スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

「まだ、大丈夫」

2006年11月30日 | 子供たちのスペイン

子供たちとマドリッド市内で地下鉄に乗った。
土曜日の割には車内は結構混んでおり席に座れなかったので、近くのバーにつかまった。

もうすぐ12月。
晩秋から初冬への移り変わりで、だんだん寒~い日が増えてきた。
この日も外は随分冷え込んでピューピュー風が吹いている。何気なくバーにしがみついた自分の手を見ると、冷えと乾燥でまるで枯れ木のようにシワシワ。
思わず、
「いや~ん、ママの手、こんなにシワシワ!」
私の嘆き方があまりにマジだったのか、娘があわてて私の顔をのぞきこんで言った。
「でもママ、お顔はまだ大丈夫。」

こう言ってはなんだが、娘はあまりお勉強が得意な方ではない。
娘の今まで9年の人生のうち、約3年半は日本で過ごしたけれど、残りは海外。
日本語力に関しては特に心配するところであった。
それもこれも、日々の忙しさにかまけて大切な時期に満足に相手をしてやらなかった私がいけなかったのだと反省しつつも、実際は依然としてなにもしてやれずにただ時間を過ごすばかりだった。

けれど、ママは今日ビックリしましたよ。
ちゃんと微妙な日本語が使えるではないの。
「でもママ、お顔は十分キレイよ。」
では決してなく、
「お顔は『まだ』『ダイジョーブ』。」

母を慰めはしたいが見え透いたウソはどうしてもつけない娘のとっさの葛藤と、一生懸命かつ哀しいほど正直な言葉選びに、なんだか笑ってしまったのだった。

いつまで大丈夫かわからないけど、ママがんばる。



乾杯いたしましょう。

2006年11月25日 | おいしいコト

スペインにはおいしいワインがたくさんある。
それに安い。
スーパーにはワインのスペースがたっぷりとってあり、銘柄も値段もさまざまな中から(1ユーロくらいから!)選ぶことができる。
一番多いのは5~6ユーロだろうか。
もちろんそのくらい出せば結構イケるものが買える。
安いわりにあまり当たりはずれがなく楽しめるのがスペインワインのよいところだそうだ。

ワインはスペイン語でビノ(vino)という。
赤ワインがビノ・ティント(vino tinto)で、白ワインがビノ・ブランコ(vino blanco)である。

レストランやバルでは昼間からあちこちでワイングラスが乾杯の音をたてる。
午後の仕事が残っていようが車の運転をひかえていようが、ちょっとくらいならおかまいなしだ(最近は飲酒運転の取り締まりがきびしくなってきたようだけど)。
子供でも水で薄めたワインを飲むと聞いたことがあるが、本当かどうかは定かではない。
でもそのくらいスペイン人の食事にワインは必要不可欠なもののようだ。
たぶんアルコールに強いのだろう。
あまりベロンベロンに酔っている人を見たことがない。


今、気に入っているのがマルケス・デ・リスカル(Marqués De Riscal)というリオハの赤ワインで、日本でも売っている。
これが好き。

ワインだけでなくビールもすごく安くて、我が家でよく買っている銘柄のビールは350mlの缶24本パックで8ユーロだから、1本50円の計算になる。
なんてうれしい国なんでしょうか。
サルー(salud 乾杯)!






涙の文化祭~

2006年11月21日 | 子供たちのスペイン

我が家の子供たちはマドリッド日本人学校に通っている。
先日秋の一大イベント、文化祭が行われた。

文化祭のメインは子供たちによる劇だった。
小学部低学年、高学年、中学部に分かれてそれぞれ日本語劇や英語劇、スペイン語劇を見せてくれた。

マドリッド日本人学校は現在小学校1年生から中学校3年生までで合わせて32人の小さな学校である。
なので何をするにも1人1人にかかる負荷が大きくなる。
文化祭に向けて子供たちがあまりに真剣に取り組んでいるので、親もせめて衣装の準備などで協力せねばとはりきる。
今回息子が「レイコ様」という不思議な役をすることになり、女装をするというので金髪のカツラを用意した。
毎晩不気味なオネエ言葉のセリフが部屋からもれ聞こえてきてご近所にかなり恥ずかしい。


