上杉隆『官邸崩壊』(新潮社)を読む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/57/edc7f3e8466d2ec91e97f39a3f1799ec.jpg)
安倍内閣の誕生から崩壊までの迷走ぶりを
キャラを際立たせて描いたルポルタージュ。
小泉総理の退陣後、圧倒的な支持率で出発した安倍内閣。
信頼できるブレーンに支えられ、
身近な人物を側近として官邸に迎え入れたはずの
安倍内閣が、なぜ迷走していったのか。
主観的には安倍総理を支えているはずのスタッフが、
協調することもなく功名を争い、
厄介事は手遅れになるまで放置。
側近たちの右往左往ぶりを戯画的ともいえる
エピソードをちりばめて描いているので、
最後まで一気に読むことができます。
これとは対照的に、五年五カ月の長期政権を支えた
小泉首相の飯島勲秘書官と、
官僚から選ばれた「チーム小泉」を描いたのが、
大下英治『小泉純一郎の軍師 飯島勲』(祥伝社文庫)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c6/046032b699a2443b8b14eb5f472a25e6.jpg)
「チーム小泉」はベテラン秘書・飯島勲を中心に、
霞が関の官僚を巧みに使いこなして
「官邸主導」の体制を固めました。
「チーム安倍」は霞が関にそっぽを向かれ、
中心でまとめる人物もいないまま、
統制力を失ってしまいました。
民主党政権で「政治主導」の仕組みが構築されるはずですが、
官邸の実情がどうなっているのか、
ほとんど知ることができません。
今日、菅改造内閣が発足しますが、
閣僚と党役員人事だけではなく、
「チーム菅」としての体制を整備できるのか、
注目すべきです。
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