吉野孝・谷藤悦史・今村浩 編
『誰が政治家になるのか―候補者選びの国際比較』
(早稲田大学出版部)を読む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/9f/991368ee44fc132abeb3b39230d817d1.jpg)
前半は、日・英・独・伊・米における
政治家のリクルートメントを紹介。
後半は、女性政治家についての研究です。
どれも資料として価値のある内容です。
「むすび」の部分に書かれた提言が
とても示唆に富んでいるので紹介します。
1 政治家志望者は、何のために政治家を目指すのかを
自ら確認すべきである。
2 政治家志望者は、政治家としての目的を
実現するための方法を考えるべきである。
3 政治家志望者にとって、地方議会、
とくに市区町村議会から始めるのも一つの確実な道である。
4 政党は人材の育成・登用のシステムを確立し、
それを継続的に運用すべきである。
5 政党は、候補者育成のために
地方議会インターン制度を導入すべきである。
6 政党は、候補者選考のさいに女性を重視する
明確な規則・手続きを採用し、
それを積極的に実施すべきである。
7 一般サラリーマンが議員職を務めることができるように、
地方議会、とくに市区町村議会の
土曜および夜間の会議を拡充すべきである。
8 一般サラリーマンが立候補できるように、
地方議会議員選挙、とくに市区町村議会議員選挙に
在職立候補制度を導入すべきである。
9 大学および大学院は政策プログラムを拡充し、
議会インターンを単位として認定すべきである。
10 政治家志望者は、
新しい政治についての明確なメッセージを発信すべきである。
地方議員のあり方について議論がありますが、
サラリーマン(のような職業政治家ではない人々)が
少なくとも市区町村議員を務めることができるよう、
制度を整えるべきです。
その上で、議員定数や歳費の問題を議論すべきです。
サラリーマンが地方議員を兼業できるなら、
歳費は実費弁償でもいいでしょう。
そうなれば、より参加の窓口を広げるため、
議員定数を増やすことも必要です。
単純に定数削減や歳費削減を主張すればいい、
というものではありません。
「あるべき議会の姿」を示すことが、
議会改革に必要なことなのです。
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