情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「Heavens~夜と夜と音楽~ 終わってました」の情熱

2014-07-19 15:03:04 | 稽古場から・劇場から


そんなわけで。
天幕旅団♯8「Heavens~夜と夜と音楽~」、終了いたしました。

関わって頂いたスタッフの皆様、
ご来場頂いた全てのお客様、
来れなかったけど気にかけてくださった皆様、
ありがとうございました。
遅ればせながら、御礼申し上げます。

3回目のHeavensでした。
初演は2003年、なんと11年も前のこと。
そして、2009年に再演して、で、今回が再々演。

この、Heavensという作品は、自分の中でもちょっと特別な思いがあって。
なんというか、いくら作りこんでも、まだ奥が深いというか。
ホントの底の部分まで辿り着けていないというか。
初演も再演も、終わった後にそんな気持ちになりました。
そしてやっぱり今回も。

Heavensをやる度に、新しい何かと出会います。

2003年の初演の時は、それまでずっと時代劇をやっていた笑劇ヤマト魂が、
初めてファンタジーに挑戦しました。
それまで「歌舞伎エンターテイメント」と銘打って作品を作り続けていたのですが、
「本歌取りファンタジー」と冠をつけた最初の作品だったのです。

2009年の再演の時は、僕らが「リングサイド形式」と呼んでいる
演出スタイルの原型が生まれました。
当事まだ、ハケ口があって、出番のない役者は舞台袖にハケていたのですが、
舞台と袖の間に「リングサイド」という空間を作りました。
役を纏って舞台に立っているわけでもなく、舞台袖で休んでいるわけでもなく、
その中間の、リングサイドで待機する役者、というのを見せる演出。
5年前はまだ、システム的に確立していたわけではないのですが、
その原型が生まれたのがこの作品です。

で、2014年・再々演の今回。
完全四方囲みのプロレスリング形式でやりました。
今までずっとやってみたかったスタイル。
お客さんとの近さ、反応がダイレクトに返ってくる感触。
これは、やみつきになりそうな予感がします。

そして、少人数での表現。
メンバー4人で何が出来るか。
どんな情景が作れるか。
稽古場で試行錯誤を繰り返しました。

そんでまあ、あんだけ稽古したけれど、
やっぱりまだ底まで辿り着けていない感じがするのです。
これはもう、この作品の宿命かなと思うのです。

Heavensは、またいつかきっとやります。
その時はまた、全然違う演出になっているのではないかと思います。
上演するその瞬間に、僕が、そしてメンバーが、
どんな表現が出来るようになっているのか、
そういうバロメーターみたいな作品だと思うのです。

なにはともあれ、2014年のHeavensはひとまず終了です。

天幕旅団、次回は11月末。
秋から冬に差し掛かる時期。
また、SPACE雑遊さんにお世話になります。
次回は、「天幕版 ノートルダムの鐘」。
弔いの鐘に続く、鐘シリーズ第二弾の予定です。
Heavensがかなりわちゃわちゃした作品だったので、
その反動で、ものすごく暗くて辛い物語になると思います。

天幕旅団♯9
「天幕版 ノートルダムの鐘」(仮)
2014/11/28(金)~12/1(月)
@SPACE雑遊


今後とも、どうぞ天幕旅団を宜しくお願いいたします。

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