果たして文化祭当日。
娘は日本語劇の「どんぐり」役と、スペイン語版白雪姫の「小人その1」役で普通にかわいらしくがんばった。
そして中学部の日本語劇「絆」が始まった。
息子の出番は後の方だと言う。
劇が進むにつれ、冷や汗がタラタラ出てきた。
金髪の「レイコ様」のお話は当然喜劇だと思って深くストーリーをたずねもしなかったが、目の前で繰り広げられている劇はなんと、深~い友情をテーマにしたNHK中学生日記風の超大真面目なストーリーではありませんか。
しかもさすが中学部ともなると演技がうまい!みんなホントにそのままテレビに出てもよいくらいに自然な演技なのだ。
全校生徒、そのご両親、おじいちゃまおばあちゃままでし~んとなって見入っていらっしゃる。
まずい。この雰囲気に「レイコ様」の登場はあまりに衝撃的過ぎる!

「私はあやしい者じゃないわ。」
と登場してしまった息子はかなりあやしく、会場のどよめきを浴びた。
私は身のちぢむ思いだった。

それでも、もともとの脚本がよいせいか、キワモノにも見慣れたせいか、会場全体が次第に物語りに引き込まれてゆき、とうとう感動のフィナーレを迎える。
写真を撮るのも忘れて見入ってしまった。
息子がはじめからすごくやりたがっただけあって、その「レイコ様」が物語の鍵をにぎる重要な役割りだったのだ。
あんなに不気味でよかったのかどうか、親として皆さんに申し訳ないような気がしたが、幕は無事下りた。

あとで聞くと、下りた幕の向こう側で7人の中学部の仲間が、事を成し遂げた達成感に酔い、抱き合って涙したらしい。
皆様には「あのキャラは貴重だ」とかよくわからない賛辞(?)をいただいた。
しかしみんな本当に上手だった。

子供たちが自分たちで考え、一つ一つ作り上げていった作品。
息子の強い個性を認めて、受け入れてくれた仲間たち。
そして、全部を許容してくださった懐の深~い先生方、ありがとうございました。


日本人はやっぱりご飯!

2006年11月08日 | おいしいコト

お米は「ディア(Dia)」で買っている。
「Dia」は小型のディスカウントスーパーチェーンで、店構えや暗さがなんとなく「木田屋」とか「河内屋」っぽい(わからない人ごめんなさい)。

スペインの米の産地で一番に思い浮かべるのはやはりバレンシアだろう。
米はスペイン語でアロス(arroz)と言う。
米を使ったスペイン料理ではなんといってもパエリャやアロス・ネグロ(arroz negro イカ墨パエリャ)が有名だが、アロス・コン・レチェ(arroz con leche)というデザートもある(ご飯を牛乳と砂糖で甘~~く煮て冷たくして食べるのだが、日本人には、これだけは許せない、という人が多い)。

細長いお米、丸いお米。それぞれがいろんなブランドのパッケージで売られていて、だいたい1kg1ユーロもしないで買えてしまう。
Diaプランドのお米は見た目が日本米に近くて気に入っているのだが、値段も相当気に入っている。
1kg0.5ユーロ。
1ユーロ150円として計算しても、1kg75円だ。
10kgでも750円。

味は日本米に遠く及ばないが、炊き方で随分カバーできる。
我が家では圧力鍋を使う。
初めのうちは大失敗の悲惨なご飯ができたりしたが、最近では結構うまく炊けるようになり、日本で炊飯器で炊いていた頃のご飯よりなんだかおいしいような気がしてきた。



しかしうちの息子は恥ずかしいほどよく食べる。
中1でいわゆる「食べ盛り」だが、実のところ幼稚園児の頃から大人顔負けの食欲を誇っていた。
彼にかかる食費は相当なものだが、思いがけず超お安い米のおかげで随分な節約ができることになった。
毎日どっさりご飯を炊いて、ワシワシ食べてもらう。
スペインにいるうちに日本人の魂、白いご飯を心ゆくまでというか腹いっぱい食べて、「食べ盛り」を終えてほしい。



買い出しは大変!

2006年11月03日 | 毎日がんばってま~す!

