New Yorkのジャズピアニスト、クニ三上(Kuni Mikami)のブログ

ツアーの様子を中心にお伝えしています。

ツアーの終わりに

2011-11-01 18:08:00 | 2011秋「Hamp's Boogie」発売記念ツアー
 今回は、出発時の台風に始まり、例年になく雨の多いツアーだったが、各地で大勢の皆さんにライブ演奏をお届けする事が出来た。

 ジャズファンもジャズ初心者も共に楽しんでいただけるコンサートに努めた。どうだったろうか?

 ここでアンケートに寄せられた感想を数件、ご紹介しよう。

*身体がほぐれるような気持ちよさです。馴染みのないジャズでしたが、三上さんのトリオがすばらしいんだと思いました。(50代女性)

*ジャズってよくわからないなぁ・・・と思いながらも来てみました。来て良かった!心地よくなり、違う場所へ行かれたような気分です。

*三上さんの教本、ずっと愛読しています。今日、初めて演奏を聴かせて頂きました。最高に洗練された演奏。楽しかったです。(女性)

*とても素晴らしかった。ジャズを色々な所で聴きますが、ここまでの感動は初めてです。(40代女性)

*玉が転がるようなタッチのプレイ、素敵でした。クラシックからユーミンまでミステリーツアーのようなプログラムでした。

*日頃のどうしようもない日常生活に彩を与えて貰ったと元気が出ました。(70代男性)

*心地よい流れ、気持ちすっきり。いつまでも聴いていたいジャズでした。

*変幻自在なアレンジ、3人の見事な呼吸、スリリングなやりとり、ジャズの楽しさを満喫した。

*こんな田舎でこんなにすばらしいジャズの生演奏を聴けるとは思ってもいませんでした。

 今回もユニークな演奏会場が多かった。プラスチック素材ではなく、樹や陶器など人間と自然のぬくもりを感じさせる素材に創造性を加味した「オーガニック・モダン」の家具やインテリアは今、ニューヨークで流行の兆しを見せているが、同じコンセプトを日本で昔から持ち続け、内装やデザインに生かした建物の何と多いことか。

 タバコやお酒と無縁の「清涼な空気の流れる空間でのジャズ演奏を楽しんでもらう」私の志向に基づいて横田マネージャーが探してくる数々の素晴らしいスペースで、集まった聴衆を前に演奏する感慨は、ひとしおである。皆さんの嬉しそうな顔が忘れられない。

 明日、NYへ発つ。

 

富山立山町・グリンパルよしみね

2011-10-30 23:04:00 | 2011秋「Hamp's Boogie」発売記念ツアー
 ツアー最終日は富山のグリーン・パーク吉峰内にある「グリンパルよしみね」。

 2年前からお世話になっているサウンド・ファームの福井さんは集客からピアノ、PA装置まで全てを手配し準備して下さる、実にありがたい。元は公務員だが、現在ご自身は農業兼オーディオ録音家で、自宅の米蔵はスタジオともなっている。

 富山はジャズ好きの方も多いとの事で、今回も一杯のお客様。ゲストとして長年当地で活躍しているジャズ・ヴォーカルの佐藤ひろみさんが、素敵なスタンダードの数々を披露、ニューヨークのステージを思わせるような楽しい掛け合いとなった。

 富山ジャズの推進役であった石坂氏も嬉しそうに身体をスイングさせている。松本から水谷夫妻も。最終日にふさわしい華やかな演奏となった。

 演奏後は打ち上げ、富山ならではの「生の白エビ」や「イカ墨の塩辛」は絶品!福井さんのお仲間の広瀬さん、桂さん、調律の山下さん、それにひろみさんのボーカルのお弟子さんらと最後の夜を楽しんだ後、小雨の中に入る露天風呂がまた最高!であった。ありがとう。






