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New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

キャバレー・ルル

2008-03-11 02:40:52 | New York
 今日はキャバレー・ルルの演奏だった。キャバレーといっても、ホステスさんがお客さんを囲んで、という店ではない。大体アメリカには、女性がいてお客は男性だけという形式の店は存在しない(ストリップのライブハウスがそれに近いが)。キャバレーとは、ブロードウェイの役者やその新人たちが、歌と語りで一人芝居を構成しピアノの伴奏で進めるショーの事だ。マンハッタンにはキャパ50席位のそのような店が多い。
 キャバレー・ルルは70歳になってもまだまだ元気な女性コメディアン、ルシール・ゴールド(通称ルル)が中心となって、3人の現役ブロードウェイ歌手が共演する。毎月テーマが変わり、「聖パトリックの日」の3月のテーマは「アイリッシュ」だから、曲も「ダニーボーイ」や「マイ・スイート・アイリッシュ・ローズ」となる。
 会場はブロードウェイの劇場街の46丁目。入場券を買った人が「結婚式に招待されたお客」になる設定で行なわれる「トニーとティナのウエディング」というロングランのオフ・ブロードウェイ・ショーが行なわれている小劇場である。ここは10年前は「インディゴ・ブルー」という、オープニングにはマイルス・デイビスも顔を出した、短命なジャズクラブだった。
 我々のショーは70歳前後の世代を対象にしたランチを食べながらの催しで、毎回100人、多い時は300人位がバスに乗ってやってくる。ルルのジョークと歌と寸劇の1時間半でお客さんは楽しい午後を過ごす、という仕組みで、時間がたっぷりある老人達に好評である。