のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

塩谷 12

2009-08-03 | 小説 忍路(おしょろ)
 塩谷の駅は時代に取り残されたように、ひっそりと立っていた。待合室には老人が腰をおろして、半分眠っているようだった。  時刻表を見ると、目論んでいた列車の到着は2時50分となっていた。駅の時計はすでに3時を回ろうとしていた。次の列車は1時間後だと分ると、私は列車を諦めて引き返し、国道に出ようと決心した。  それにしてもこののんびりしたダイヤを見る限り、伊藤整の時代の通学列車はもう走っていないのか . . . 本文を読む
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