シラーの『オランダ独立史』(岩波文庫)を読んでいます。
「オランダ独立史」といっても、
スペインから新総督アルバ公が派遣されるところで終わっており、
独立戦争すら始まらないまま未完となっています。
現在のオランダ・ベルギー・ルクセンブルクにあたるネーデルラント地方は、
カトリックの国であるスペインの領土でした。
ネーデルラントは海沿いで商業の発展した富裕な地域。
カトリックに対して宗教改革を行ったプロテスタントが広まりました。
スペインは異端審問でプロテスタントを弾圧。
ネーデルラントでも強権的な支配が行われていました。
スペインによるネーデルラントへの圧政に反旗を翻したのが、
オランダの名門貴族エグモント伯ラモラル。
スペイン王の下で軍人として武功をあげた人物でもありました。
スペインは名将アルバ公を派遣して蜂起を鎮圧させ、
エグモント伯は反逆罪で処刑されてしまいました。
ゲーテは戯曲『エグモント』で、
オランダの自由を求めて処刑されたエグモント伯の悲劇を描いています。
その『エグモント』に曲をつけたのがベートーベン。
特に『序曲』は有名です。
Egmont Overture, L.v. Beethoven op.84.
シラーの『オランダ独立史』とゲーテの『エグモント』は
ウェブ上で日本語訳が公開されています。
こちらのサイトでご覧下さい。
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