「パンジシールの獅子」こと、
アハマド・シャー・マスード(1952-2001)。
アフガニスタンに侵攻したソ連軍に対し、
故郷のパンジシール渓谷で戦いを挑み、何度も撃破する。
ソ連軍の撤退後、首都カブールを解放するも、
タリバンの攻勢によりパンジシール渓谷に撤退。
巧みな軍略でタリバンの攻撃を退ける。
写真家の長倉洋海さんの著書、
『マスード 愛しの大地アフガン』
『若き獅子 マスード』(河出書房新社)を読んで、
彼の魅力に引き込まれてしまいました。
静かな、意志の強さを感じる風貌。
遠くを見るような瞳。
ラテン系のゲバラとは異なる、
戦士の肖像を見る思いがしました。
2001年9月9日、自爆テロにより暗殺。
「国を解放したら、国民が信頼できる政治家に後は任せて、
大学で建築学を勉強しなおしたい」
自分の将来について、このように語ったマスード。
その願いが実現することはありません。
マスードが暗殺された当時、
私はある進学塾で社会科の講師をしていました。
授業の冒頭、小学6年生の生徒たちの前で、
マスードの写真を見せながら、
「先生の尊敬する人でした」と紹介しました。
この人の存在を子供たちに知ってもらいたい。
そんな思いからでした。
もしマスードが生きていたら…
今でも、ふと、そう思います。
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