金曜日。朝から雨だった。
こんな日は食料の買い出しに行こう、と思い立って出かけた。
家のすぐ近くに郊外型大型スーパーチェーンの「カルフール」がある。
地下の駐車場から地下の駐車場へ。雨でも濡れずに買い物ができるし。
以前雨の日のカルフールが異常に空いていたことがあり、今日もそれを期待した。

スペインの大型スーパーでの買い出しはとっても疲れる。
カートが大きすぎるし、店も広すぎる。
それにレジのシステムが違う。

順番が来たらレジのベルトコンベアにカートの中のものを全部のせる。
カートはちょっとした浴槽くらいの大きさと深さがあるので、中身を取り出すのは結構大変だ。
小柄な私は落っこちそうになりながら苦労して買ったものを台に一つずつ並べる。
店員はコンベアを操作して商品を次々に手に取り、バーコードで値段を読み取り、「ピッ」と会計が済んだら投げるように次の台に商品をすべらせる。
「ピッ」、ポイ。「ピッ」、ポイ。

客はカート内のものを出し終えたら休む間もなくダダッと先回りし、商品を待ち構えて、その場でどんどんレジ袋の中に入れてゆく。
このレジ袋、束になっているのを一枚一枚はがして、それをまた広げなければならず、指なんか乾いちゃっていてすごくイライラする。
「ピッ」、ポイ。の速さに到底追いつかず、あたふたしていると
「カルフールのカード持ってる?持ってない?んじゃ○○ユーロ」
とたたみかけるように値段を告げられる。
(待って~、まだ袋に入れ終えてないの~エ~ン)
お金を渡してお釣りを待つ間に神のごとき早業で残りの商品を袋につっこむ!
....ハァ、ハァ、ハァ。
忙しい。
日本のように、とりあえず会計だけ済ませて別の場所でゆっくり商品を袋につめることができればもっとリラックスできるし回転がいいのに、と思う。

スペイン人はもう誰が待っていようがお構いなしに悠々とマイペースで袋詰めをする。
ひとりひとりがそうなので当然レジでの待ち時間は長くなる。
けれど日本人はやっぱり後ろに長蛇の列ができていれば少しでも早く、とあせるのがフツーだ。
それでドッと疲れるのだわ~。

この日は完全に読みがはずれてものすごい混雑だった。
レジで30分も並んで待った。
しかしこちらの人たちの買い出しはすごい。
ハンパじゃない。
いったい何人家族?何日分のごはん?どんなに大きな冷蔵庫?
スペイン人が、食に対してかなりエネルギッシュだと言われる所以である。






ローラースルー・ゴーゴーで行こう!

2006年11月01日 | 季節の風景

ここM市は適度な田舎で自然が豊かなのでお散歩にはとても気持ちがいい。

今日11月1日はスペインの祝日「諸聖人の日」で子供たちも学校がお休み。
キリスト教のすべての聖人と殉教者を想う日で、死者を偲び、花を持ってお墓参りをするのだそう。
日本でいうお彼岸のようなもの?と勝手に解釈する。

スペイン人のお墓参りはなかなかに熱いらしい。
花を供えたあと、かわりばんこに墓石に抱きついてキスをしたり頬ずりをしたり、まるでその人がそこにいるかのように延々話しかけたり、かなり情熱的なのだそうだ。
そんなシーンが墓地のあちこちで繰り広げられるのはちょっと興味深い。



よい天気だったので娘と散歩に出た。
娘は最近、キックボードのようなものにハンドルがついていて片足を乗っけてもう片方の足で地面を蹴って進む乗り物にハマっている。
それの正しい名前は知らないが、昔流行った「ローラースルー・ゴーゴー」に似ているので我が家ではその名で通っている。
その「ゴーゴー」でびゅんびゅん進む。イェイ!
私はゆっくり歩く。



色づいたプラタナスの葉が歩道にボタボタ落ちている。
デカイ。娘の顔がすっかりかくれてしまう。
松ぼっくりも日本で見るものよりかなりデカイ。
日本ではこんなふうにのんびり娘と散歩をすることがなぜかあまりなかったような気がする。
家事がほったらかしなのがちょっと気になるけど、いいか。

小一時間歩き、家から4kmほどのところにある公園で娘はひとしきり「ローラースルー・ゴーゴー」を楽しんだ。
そのあとまた小一時間、娘は「ゴーゴー」私は徒歩で家に帰った。

奇しくも(?)死者を偲ぶ祝日の今日、娘の飼っていた金魚が2匹とも天国へ行ってしまった。
彼女は涙をポロンポロンと流しながら、家の前の松林にあっちゃんとしーちゃん(金魚の名前)を埋葬した。
合掌。