先日、梅田の古本屋で購入した、
『アルベルト・フジモリ、テロと闘う』
(アルベルト・フジモリ 岸田秀 訳 中公新書ラクレ)
を読みました。
フジモリ大統領が就任した当時、
ペルーにはセンデロ・ルミノソとMRTAという、
二大テログループが存在していました。
従来、国軍や警察は無差別に弾圧を加え、
先住民をテロリストと間違えて虐殺しました。
不当な弾圧は、かえってテロリズムに
正当性を与えてしまう結果になったのです。
フジモリ大統領は、全く別の対策を実施します。
まず、貧困地域に資材と人員を投入、
道路や学校、上下水道などのインフラを整備しました。
そして、大統領が直接現地に赴き、
貧困・テロとの対決姿勢を明らかにしたのです。
もちろん、テロリストの犯罪行為には、
断固とした処置を取ります。
その結果、テロリストの最高幹部のほとんどが
刑務所に収監され、組織は壊滅しました。
アメリカの「テロとの戦い」路線により、
「テロ支援国家」はなくなるかもしれません。
しかし、本当の意味での「テロとの闘い」とは、
貧困・抑圧などの「構造的暴力」との闘いでは
ないでしょうか。
「積極的平和」とは、単に戦争のない状態ではなく、
「構造的暴力」のない状態を意味します。
毛沢東は、
「戦争とは血を流す政治であり、
政治とは血を流さない戦争である」と述べました。
「テロとの闘い」とは、テロリズムとの
「血を流さない戦争」なのかもしれません。
ついでに・・・
テレビで「太閤記」を見たのですが、
織田信長を村上弘明、足利義昭を京本政樹が演じていました。
「必殺仕事人」で共演していたシーンを思い出しました。
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