のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

塩谷 11

2009-08-02 | 小説 忍路(おしょろ)
記念碑から少し雪の上を登って、先ほどタクシーで乗り付けた道路に出るとぬかるんだアスファルトの道を下って行った。  私はその時、「朝、私は薔薇の垣根をめぐらした家を出て、二十分ほどかかる丘を越え、通学列車に間に合うように駅に行く。」という伊藤整の一文を思い出した。私はこの道がその丘を越す二十分ばかりの道だと思い、その麓が塩谷駅だと考えた。  しかしふもとまで下りてみると、塩谷駅という先ほどタク . . . 本文を読む
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