スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

晩秋のレティロ公園

2007年11月30日 | 季節の風景

11月も終わり。
色づいた木々の葉がはらはらと落ちて舗道をおおう。
そろそろ本格的に冬の到来だ。

レティロ公園は紅葉の真っ盛り。
とは言っても紅い葉は少ない。
緑から黄色、茶色へのグラデーションが美しい。



120ヘクタールもの広さを誇るレティロ公園は、日曜は野外コンサートがあったりして大勢の人々で賑わうが、ウィークデーはまるで静かだ。
都会の真ん中に、喧騒がまるで届かないような空間があるなんて、ぜいたくなことだが、あまりに人気が少ないので、ぼんやり歩いていると首絞め強盗やひったくりに遭う恐れがあり、なるべく行かないようにと通達があったりする。

でもこんなに広くてきれいで静かな公園を利用しないなんてもったいない。
大きな池もあって、デートにもってこいのボートもあるのだ。



老夫婦が手をつないでゆっくりゆっくり歩いていたり、赤ちゃんを連れたお母さんがカフェでつかのま静かな時間を楽しんでいたり、様々な犬がノーリードで自由に走り回っていたり、それぞれが思い思いの時を過ごしている。



元は王家の領地で余暇をすごすための宮殿があったとか。
後にマドリッド市に寄贈され、1868年に公園として市民に開放された。

プラドやティッセン、ソフィア王妃芸術センターなどの三大美術館にも近いし、芸術の鑑賞に疲れたらちょっと公園を散策というのもいいかも。
脚がすごーく疲れちゃいそうだけどね。



ワンコのゆず part 2

2007年11月26日 | ワンコとの生活

「とってもおてんばよ。」
我が家のワンコ、ゆずのブリーダーさんが言っていたが、その通りだった。
ほんとに女の子か、キミは!?とひっくり返して確認してしまったほどである。
子犬のくせに驚異的なジャンプ力でクッションをピョンピョン渡り歩き、いたずらをして「コラッ!!」と叱られると疾風のように逃げる。
やれやれ、これはちょっと大変かも。



室内で犬を飼うのは初めてで、まずはトイレのしつけから始めなければ。
スペインのほとんどのワンコは外でおしっこやウンコをするので、ペット用のトイレトレイやトイレシートはあまりポピュラーではない。
売っているのをめったに見かけないし、たまに見つけても、すごくお高い。
シートは60cm×60cmが1枚約100円もする。
でも嵐や吹雪の日も必ず散歩に出かけなければならないのも大変なので、家でトイレが済ませられる犬になってほしい。
お高いトレイとシートを買ってトイレトレーニング開始である。

ゆずがソワソワしてクンクンにおいを嗅ぎながらくるくる回り始めたらおしっこの気配。
すぐさまトイレシートの上に連れて行く。
うまくできたらたっぷりほめる。
おやつをあげたりする。
「大げさなくらいほめてあげること」とものの本に書いてあったので、それはもう気が変になったのかとお隣さんがいぶかるのではないかと思うほどベタほめをしている。
逆に失敗した時はしばらくケージの中で反省タイム。
これを根気よく繰り返すことによって成功のパーセンテージが上がってくるのだ。



トイ・プードルは犬の中では比較的賢いと言われている。
ゆずも1週間ほどで、粗相の回数が減ってきた。
それどころか成功報酬のおやつをねらってか、やたら頻繁にトイレに行き、1~2滴しかでていないのに得意そうにチラッとこちらを見る。
結構したたかである。
でもそうなってくると、「いつどこで粗相をされるかわからない」という緊張から少し解放される。

朝の家事をかたづけている間、ゆずは私の後をちょこちょこくっついてきたり、自由にあちこち歩き回ったりしている。
じいっと監視しているわけにもいかないので注意をしつつ自分の仕事をする。



夕方子供たちが学校から帰ってきて、息子の部屋の座布団の上でゆずのものと思われる(あたりまえ?)ウンコ1本発見。
気づかなかった!
即座に処理。
すると娘が、
「ママ~。私の部屋にウンコがある・・・。」
・・・もちろんゆずのである。
ゆずから完全に目を離したのは朝の家事タイムだけだったから、あのわずかな隙に息子の部屋で1本、娘の部屋で1本、何を思ってか場所を移動してスッキリしていたのだ。
腹が立つよりその姿を想像するとおかしくてしばらく笑いが止まらなかった。

まだまだ続く忍耐の日々である。





ワンコのゆず

2007年11月14日 | ワンコとの生活

いろいろ考え迷ったが、ついにワンコを飼い始めた。

スペインに赴任が決まった時、日本を離れることを嫌がる子供たちを説得するのに「一緒に行くなら犬を飼ってあげるから」と、犬をエサにして釣った父と母。
約束した以上は守らねばならぬ。
着いた翌日から犬さがしが始まった。

スペインのペットショップは、日本のようにガラス張りになったショーケースに数種類の犬や猫を陳列して売るというタイプのものではない。
実際ショップに行っても1匹か2匹ヨークシャーテリアあたりがいたりするくらいで、あとはエサや首輪などが売られているだけである。
動物を小さな箱に閉じ込めてさらしものにし強いストレスを与えるのは、動物愛護の点からもよろしくないということなのだろうか。
あちこちのショップを回ってみたがどこもそんなふうだった。
欲しいペットのタイプがあれば、店に伝えて取り寄せてもらうこともできるらしいが、息子の飼いたがっていたミニチュアダックスフントは日本であれほど人気なのにもかかわらず、どういうわけだかあまりスペインの市場に出ていなかった。
子供たちはがっかり。
他のワンコも考えてみたが、でもこの先十何年も一緒に過ごすペットなのだから妥協はしたくないと息子は主張。
そしてビックリするほどあっさりと「スペインではあきらめる。」ということになった。

拍子抜けしたのは私である。
子供たちの「ワンコ計画」に乗せられているうちになんだか知らず知らず私こそがワンコを飼うことを楽しみにしてしまっていたようだ。
子供たちには「イヤだイヤだぁー!絶対ワンコ飼いたいの~!!」とダダをこねてほしかった。
「しょうがないわね~。」とか言いながら「約束だったもんね。」ってことでなんとしてでも納得のできるワンコを探す努力をする。
そんな図式が頭にあったのに。



それから1年が経った。
あきらめの悪い私は密かにインターネットでスペインのブリーダーを探していた。
ダックスがいないのなら何か他のかわいくて初めてでも飼いやすいワンコはいないか、情報を集め勉強した。
そしてやっぱり日本で人気のトイ・プードルはどうかと考え始めた。
ブリーダーさんと連絡をとり、希望のワンコを決めてそれとなく夫や子供たちの反応をうかがう。
娘は大賛成。
息子も妥協はしたくないと言ったものの、やっぱりとりあえずワンコが飼えるならまあいいか、と思ったらしい。
そして約束を守れずにいることをすまなく思っている夫も納得した。



かくして10月末のある日、生後2ヶ月半のトイ・プードルの女の子が我が家にやってきた。
名前を「ゆず」とつけた。


つづく




移動遊園の夜

2007年11月06日 | マドリッドの過ごし方

その移動遊園地は突然現れた。
マドリッド市内の北部、ちょうど日本人が多く住むエリアのショッピングモール横に、何か工事をしてるな、と思ったらあっという間に観覧車やら小さなコースターやらがしつらえられた。
簡素なものだが、なんだか楽しげだ。

日本ではあまり移動遊園というものになじみがなかったような気がする。
遊園地は遊園地。
元々ある立派な施設に行って楽しんで帰ってくるのが普通だった。
だからまるで魔法のように突然できた遊園地が不思議で、たとえ規模は小さくて子供だましのようであっても、それは夢の世界のように思えた。
しかも夜しかやってないという。
ますますミステリアスでいい感じ。

休日の前の夜、子供たちも学校の友だち何人かと約束してウキウキ繰り出した。



しかしメンテナンスはちゃんとしてあるのだろうか。
このところ遊園施設での事故が多いし、スペイン人の気質から考えるに、あまりきちんと整備をしてくれているとは思えない。
それにスペインの遊具は結構過激だ。
観覧車なんかすごいスピードでグルングルン何周も回っちゃう。
これでもか!これでもか!ってな感じでスリル満点だ。
できればウチの子たちには乗ってほしくない。

でも子供たちはもちろん乗る。
母は生きた心地がしない。



スペインらしくて面白かったのは、あばれ牛にまたがって落ちないようにしがみつくというモノ。
なんだか勢いのいい音楽と掛け声が流れる間、牛はゆっさゆっさ揺れ続けるので、子供たちは次から次へところげ落ち、再び上ろうとするが思うようにいかずコロンコロンと床を転がり続ける。
本人たちも楽しいだろうが見ている方もかなりおかしくてウケる。