客席の様子


ゲストはボーカルの佐藤ひろみさん






打上げで記念撮影


お世話になった福井さんと

滋賀彦根・座楽庵

2011-10-29 23:39:00 | 2011秋「Hamp's Boogie」発売記念ツアー
 京都を出発、本日の会場「近江・楽座、おとくら」では準備中の滋賀県立大学の若者達が我々を迎えてくれた。

 ここでは中山道・高宮宿の街道に沿った麻布の商家を借り受けて学生が地域活性化のプロジェクト「おとくら」を組んでいる。若者の元気が大学のキャンパスを越えて、地域振興の役に立っているという、素晴らしい好例だと思う。

 滋賀県立大学の「人間文化学部」「環境科学部」「人間看護学部」の学生達は、この他にも「琵琶湖の環境保護」や「山間集落の村おこし」など23に及ぶ地域貢献のプロジェクトを組んでいる。住民との共同作業による実体験から学ぶ、という姿勢は素晴らしい。

 古い蔵を彼等が綺麗に改造した会場は面積は狭いが2階から見ることもでき、ピアノが置かれ、蔵の隣は土日だけ開店するカフェになっている。
 
 座布団に座って目の前で生演奏を聴いてもらう中、ジャズ好きの教授からリクエストも出て、良い雰囲気で音楽が流れた。

 正面の高宮神社も清々しさの溢れる境内である。

 近隣の木工工房では井川氏が掘り出し物のテーブル用の大きな1枚板を発見し、入手した。


学生たちと、まずは記念撮影


向かいにある高宮神社




狭いので、リハーサル中に撮影




受付の様子








客席の様子


最後は男子学生からの花束贈呈


京都・ギャラリーのざわ

2011-10-28 23:26:00 | 2011秋「Hamp's Boogie」発売記念ツアー
 「小京都」から5時間、今日は「本京都」での演奏。「松原の大門」と大きな柳の樹が名残を留めている昔の花街だった地域。「ギャラリーのざわ」は町屋造りの古民家である。

 座布団の敷き詰められた通しの三部屋に一杯のお客さま。小さな子どもから若者、団塊世代、上は80代まで、本業は編集者というオーナー野沢さんとお友達の西澤さんのお陰で色々な世代が京の町家でのジャズを楽しんでくださった。

 おでんやお鍋を囲んで大勢が参加した打上げに、野沢さん(そしてご主人・山田さん)の人望を感じた。

 私の大好きな京都、そして素敵な会場での演奏が実現して嬉しかった。


ギャラリーのざわの入り口にて


これがギャラリーのざわの全体




客席後方から




これが町屋の長~い土間


広島竹原・照蓮寺

2011-10-27 23:32:00 | 2011秋「Hamp's Boogie」発売記念ツアー
 広島県竹原。「えっ!なんでここにこんな町並みが?」というくらいに素晴らしい江戸時代の家々が続く地域にある照蓮寺での演奏。

 「町並み竹灯り~たけはら憧憬の路~」というイベントの一環として「竹灯りジャズコンサート」というタイトルのコンサートである。

 竹原の地域活性化を目的とするNPOネットワーク竹原の方々がテキパキと準備をして下さる。本堂は150人近いお客様で満員である。CDもよく売れて、皆さんにとても喜んで頂けた。

 この町は江戸時代に「塩造り」で富を得た大きなお屋敷が当時の姿のまま残され、開放されている。古い民家の数々が今も住宅として使用されているし、それぞれ個性の違う地酒の老舗が3軒もある。

 その町並みが「安芸の小京都」として人気があるのも納得できる、実に見事な町作りである。


照蓮寺の入り口にて


本堂にて


庭も素敵でした


親鸞聖人の像がある


これが竹原の町並み


歴史民族資料館


町並み保存地区の路地


初代郵便局跡。このポストは現役です


松阪邸の室内に灯された竹灯り


松阪邸の庭。まだ明るいので灯りは灯されていません


これが松阪邸


竹灯りが灯された、照蓮寺への階段






満杯の客席


旧笠井邸の2階天井の梁。この1階がNPOネットワーク竹原の事務局になっています