土地の言葉で疲れるを、「こやー、こやー」と言います。朝早くのお客さんである腰の痛い、おばあさんの第一声です。残暑厳しいからと添え口しましたら、「違う違う、野菜を作っても、若いお母さんがお店から作ってくるからねー」「?」今どきのお母さんは、ほとんどの方は勤めています。野菜を帰りに買って帰り、畑に行かずともすぐに料理できます。「そうね、昔は取る用も分からないし、使う用もわからない。今は反対に取る用も知っているし、使う用も知っているからねー」。「んだー、息子に「まだ投げるのに作るのかーって笑われた」と苦笑していました。植える時に「こやー、」収穫に「こやー」余して捨てる時に「こやー」って稼ぐのっさー」。本当です。「でも何もしない方が辛いから、動いた方がいいよ」となだめます。「退職したらどうにかなるか、おら、しゃにゃー(知らない)」と案じています。「大丈夫。若い人なりに考えているから、欲の分は考えずに稼ぐべ」。明日が不安だと、愚痴もこぼれますが、生きている証拠でいろんなことで、刺激し合った方がいいと思いました。白菜の種まきから、雨が降らず毎日水かけに「こやー」くにもなりす。土が硬くなるので、周りを柔らかくした方が良いと教わりました。話相手をしていると教えられることが沢山あります。聞いておくと本当にそうだなと、老いて重なった時に思い出すのでしょう。心に余裕があれば聞いてくれるはずですが、どの方も自分のことでいっぱいなのです。気を揉まずに時を待ちましょう。
夕方に3歳の男孫から電話があって、テレビ電話をしたいとのことでした。じいさまはお泊りですから、一言いって出かけていきました。抱っこされて映る孫は丸坊主になっています。「どうしたの?」「しらみが保育園にいるんだ」と言います。孫は恥ずかしそうに目を両腕で隠しています。「かわいいよー」と言ってもはにかんで、なかなかお話をしてくれません。カメラの前でパンや巨砲をちらつかせて食べてみせます。孫は気に入ったのか、画面に手を伸ばして食べる真似をして嬉しそうです。お兄ちゃんたちもそれぞれに大きくなって、親の手もかからなくなってきています。ここまで育てるのに、自分の時間もなく、夫婦でお互いに支えあって毎日携わってきた証がここにあると嬉しくなりました。「人」にするには簡単なことではありません。忍耐と努力なくしては今がありません。このまま、今を大事に歩んで行って欲しいと思いました。それにしても「シラミ」には恐れ入りました。わたしが小学校時代に並べられたことを思い出しました。背中にシューッ!と入った感覚は忘れられません。今の時代にも続いていることに驚きました。生命力の強さにシラミを捕まえて「こんちきしょー!」とつぶしたい気持ちです。55年、100年経っても衰えない敵は、「おまえ、やるじゃないか」「プチュ!!」です。愛しい孫には寄らないで欲しいのです。
お盆休みに長男家族が泊まりに来たお土産は、沢山のCDでした。男3人もいますから、まとめて10枚ほどあります。4年生の孫の運動会は、「ヨサコイ踊り」で、はちまきをきりっ!としめた姿は緊張感が伝わる踊りでした。今までとは違い、少年の姿に成長していました。踊りはメリハリがあって、見る側にも心地よく、この曲があることに、有難いと思いました。運動音痴が親の悩むところで、体操クラブに通い、克服したことがすごく嬉しいです。今では、先頭をきって、腰のゴムを気にしながらも、一生懸命踊っているのです。わたしの欲の目で見ると、一番格好が良く見えます。親も感激したことでしょう。10年でここまでねーと、ただただ感心です。わたしの地区でも5歳くらいで上手に、楽しく踊っている子供さんもいますが、音痴を認めているのですから感激です。やはり小さいころに、指導を受けると受けないとでは大きな違いがあることに、体操の先生には感謝しています。わたしが、今から立ち上がれないことがあれば、これを見て元気を頂こうと決めました。孫のエネルギーは、ば~ばにとって最高の栄養ドリンク剤になりそうです。
