本年は私にとって、精神の峠を越えて行く年となりました。
人生そのものを芸術と思い定め、絵画と思索と平凡をテーマとして我心の旅を発信してまいりましたが、皆様の御心のよきお供となりましたら幸いです。
一年を通じ、お付き合いいただきましてありがとうございました。
ここに改めてそのご厚情に感謝申し上げます。
来る新年もまた皆様にとってよき年でありますよう願っておりま . . . 本文を読む
今を生きる
あなたは浮かんでいる。
そんなふうに意識を変えると、世界を全く違った姿で想い描くことが出来る。認識が変わるのだ。
物質はすべて、例外なく浮かんでいるという認識は、今の科学が証明している。しかし私達の常識はいまだに全く逆の世界を思いえがいて生きていると言えるだろう。
ある飲み会でこんなことがあった。「あなたは浮かんでいる」そんな話を持ち出した私に同窓の気の置けない . . . 本文を読む
居場所・心の根の張る所
あなたは浮かんでいる。
それは私達の狭い既成概念を打ち壊す。
そしてその事実を証明するものは、寝転がったあなたの全身に感じる地面との接点にある。以下、仰臥位で瞑想するイメージを意識しながら書いてみよう。
自分の背中や腰に体重が圧迫感となって感じるだろう。それこそがあなたが浮かんでいることの紛れもない事実を伝えている。この体感は決して妄想や幻覚なんかで . . . 本文を読む
意識の転換(逆転の思考)
何度も紹介している私の幼い頃の体験談だが、屋根に寝転がって夜空を眺めていた時の話しだ。漆黒の空にひしめくように輝く星を見ていたら、急に空が奈落の底のように思えて、そこに落ちるのではないかと不安を覚えた。怖くて思わず身をよじったら背中に硬い瓦を感じて我に返る。その時私は虚空を下に見て屋根に張り付き、ぶら下がっている自分の姿をみたのだ。
今思えば、あの時私 . . . 本文を読む
井の中の蛙 大海を知らず
我々は浮かんでいる。生まれてこの方一度たりとも地上に足を付けたことは無い。
この事実は動かしがたいことだが、意識は長きにわたってその逆を信じ世界のイメージをつくり上げてきた。
それを批判するつもりはない。むしろそれが人間の順調な成長過程であったのだ。
子供の成長を見ていても分かることだが、人は自分の身近なところから世界を認識していく。母子の関係から . . . 本文を読む
意外なことだが、あなたは宙に浮かんでいる。
ばかげたことだが、私も宙に浮かんでいる。
科学者でそれを否定するものは、この時代には誰一人いないだろう。
それだけ明白なことだ。
問題は、この事実を受け入れる思考方法を持たない人間の精神が
地上に立っている己を肯定して、古い世界観を捨てきれないところにあるだろう。
古い世界観とは、地球という閉ざされた世界から見る風景であり、そ . . . 本文を読む
大地に抱かれたような。あたたかく優しい感覚に満たされることがある。このほのぼのとしたしあわせはどこから来るのだろう。
刈り取られた稲穂の束が、田んぼの片隅に積まれている。
近寄ってみるとワラの谷が黄金色をしている
身を寄せると、ワラの香りが太陽になる。
寝そべりたい。
この時、私は自分の心が最高のしあわせであることに気付く。
望みも、欲しいものも、不足の . . . 本文を読む
二十 エピローグ(博士の回想)
宴たけなわの頃、スケール号の隊員たちは、神ひと様の街を案内してもらうことになった。すっかり打ち解けた神ひと様の子供たちと隊員たちは、大はしゃぎで、案内の奥様について行った。
偶然、あの岸辺の足跡の謎が解き明かされた。
湖から続いていた足跡が、立ち止まったまま消えていたのだが、奥様に従って付いてきた隊員たちは、そこから奇妙な乗り物に乗せら . . . 本文を読む
一九、帰還
今回の旅で、スケール号を操る艦長の腕はずいぶん上達した。博士に言わせれば、ほとんど満点に近い出来だそうだ。
だから、もちろん一気に地球に戻ることも出来そうだったが、無理をしないで、少しずつスケールを戻して行くことに決めた。
もう一度世界をしっかり見ておきたいと言う思いがみん . . . 本文を読む