして遊んでいます。むーたんは我慢をしてされるがままで、気に入らないとかじります。小学4年生の女の子は大丈夫だけども、怖くて抱きたいけど抱けないもどかしさがあります。帰りの時間が迫ってから、やっと抱けたと喜んで帰りました。クワガタのオスとメスを今年はお土産に持って帰りました。じいさまがわたしらが体育館に行っている間に、餌と土を買い揃えてあげて手荷物で肩にかけて持って帰りました。どれほど嬉しかったかのか、笑顔で帰りました。長男家族も卓球やテニスで体を鍛えた夏休みで、どの家族も満足し、雨を恨むことは無く楽しんだ夏休みでした。
10日に長男家族が帰って来ます。3男の孫は2年生になります。今まで次男の電話が毎週のようにかかって来ましたが、遠慮していたのか、休みの夢が山盛りなのか連続でかかって来るようになりました。遊びたいことが、いっぱいいっぱいあるのでしょう。「畑の野菜取りに行くのに長袖持って行ったほうがいい?」「海や川にもいく?」「卓球もやろうね」と、ば~ばも一緒に夢を叶えてあげたい気持ちでいっぱいになります。昨日のじいさまは、オニヤマトンボを偶然に車に入って来たのを捕まえました。孫が来るのに「もつかしら?」と心配したら、降りるときになって帰省しているAさんの孫に持って行けーと、虫かごに入れてくれました。わたしも喜んで持って行き、渡そうとしたら窓が開いていてトンボは入っていませんでした。「あれ?、かいちくんしか見えないねー」と笑ってしまいました。年長組の彼はとがめもせず、笑って許してくれました。偉いなーと感心です。じいさまは可愛そうになったのか、畑に行ってバッタや鈴虫など3匹ほど捕まえて「もっていけー」と持たされました。彼は目を丸くして見つめています。こんな夏もあるかなーと胸をなでおろしました。