第43代紫組要領次第

開成高校第43代紫組要領次第係のホームページ。

続き

2005-12-13 16:26:44 | Weblog
意見書の続き。貼り付け。



2.今の世界の現状
さて、質問にあったもう一点。「先進国は途上国に対して有利に立ちたいので、教育水準の差をコントロールしたくなると思うが、どうだ?」という点でしたね。
以上述べてきたような古典的な世界では、コントロールしようとするに違いありません。ですが、実際はどうでしょう。名前を聞いたことの無いようなよく分からない途上国から多くの留学生を先進国が受け入れていますね。下手すると奨学金なんて出して援助したりしている。なぜでしょう?
 以下簡単な例で話します。
今、仮に、先進国Aが力に物を言わせて、途上国を明らかに支配したら国際社会から非難されますね。そしてこの非難というのは、かなり大きな不利益をそのAにもたらしてしまいます。(不利益というのは具体的にはその国の魅力の低下を意味します。魅力が高い国は、国際政治において、信頼されるようになるので、いろんな問題において有利にことを運べるようになります。魅力が下がることは、結構イヤなこととして認識されています。)現代においてこの不利益は大きすぎて、途上国を支配して得られる利益より大きい。つまり、プラスマイナスでマイナスになってしまいます。実際に実験してみたらそうなるのかどうかは分かりませんが、しかし少なくとも、現代の政治家達はこのように考えているのでしょう。だから、支配を行わない、のだと思います。
逆に言えば、教育を提供することでイメージアップをしようとしているのです。
 これも少し違う例になりますが、イラク戦争を見てください。イラクを支配することによって得られる利益。そして、国際社会に大きな負の波紋を投げかけたことによる不利益。アメリカはわがままであるという悪いイメージが世界に広がってしまった不利益。このプラスマイナスを考えると、アメリカはこの戦争を戦争後からどれだけの利益を得られるのでしょうか?まだ結論は出ていません。10-20年ぐらいすれば、少しは見えてくるでしょう。
 古典的な世界では、この「魅力」というパワーは大きな「力」ではありませんでした。しかし、今、相互依存が進んだ世界においては、魅力が大きな力になりつつあります。アメリカは、今回の戦争で、魅力を大きく損ないました。しかし依然として、その自由を重んじる理念や文化は世界中で共感を得られていて、優秀な人材を集める求心力を持っています。
 さすがに質問の命題から話が逸れすぎました。以上は軍事力(ハードパワー)に対する概念としての「ソフトパワー」のお話でした。
 命題に関するところに話を戻しますと、このように、世界を支配してばかりいると、得るものもあるが、失うものもある。そして、失うもの(信頼、指導力、魅力)の方が現代では尊ばれている(というか、尊ばない人は、国内の選挙で当選しない)。だから、今現在、途上国から留学生を受け入れる先進国が多いのです。これによって、ソフトパワーの増強を目指しているわけです。またこの留学生の受け入れは、別の面でも受入国の利益になります。それは、そうした留学生が、古里に帰り政府高官となったとき、その留学生が、その国と留学した国の架け橋になることです。これを大きいと考えているから、アメリカはどんどん学生を受け入れているわけです。
 んー、少し命題から離れちゃったな。ま、今度ゆっくり話そう。

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話がグダグダになっていますが、まぁ、情報化、人権意識、民主主義、ソフトパワー、そういうものが複雑に絡んで、今のような国際情勢(i.e.昔のようなanarchicでrealisticな国際政治ではなく、相互依存が進み、一見見返りが無いようなことにも国家が取り組み、国家の魅力・発言力を増やそうとしている)になっているのではないでしょうか?

急いで書いたものなので、今読み返すとかなりひどい論理立てです。悲しくなりますが、ちゃんと書き直すのも時間がかかってめんどくさいので、そのまま貼り付けてしまいました。

まだまだ続きます。

じゃ。

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