ポジティブ心理学
ポジティブ心理学(英語: positive psychology)とは個人や社会を繁栄させるような強みや長所を研究する、近年注目されている心理学の一分野である。ただ精神疾患を治すことよりも、通常の人生をより充実したものにするための研究がなされている。即ち、ポジティブ心理学は、デベロップメント・カウンセリングの一分野である。
近年の実証的研究家には、マーティン・セリグマン、エド・ディーナー、ミハイ・チクセントミハイ、ジョナサン・ハイト、C・R・シュナイダー、クリストファー・ピーターソン、バーバラ・フレデリクソン、ドナルド・クリフトン、アルバート・バンデューラ、シェリー・テイラー、チャールズ・S・カーバー、マイケル・F・スキナーなどが挙げられる。
主観的に幸福な人は、そうでない人に比べて、病気が少なく、寿命が長く、収入が多い。幸福になれば、人は生産的で、行動的で、健康で、友好的で、創造的になる。
そしてその幸福感は、家族や友人に伝播して行く。
幸福感を増すための方法[編集]
以下のようなことを行えば、幸福感が増す。
(1)週に1回、自分の幸福を数える時間を持つこと
不幸にとらわれるのではなく、自分の幸福に目を向ける。1日に1回行うと効果が少なくなるので、週に1回行うと良い。またこれにより、「幸福順応」を避けて、他の人への感謝の念を増やすことができる
(2)他の人に親切にすること
同僚や通りすがりの人に支援の手を差し伸べる。こうした利他的行動を行うと幸福感が増す
(3)感謝の手紙を書くこと
これにより短期的には幸福感が増すが、あまり長続きしない。
(4)自分の強みが何であるかを知って、それを生かすようにすること
自分の長所に注目する。自分の強みを知るための質問紙が作られている[11]。自分の強みを知るだけでなく、それを日常生活に生かす努力が必要である。
(5)他の人に多くを与えること
人に親切にするとは、人に何かを与えることである。ボランティア活動など、自分の時間を与えることでも良い。情報でもよい。
(6)他の人と一緒にいること
家族や友人と一緒にいる時間の長い人は、そうでない人に比べて幸福感が強い。家族や友人との人間関係を大切にして、長い時間を一緒に過ごして、それを心から楽しむと、幸福感が強くなる。
(7)一日の終わりに、その日の良かったことを3つ書き出すこと
物事の印象は、ピーク時と終了時で決まる。1日の終了時に、その日の良い事に注目する。そして、この良い事はなぜ起きたかを考える。この方法により、持続する幸福感を得ることができる。セリグマン教授が勧める方法である。
(8)他人と自分を比較しないこと
自分の給料に満足していても、知人が自分よりもっと多い給料をもらっていることを知ると、とたんに不幸になってしまう。人は自分が幸福であるほど、まわりの人との比較に関心を払わなくなる。自分が満足できる仕事を持ち、家族や友人と良好な関係にあれば、比較による不幸から逃れることができる。
(9)生涯にわたる目標や夢に全力を傾けること
人生の目標を追い求めることで、多くの満足感や喜びが得られる。「フロー」状態の時間が長いと、幸福感が増す。「フロー」状態が得られる活動を選んで取り組む。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます