Nyanyahoi's Essay

庭あり、音楽あり、食道楽あり。本館と庭と別館のエッセイ部分をまとめてみます。ブラザーズとpenchiも時折登場。

八百屋みたいなパン屋(2)

2004-06-28 18:00:37 | bread
先月1周年を迎えたふたつのパン屋さん。
Wさんのほうは(1)に書いたので、もうひとつのパン屋、Nさんの話を。

ここの主人のSさんは、食のサイトのパンのBBSで、数年前におしゃべりしたことがある。
そのころ彼は地元水海道のハーブ園のパン「酵」房のシェフだった。

工房じゃなくて「酵」房なんだよ、
あら、ハーブ園、よく夫とドライブで昔行ったの、
お菓子はよく買ったの、パンも作るようになったんですね、
じゃぁ、また今度行きますよ、

なんて会話を交わし、数年が過ぎた。すっかりそちらのBBSにもご無沙汰になり。
いつの間にか彼は半蔵門のベーカリーで伝説のシェフとなったあと、地元水海道に店を構えることになったという、風の便りを聞いた。
やっと、あの時おしゃべりしてパンを食べに行きますよ、という話が実現しそうと、わくわくした。
そう、本当に、風の便り、よく届いたものだなぁとびっくりしつつも嬉しくなったりして。

それから、時々おまかせの宅配を頼んだり、パン好きさんたちに混ぜてもらっておいしいパンをいただきに伺ったり。
リュスティック・フリュイなどのフランス系、それからドイツ系のパンも焼かれる。かかった粉の香りなのか、それとも水海道ののんびりした空気なのか、ハーブ園のお菓子もそうだったけど、どことなく「優しい」パンを焼かれる方。でも心意気というか、チャレンジャー精神というか、そんなものも感じさせてくれる。

お店に行かないと食べれない、バリエーション豊かなパンも焼かれているそうなのだが・・・
実家から、さらにちょっとドライブする距離にあるので、なかなかお店には到達できない。
お店に行かないと食べれないブリオッシュやデニッシュ、クロワッサンも、いってまたお目にかかる日を心待ちにしている。
でも、この季節は、もう、ないかも。
実はNさんちの厨房には、冷房が、ないらしいのだ。
だから、油脂分の溶けて涼しい部屋でないと仕込みのできないブリオッシュやクロワッサンといったバターの多いパンたちは、夏場、お休みしてしまうのだ。

いまどき、どこのパン屋にも年中置いていそうなクロワッサンやデニッシュを、無理せず潔くシーズンオフにしてしまう。
そこが「八百屋らしい」というところだろうか。
最近の八百屋でも、年中きゅうりがあったりするけれど。

NYのグリーンマーケットの話を聞いたことがある。新鮮でしっかり栽培された作物は、旬が短い。1週間たって来てみても、もうその作物の旬はおしまいで、来年までないこともあるらしい。
うちのハハも無農薬で家庭菜園をやっているので、キャベツをもらうなら今、ジャガイモは今、とタイミングが最近少しずつわかってきている。
ましてやSさんのご実家は農家。秋にはパン屋なのに米も売っている。時折宅配のパンの箱の中に季節の野菜が少し、入っていることもあり、これがなんとも旬を感じるようで、嬉しかったりする。
そんな季節感や旬に逆らわない心が、この店にはあるのかもしれない。

繁盛して厨房に冷房が入っても、もしかして、デニッシュは季節ものなのかな? ちょっとそれは惜しいけど、それもまたいいんじゃないかな? なんて思ったりして。
20代にして一城の主、そして2児のパパ。ご夫婦だけでお店を切り盛りしているので(そういえば、もう少ししたらスタッフ募集、なんて書いてあったなぁ)
たまに子供の具合が悪くなってお店を休むとBBSに書いてあることも。
夏の厨房にもまけずに頑張れ、Nさん!
Nyanyahoi's Cafe おすすめBakeryのページ
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夏のドリンク&Cafe更新

2004-06-28 12:36:35 | drink
久々に本館のCafeを更新しました。
おすすめ&Shopはあちこち加筆・追加しましたが、レシピはひとまずドリンクだけです。

表紙は季節外れのほっとチョコにこしょうをひとふり
(さるはペッパーミルではありません(笑))
冷房病にも効くかしら? 意外にも、暑くなると身体が消耗したり、冷房と薄着でかえって冷え性になったりしませんか?