この地区に東京から、学習塾の夏期講習が入れ替わりやってきます。塾長の出身地で、東京で40年も経営しています。夏だけ10年位前から、自然豊かな環境での勉強です。5年程前に中学生の生徒さんが、我が家の前で夜の7時ごろに、いつまでも居るのに不思議に思い声を掛けたのです。携帯の電波不能て塾と連絡がとれず、知らない土地で困っていたのでした。じいさまが宿泊先まで送り届けて、ご両親は何度もお礼の挨拶をして来ます。今年は我が家へ、御揃いでお礼の挨拶に来てくれました。そのお礼にミニコンサートへのお誘いでした。今晩はお友達を誘って、聞きに行って参りました。堀江聡先生の軽い哲学とソプラノ歌手の岡本佳織さんの教室でのミニコンサートです。堀江先生のお話は、ここで暮らして居ては、絶対聞くことはありえない、初めての哲学です。難しくも納得のいくお勉強で、とっても新鮮な気持ちになりました。西洋的な学問など50年ぶりと言っても過言ではありません。黒板を読むのも久しぶりながら、自分に吸収能力はまだある、と、嬉しい気持ちです。一週間程、自ら教えていますから、生徒さんは恵まれています。岡本さんは素晴らしい発声で羨ましく思いました。プロのシャンソンなどはFMからしか聞いたことがありません。フランスに居る感じで錯覚してしまいます。2人ともこの塾生出身で、塾長の自信は宝物ではと思いました。先生曰く、「わたしの交友の財産を分けてあげたい」と、2人をこの小さな町へ連れて来て頂いたのでした。最後は全員で「ふるさと」を歌いました。わたしの隣の席は、被災して友人の家を借りている彼女です。彼女の家の場所を教えられていますから、感極まって涙がこぼれてしまいました。彼女は最後まで歌っていて、前向きな考えに感心し、塾長の度量の深さには感動致しました。
長男家族が学校の夏休みで、我が家へ3泊4日で帰って来ました。今度は大人しくしてようと、心がけて静かに構えます。わたしが着ている色は、黄色の服、次の日はピンク、次の日はぼやけ色の薄紫を着て朝食です。3歳の男孫は、わたしの隣のイスに座りました。「おばあちゃん赤」と言います。みんなで笑うしかありません。滅多に着ることのない赤は買うこともありません。仕方なく、ピンク色でV襟のフリルを着て来ました。孫は「にこにこ」して喜んでいます。「まったく、、、」と思う反面、老けて見せたわたしが、一番悪い影響を与えたのだと反省しました。センスの問題も考えなくてはと宿題をだされた気持ちです。何でも勉強、一生勉強と、まだまだ修業です。3歳は正直に気が付いたことを言います。受けて立つ!が夏休みのば~ばへの宿題なのでした。ここまで来て、修業が待っているとは思っても居ません。赤ねー、センスねー、と、悩むもうひとりのわたしがいます。そして、座椅子に座っているわたしをめがけて「おばあちゃん、だいすき!!!」と、何回も飛んできてハグしに来ます。これ以上痛い所を出したくないわたしは、かばいながらも、相手をしてあげます。腰を悪くしてから、だっこもおんぶもできません。それでも3人の孫は、帰りの玄関で「帰りたくない」と言ってくれました。目いっぱい相手をして、疲れもなんのその!。孫への接待は大成功です。
今日はじいさまの弟家族が、お墓参りがてら来ます。夕べの話ですから、丸く掃除をしているわたしには、来客は「鬼」に見えます(笑)。昨日の夕方、偶然にも墓地の草を刈っていましたから、今朝は5時に後片付けに行きました。ゴミ袋の2個を2回、我が家の畑へ運びました。指定の場所までは遠くて持っていけません。弟から貰った「ほうき草」で石床を掃き、タオルで墓石を拭いて、畑に咲いているお花2種類を花立に差して終わります。じいさまは車の掃除で忙しくしています。新幹線の出口まで、7/20分に迎えに行くことになっています。その間に家の中の拭き掃除です。それからシャワーをして待ちました。間もなく到着して1年ぶりのご挨拶です。よもやま話も済んで、じいさまは近くにいる次男の家に連れて行き、大役から解放されました。わたしは横になるに限ります。じいさまは、被災地は見ないと言っているのに、車で案内しました。自然災害の教材を、見たと見ないとの差は大きいもので、見た後は何かを感じ得たものがあったと確信しています。自分で感じることが、一番に大事ではと思います。じいさまも同じ考えで安堵です。昼食後に帰って来ました。来客は次男の家からローカル線を乗り継いで、明日への「龍泉洞」に向けて帰って行きました。ローカル線は我が家の後ろを通りますから、じいさまと犬一匹の3人で広場から見送りました。弟家族も窓際で手を振っています。今日半日忙しく動きましたから、腰が本格的に重くなり、クーラーの効いている茶の間で寝ることにしました。アウトー!!!。