毎日新聞 2014年03月15日 東京夕刊
【ヨハネスブルク服部正法】アフリカ中部ルワンダから南アフリカに亡命したルワンダ当局元高官を狙った襲撃とみられる事件がヨハネスブルクで相次ぎ、ルワンダ政府の関与が取りざたされる事態となっている。南ア政府は先週、在南アのルワンダ外交官らを国外退去処分とした。ラデベ法相は12日、ルワンダの外交官がこれらの事件に関与したとの見方を示唆し、「断固たる警告を送る」と強い口調でルワンダを非難した。
今年1月、ヨハネスブルクの高級ホテルの客室で、ルワンダ情報機関の元トップで南アに亡命したパトリック・カレゲヤ氏が窒息死した状態で発見された。殺害されたとの見方が強い。
さらに今月になって、ルワンダ軍の元参謀長で亡命中のカユンバ・ニャムワサ氏のヨハネスブルク市内の自宅が武装集団に襲撃された。ニャムワサ氏と家族は当時留守で無事だった。同氏の殺害を狙ったとみられる襲撃は3回目で、2010年には腹部を銃で撃たれている。
両氏とも以前はカガメ・ルワンダ大統領の側近として知られたが、後に政治手法などを批判し、南アに亡命した。
ルワンダは1994年、多数派のフツ人が少数派のツチ人ら約80万人を虐殺。その後、カガメ氏らが率いるツチ人主体の軍事組織が情勢を沈静化させた。民族和解の進展と経済成長の実現という業績で国際的に高く評価されるカガメ氏だが、一方で強権支配と批判されている。ルワンダ政府はいずれの事件についても関与を強く否定している。
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