情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「カフカ」の情熱

2009-02-09 10:46:00 | Weblog
古本屋にふらっと入ったら、たまたま目について購入してしまった「海辺のカフカ」。

発売当時、書店の店頭に並ぶやいなやすぐ買って、貪るように読んだ記憶が。
その後、何度も読み返したのだが、その度に、下巻が見つからず、物語が途中で終わっていて不完全燃焼になる事がしばしば。

んで、この際だから、と思い購入。
ハードカバーで下巻だけ買うより、文庫で上下巻セットを買った方が安かった。


んで、やっぱり貪るように読む。


好きな作家は?という質問があれば、迷わず「村上春樹」と答える。
僕が文章を書く上でも、頭のどこかで、村上春樹的でありたい、と常に思っている。

なので、あまり批判的ではありたくないのだけれど、でもやっぱり、物語の収束のさせ方が、うーん?と思う事が多い。

魅力的な登場人物や、わくわくするような世界観が展開していき、村上ワールドにどっぷりとはまっていくのだけど、その、広げた風呂敷の畳み方が、なんかいつも不完全燃焼な気がするのだ。

だから、村上春樹の長編小説は、いつも、上巻の最後が面白い。
で、下巻は、なんだか息切れしてしまうのだ。


だけど、それにも増して、文章がとても素敵だと思う。だから読んでしまうんだなあ。
特に、物語の冒頭部分。
それだけで、村上ワールドに引きずりこまれる。
「海辺のカフカ」もそうだったし、「スプートニクの恋人」なんかもゾクッとした。
「ねじまき鳥クロニクル」なんて一瞬で物語に巻き込まれて、すげーと思った。(その後、全三巻にわたる風呂敷の畳み方には納得がいかないのだけど。)


ちなみに、今度の夏にやる「Heavens」という芝居は、そんな村上ワールドにあこがれて書いた作品です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