のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

忍路 8

2009-08-14 | 小説 忍路(おしょろ)
小さな漁船が二艘、入江の口付近で停泊していた。暗い鏡のような海面の上に、その漁船は鉛色にうかびあがり、まるで絵を見るような心持になる。そこには心を激しく惹きつけるような不思議な物語が流れているように思われた。  二艘の漁船は互いに寄り添うようにして静まり、その情景が私の心のリズムとよく合って響きあう。私はしばらくそこから目を離すことが出来なかった。  あたかもすべてを許しあった恋人たちであっ . . . 本文を読む
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