のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

のしてんてん五次元龍展(画廊ぶらんしゅのこと)

2020-02-03 | 展覧会

ギャラリーから前庭を望む フロントのKさんと

不思議な写真ですが、スマホで撮ったそのままの画像です。現実はもっとクリアで不思議な瞬間です。

手前の椅子の背もたれとその向こうの窓ガラスを撮った写真ですが、窓ガラスを通して見える前庭と、ガラスの反射で見える室内の風景が、上下でグラデーションを起こして内外がいれかわって見えます。

足元はガラスを通して見える外の風景。

阪神淡路大震災で倒壊したオブジェを、そのまま残して震災を伝える作品に変えたそうです。その倒壊したオブジェをザクロの枯葉と落ちた実がおおっています。震災の思いが今もそのまま伝わってきます。その石畳の枯葉がいつの間にかギャラリー内部の床に変って、壁面に飾った私の作品につながっています。

庭にある外灯の白い球体が私と龍の間で輝き、左手には白壁に穿たれたバロック風の窓が小品展示ブースの内部を見せています。画面の中央から、ほのかに木立が浮かび上がっています。この木立は剪定せずに自由に育てたザクロの大木。今も実が枝に残ってその生態をそのまま見せています。割れて種を見せているものや、そのまま黒く朽ち果てている実もあります。私は自然に任せたこの考え方が好きで、まさに私の輪廻の絵を思わせるのです。

しかもこのザクロの樹が見事な山水画を描いているのです。こんな絵を描いている外灯どこで売っているのとよく聴かれるそうです。

これはザクロの下に設置された外灯の球面です。この外灯に灯りが入ると山水画に見えるのですが、調べてみると、これは自然に伸びたザクロの枝を雨が伝わり落ちて出来たザクロの成分の結晶だと分かりました。写真では黒い異物感がありますが、点灯した外灯を眺めると完全な水墨画に見えるのです。残念ながらその光景は私の写真では撮れませんが。

いずれにせよこれは私の絵とギャラリーの空間が、外の風景と重なる瞬間なのです。そのはざまに立っている私達は、何とも不思議な感覚に陥ります。この風景をフロントのKさんが教えてくれたのです。夕刻のゴールデンタイム。

画廊ぶらんしゅは、私の知る限り大阪で一番の、ギャラリーのためだけに建てられた建築物で、作品を受け入れるためにつくられているのが肌で伝わってきます。

たとえば、展示作品をじゃますることのないスペースに作家の待機する場所と応接が設けられており、そこは小品ブースにもなっています。レースのカーテンがしつらえられたバロック風の窓からは、座っていながら画廊入り口と芳名カウンターが、そしてフロントが見渡せる。使うものに対する心遣いが分かります。

そして何より、メインの展示室は絶妙なカーブを描いた広い入り口の奥にしつらえられていて、その入り口から展示室がパノラマのように望観出来るのです。そこには椅子が並べられていて、座るともっとも美しい風景が見えるように計算し尽くされているようです。

その極めつけは天上です。そこを見ればこの画廊がいかに作品のために最善の環境をつくろうとしているか、その意志が伝わってきます。常識的なフラットな天井ではない、曲面にくりぬかれた空間は、まるでそれ自身が宇宙空間であり、胎内空間をも思わせてくれるのです。その空間と作品が呼応したエネルギーで包まれると、まるでそこは作者を讃える天国のように思えるのです。これほどの画廊を私は見たことがありません。

照明設備も見事で、天井からは自然光を取り入れる窓が、整然と並んでいて言葉を失います。

これがその入り口を展示室から見た風景です。奥に見える大きなガラス窓が表題に使った写真の実体で、並べられた椅子が特等席という訳です。その右手に龍の小品を掛けた壁があって、その右がフロントになっていて画廊入り口につながります。

↑正面左側

↓正面右側 天井の整然と並んだ開口部には天窓から自然光が取り込める。写真右手に見えるブースが小品展示室兼応接空間

椅子に座って眺める風景、写真には撮りきれないのですが、肉眼では中央の壁面から左右の壁面まで見わたすことが出来ます。天井の空間が作品を活かしてくれているのが分かるでしょうか。これがないフラットな天井だったら作品がのびやかに動いてくれません。

実際にこの前に立っていると、展示空間と作品から拡がる空間が共調しあって胸に迫ってくるエネルギーを感じさせてくれます。これは体験しないと分かりません。まず作者が喜んでおります。

この巡り合いに感謝するばかりです。

 

やっと中日を終えました。後半二週間のためにのんびり回想しております。是非この空間を味わっていただきたいと思います。

共に語り合えたら、そう思いながら全日程を会場でお待ちしております。

 

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (桂蓮)
2020-02-07 01:28:53
その展示会に行けなかったことが悔いに残りますね。
もしも、私がその画廊に行けてたら、
何も計算せずに
何の打算も無く
何の合わせることもなく
媚びりもなく
社交辞令もなく
頭でっかちな解説もなく

ただ只管北籔さんと語り合えたかも知れませんね。
只の推測に過ぎませんが…

壮大なスケールですね。
迫ってくる迫力があります。


追伸
https://www.youtube.com/watch?v=FKIMgyOk7EQ
上記のビデオは北籔さんを思い出させるところがあって添付しておきます。
詳しいことは私のブログコメント返しで書いておきましたが、念のためここにも添付しておきますね。
返信する
おはようございます (のしてんてん)
2020-02-07 06:33:06
コメントありがとうございます。
会場への準備があり
後でゆっくりお返事を書かせて下さい。

腰を据えて、返信させてもらいますね。
とりあえず、お礼のみ失礼いたします。
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E=an² (桂蓮)
2020-02-11 23:15:28
核心をつかめたコメントをありがたく頂きました。

N=のしてんてんの心(N=Noshitenten)
A=のしてんてん龍や宇宙観(A=Art)
E=エネルギー(E=Energy)
だと仮定すると

E=an² が成立するかもです。

返信する
ありがとうございます (のしてんてん)
2020-02-14 07:35:24
n²は実に意味深いです^ね^

心とは光、その波動だとすると、心の背景にある光とは何だと考えられます。

つまり、のしてんてんとは、「自分自身」の心という意味ですから、のしてんてんの心の背景にある心とは「自分自身」の心を取り巻くすべての人の心という事になります。

すなわち心的エネルギーは、人々の心の中で関係を持つのしてんてんの心によって生まれているという結論になります。

お見事!!

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