重村智計『北朝鮮「核」外交』(講談社現代新書)を読了。
北朝鮮に関して考える時は、重村さんの著書を参考にしています。
『北朝鮮データブック』
『最新・北朝鮮データブック』
『北朝鮮の外交戦略』(以上、講談社現代新書)
『外交敗北』(講談社)
などを一読すれば、北朝鮮問題の概略がつかめるはずです。
また、
木村幹 『朝鮮半島をどう見るか』
今村弘子『北朝鮮「虚構」の経済』(ともに集英社新書)
も、参考になります。
私が最初に読んだ「北朝鮮本」は、
スカラピーノ編 鹿島守之助訳 『今日の北朝鮮』(鹿島研究所出版会)です。
たしか、中学生か高校生のころだったでしょうか。
古本屋でカバーの取れたものを購入しました。
引越しの時に処分したので、現在は手元にありませんが、
私の北朝鮮観のベースになった文献です。
『今日の北朝鮮』所収の、北朝鮮の経済に関する論文の中で、
「経済に関する公式な統計の発表がない」という記述が気になりました。
『今日の北朝鮮』は1965年に出版されたものですが、
1960年代半ばの時点で、
北朝鮮の経済は実態を公表できない状態にあったことが推測できます。
当時の私は「ダメだ、こりゃ」と感じただけなのですけど。
私の中高生時代は1980年代ですから、
韓国は全斗煥、台湾は蒋経国が支配していた時代です。
韓国と台湾は経済成長を実現し、80年代末には民主化を進めました。
北朝鮮は経済成長も民主化も実現できないまま、現在に至っています。
金日成・朴正煕・蒋経国は、ほぼ同世代のアジアの独裁者ですが、
経済パフォーマンスで評価する限り、「勝負あり」というところでしょう。
民主化という点では、3人とも厳しい採点になりますが。
| Trackback ( 0 )
|