最近自由が丘や代官山に、ショコラティエが続いてオープンしました。チラシも見たりしたのですが、「飲むショコラ」(おしゃれな名前やフランス語だったりしたかもしれませんが)をお店のコンセプトのひとつとしてクローズアップしていたように思います。
本場のショコラはちょっと夏には濃いかしら? でも、もともとはメキシコの良薬だったカカオ。夏ばてにもいいかもしれません。

カクテル系のお酒類もちょっとレシピにアップしました。
やっと1ℓのカンパリが空になって、今度は手に持ちやすいベビーボトルにしてみました。それとフランボワーズのリキュールも小さいボトルを購入。
この夏は、ソーダで割ったり、ビールに入れたり、ワインに入れてみたりして、いろいろ楽しく実験して酔いたいと思います。
カンパリの苦味が苦手な方には、パッソアとかパッシモとか、パッションのリキュールにきれいな赤いのがでてるので、カンパリに差し替えてカクテルを試してみるのはいかがでしょうか?
私はあの苦味が好きなんですけどね。

ジャズヴォーカルの今度の課題のsummertimeでも聴きながら、飲むとしましょう・・・
Nyanyahoi's Cafe
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不思議なパン屋~吉祥寺散歩~

2004-06-28 00:44:56 | bread
とても久しぶりに吉祥寺に行った。
わたしにとって吉祥寺は「ココロノふるさと」みたいなもので。
しかも、ブラザーズとこじぱぱは井の頭公園で象のはなこをみていたので、久々の「ひとり散歩」の時間をもらった。
ロンロンをふらふらのぞいて、いつもの出口から街に出る。
両手に両肩にかかるものがなくなって、ふわふわふらふら、くてくてと散歩。

お決まりのお店をのぞくのもまた楽し、ふらりと新たなお店にはいるのもまたたのし。
お決まりではずせないのは
サトウの松坂牛コロッケ(メンチカツは休日はかなりの行列、コロッケはたいてい並ばず買える)
いせやのやきとり(暑くておやじさんは忙しくて、お互い思わずお勘定忘れて大笑い。あいかわらず煙もうもう)
ベッカライリンデのブレッツェルとベルリーナ(クリームorジャム入りのまるいドーナツ)
この辺は、新婚で共働きしてたころのアフターファイブのお惣菜コースから、定番化している。

お茶屋さんもだいぶ回ったのだが、ぽこ坊がおなかにいるときに紅茶が飲めなくなり、回復したもののお茶の在庫が余って茶道楽はちょっとお休み。
ひといきいれるのに、東急裏の気軽な中国茶店、TEA MAGICに久々に寄り、アイスグレープフルーツティを飲んだ。
プーアールとグレープフルーツ。ちょっと黒砂糖みたいな不思議なこくがでて、さっぱりしてた。スタバ風のマークもかわいいし、気軽で和める。
雑貨屋をのぞいたり、ふらりと入ったハーブショップでリラックスできるマッサージオイルやハーブ成分で作られた虫除けスプレーなどを購入。

そうそう、不思議なパン屋に行った。
たいてい吉祥寺ではリンデのパンを買ったら大体満足で(スタンプカード、だいぶためたもんな)、東急のムッシュソレイユと三浦屋のポンデケージョを買ったら大満足なんだけど、引っ越して吉祥寺から足が遠のいているうちに、新しい話題のパン屋ができたらしい。東急裏は大体土地勘もあるし、ふらふらと探してみることにした。

ダンディゾン
小さな食パンの、ほんとわかりづらいちいさな看板をみつけて裏路地に。1Fはブティックの、ローズマリーが植えられた階段をゆっくり半地下に降りていくと、これまた重厚な木の、自動ドアがうぃーん、と開いて、ちょっとびっくりする。
いままであったパン屋とは想像もつかないような、シンプルすぎるくらいシンプルで、無機質? とも思えるような空間の棚に、食パンが並べられて、真ん中のシンプルなショーケースには、整然とパン、が並べられている。
ネームもシンプルに文字と値段だけ、まったくどんな味なのか想像がつかない。
ほんとに、パンなんだろうか?

清潔そうな白い服を着た店員さんが近づいてきて、いらっしゃいませ、と。そしていろいろきくうちに、解説をしてくれる。
まるでブティックで、この服、素材は?とか、サイズありますか?とか、どういう風に着こなせばいいかしら?
なんて話をしているようで。
店員さんと話しているうちに、ケースに入っている物体はパンで、実はアンパンで、あんこはこんなのが入ってるんだとか、食パンは豆乳でこねてあって油脂は入っていないのだとか、正体がわかってくる。
すごく不思議な感覚。

店員さんにほとんど全部のパンを説明していただいて、あんぱんと、バターが30%入ったリッチな食パンと、アーモンドのごろごろっとはいったクロッカン風のパンと、フランス生地に細かく切ったバターを混ぜたというパンなど、いくつかピックアップしてもらって買った。袋もブティックのように洗練された感じの袋。

そして店を出ると、昔から変わらずそこにあるような魚屋さんが目に飛び込んでくる。
吉祥寺という街は、生活感そのもの、というお店と、中央線がはぐくんだチャレンジャーなお店が入り混じって、時を経るうちに独特の雰囲気をかもし出している。
この店も、また新たなチャレンジャーなのかな。
中央線的な泥臭さは感じられない洗練さがまた不思議だけど、また2度、3度訪れるうちに、また不思議な空気になっていくんだろうなぁ。

パン。とてもいい素材を使った丁寧なつくり。おいしかった(^~^) アーモンドのは、気に入ったなぁ。カラメルが苦みばしってたっぷりかりっとかかっていた。
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