射的やくじ引きなど、景品目当てのゲームも人気だった。
普段あまり自由に出歩くことがない子供たち、この夜ばかりは疲れを知らず夜中まで遊び歩いた。

10日間ほどの夢の夜が終わり、移動遊園地はまたあとかたもなく消え去ってしまった。
その儚さがまたなんとなくあとをひく思い出となった。






おじさんの熱々チューロ

2007年11月02日 | おいしいコト

すごーーーくおいしいチューロに出会った。
旅行で訪れた町で、朝ごはんを食べに入ったカフェが偶然チュレリア(churrería チューロ屋さん)だったのだ。

そのカフェの奥にはガラス張りの部屋があって、中にチューロ揚げマシンがスタンバっている。
マシンといっても、結局はドロドロのチューロ生地の入ったカンを手動でムニィィィ~と上から押して、熱した油のなかに細長~く落とすというそれだけのマシンなのだけれど。

カフェは地元民で結構な混雑で、カウンターの中におじさんがたった一人で汗をかきかきカフェを淹れ、テーブルに運び、お勘定をし・・・と随分忙しそう。
その合間にチューロ部屋に行って生地をムニィィィ~、戻って働き、頃合を見計らってまたチューロ部屋へ。
キツネ色に揚がったチューロを油からすくって砂糖をまぶし、チャチャッと皿に盛って出す。
おじさん、お疲れさんです。



私たちも一皿もらってみる。
揚げたてをアツアツで食べる。
うそ~~、ウマすぎる~~~!
生地の塩加減が絶妙で、まぶした砂糖といい感じで合って、いくらでもいけちゃう。
チューロってこんなにおいしかったんだ。
家でも作れないものか、今度研究してみよう。



ところで、チューロってあのギザギザがポイントなのだそうだ。
星型の口金でしぼるのが。
あれがないからといって丸型でやったりすると、揚げてるときに爆発しちゃうらしい。
なんでだかわかんないけど、すごい神秘的。
恐~いけど、でもあのウマさをもう一度・・・!




地図にない町

2007年11月01日 | おすすめ~な観光名所

小さな小さな田舎町が好きだ。
静かでのどかで素朴で温かい。
そしておいしいものがありそうだし。

ウルエーニャ(Urueña)という町にぜひ行ってみなさいよ、と知り合いのスペイン人セニョーラにすすめられた。
週末の1泊旅行でバジャドリッド(Valladolid)に行くことになり、それならウルエーニャも近いわよ、と言うのだ。

どのあたりなのか地図で探してみたが、縮尺百万分の1のミシュランの地図では見つけられなかった。
インターネットの地図上ででようやく見つけたその小さな町は、なんだかなにもないところにポツンと存在しているようだった。

幸いカーナビはその町を知っていた。
彼女(ナビは女なのだ)の言うとおり、どんどん平原を進む。
着いたところは小高い丘の城壁の中だった。



城壁に上ってみると、360度視界を遮るものなく地平線がぐるーーっと見渡せる。
なんというすばらしい景色!
周りには畑らしき平らな四角がつながり合ってパッチワークのようだ。
空はどこまでも蒼くしーんとしている。
城壁はスペインのいたるところにあるが、どこの城壁もやっぱり登るのは楽しい。

ちょうどランチタイムだ。
いいにおいにつられてよさそうなレストランを見つけたが、予約がなくて断られてしまった。
近隣の町から休日のランチをしに来る人々で満員なのだ。
その村には5~6軒しかレストランはなく、予約なしで入れるレストランとなると選択の余地はなかった。
バルに毛が生えた程度の、あまり見た目イケてないレストランに落ち着く。

このあたりの名物はコルデロ・レチャル(cordero lechal 赤ちゃんの羊)の焼いたのだそうだ。
まだ母さんのミルクだけで育っている赤ちゃんを食べるなんてかわいそう・・・だけどもちろん食べる。
香ばしくてプリっとして旨い!



そのレストランはボロいが味はなかなかイケていた。
それにマドリッドで食べるより3割くらい安い気がする。

ここを訪れた日本人は過去にどのくらいいたのだろうか。
ガイドブックにも載っていないし、結構な大きさの地図にも載っていない。
なんだか自分がこの町を発見したような気分になって、ちょっとうれしかった。