New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

キャブ・キャロウェイ楽団 ハイドパークにて

2011-07-15 23:15:00 | New York
 ニューヨークの7月は真夏だ。今日はCab Calloway 楽団で市民プールでの野外コンサート。ニューハイドパークという郊外の町、マンハッタンから30分の距離なのに金曜の午後だから2時間もかかった。
 子供から大人まで沢山の人が遊んでいる大きなプールのテラスにスピーカーやアンプが並べられ、リハーサルは暑いの何の、屋根がないから汗だくだ。しかし演奏が始まる頃には地平線に沈む夕日が空をオレンジ色に染めて、涼しい微風も吹いている。

 キャブ・キャロウェイの創立したこの楽団は孫のクリスがリーダーで、おじいさんゆずりのコミカルな歌が売り物だ。このメンバーはエリントン楽団やベイシー楽団、ハンプトン楽団などで顔馴染みだから、休み時間はお互いの近況報告で持ちきりとなる。


リーダーのクリス・キャロウェイ・ブルックスと



Blue Note

2011-07-10 23:10:00 | New York
 ブルーノートで昼下がりの午後の演奏。食事付きで$25と、お得で評判が良いブランチコンサートなので猛暑の中、100名以上のお客様となる。

 今回のベースは私とは30年来の知り合いで、最近はご無沙汰だったDavid Hofstra, ドラムは毎回、演奏を頼んでいるClifford Barbaroである。

 昨年の日本ツアーの時に、このクリフォードがピアノのレイ・ブライアントと共演している1970年代の録音を聴く機会があった。当時は30歳前だったろうに、既に頭角を現していたようだ。以後、歌手のジョン・ヘンドリックスと日本に行ったり、ベティ・カーターとの共演でも有名である。

 さて今回、ブルーノートのピアノがヤマハになっていたのには驚いた。開店した頃ヤマハだった記憶があるが、その後スタンウェイに替わり、数年前からミッドタウンのバードランドと一緒にベーゼンドルファーになった、そしてまたヤマハに。

 「スポンサーがときどき変わるんだ」とは店のエンジニアの話である。「ピアニストがリクエストすれば他社のピアノも運び込むよ」と言う。

 夜のショーのバンドの為にピアノの横には大きなスピーカーを台にして、年代物のフェンダー・ローズが置かれていた。これはシンセサイザーが普及する前の70年代に皆が使っていたキーボードである。私も持っていたが重いのなんの、一人では到底動かせない。懐かしいのでセットの中で1曲弾いてみた。最近はあまり使われていないのだろうか、鍵盤のバランスが良くなかった。しかし音色は甘くて柔らかいフェンダー特有のものだ。

 午後4時半、演奏後のニューヨークは暑さの真っ盛りであった。