闘牛に関しては私の中で観るかやめておくかの葛藤が随分あった。
スペインの中でも最近では残酷で野蛮な文化だと批判の方が優勢であるように感じる。
なかなか踏ん切りがつかず一度も観ないままずるずるとここまで来たが、私たちの住む町の秋祭りのイベントで毎年闘牛が行われており、今年は有名どころの闘牛士たちが来るというので、思い切って出かけてみた。
普段は駐車場になっている広場に仮設の闘牛場が設置される。
全自由席。
さすがに地元の人たちはどの場所が観やすいのかよくわかっていて、よい場所から席が埋まっていく。
まだ陽は高く、席によっては暑いしまぶしいしで最悪だ。
娘と私はできるだけ陽のあたらない席に座る。
マドリッド市内のベンタス闘牛場と比べてかなり小ぢんまりしたアレーナ(arena 闘牛を行う砂場)なので、牛や闘牛士の様子がよく見える。
午後6時きっかりにファンファーレが鳴り響き、闘牛士たちが姿を現した。
おなじみのあのキラキラ衣装!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/aa/403ec6d1ff32375d7cc912170f234ca4.jpg)
闘牛士と一口に言っても、闘牛に関わるのは、助手(subalterno)、槍方(picador)、そして闘牛士(torero)とランクがあり、それぞれ役割が決められている。
1回の興行では3人の闘牛士が各2頭、計6頭の牛と闘う。
それらを助手や槍方がサポートするのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/d9/2fedebffaa07c90519bfeee9eecb2271.jpg)
1頭目の牛が放たれた。
かなりな興奮状態で丸いアレーナを走り回っている。
まず助手が数人、派手なピンク色のカポテ(capote ケープ)をひらひらとひるがえし、牛を挑発する。
牛は猛り狂ってあっちへこっちへと走り回りフェンスに突進する。
助手は挑発するだけしておいて牛が突進してくるとさっさとフェンスの隙間に入り込んで逃げる。
次に馬に乗った槍方が登場する。
どうやってうまく誘導をするんだか、牛はここで必ず槍方の乗った馬の横腹に体当たりをする。
馬はたまったもんじゃないが、プロテクターをしているのでどうにか耐えて、そのすきに槍方が手にした槍を牛の肩骨の隆起部にブスッと突き刺す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/39/f760c921806766d606ca7cc25f837d66.jpg)
この突き刺し加減が重要で、ここで牛を弱らせすぎてもダメだし、逆に突きが甘すぎて牛が力を残しすぎても次に登場する闘牛士が困る。
地味なパフォーマンスだが結構難しい任務を背負っているのだ。
そして3人の助手がそれぞれ2本の銛を持ち、順番に牛の正面に立って背中に銛を突き立ててゆく。
黒い牛の背から紅い血が流れ出る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/a7/cc01b56d7df9fd48ebf45c8ad9948af5.jpg)
涙が出る。
牛をまともに見ることができない。
やっぱり来るんじゃなかったと後悔した。
わけがわからずいきなりアレーナに追いやられて、あたふたと走り回るうちにグサグサと銛で刺される牛を想うと胸が痛くなり目を背けてしまう。
そんなことはお構いなしに淡々と儀式は進む。
いよいよ闘牛士の登場だ。
つづく。
スペインの中でも最近では残酷で野蛮な文化だと批判の方が優勢であるように感じる。
なかなか踏ん切りがつかず一度も観ないままずるずるとここまで来たが、私たちの住む町の秋祭りのイベントで毎年闘牛が行われており、今年は有名どころの闘牛士たちが来るというので、思い切って出かけてみた。
普段は駐車場になっている広場に仮設の闘牛場が設置される。
全自由席。
さすがに地元の人たちはどの場所が観やすいのかよくわかっていて、よい場所から席が埋まっていく。
まだ陽は高く、席によっては暑いしまぶしいしで最悪だ。
娘と私はできるだけ陽のあたらない席に座る。
マドリッド市内のベンタス闘牛場と比べてかなり小ぢんまりしたアレーナ(arena 闘牛を行う砂場)なので、牛や闘牛士の様子がよく見える。
午後6時きっかりにファンファーレが鳴り響き、闘牛士たちが姿を現した。
おなじみのあのキラキラ衣装!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/aa/403ec6d1ff32375d7cc912170f234ca4.jpg)
闘牛士と一口に言っても、闘牛に関わるのは、助手(subalterno)、槍方(picador)、そして闘牛士(torero)とランクがあり、それぞれ役割が決められている。
1回の興行では3人の闘牛士が各2頭、計6頭の牛と闘う。
それらを助手や槍方がサポートするのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/d9/2fedebffaa07c90519bfeee9eecb2271.jpg)
1頭目の牛が放たれた。
かなりな興奮状態で丸いアレーナを走り回っている。
まず助手が数人、派手なピンク色のカポテ(capote ケープ)をひらひらとひるがえし、牛を挑発する。
牛は猛り狂ってあっちへこっちへと走り回りフェンスに突進する。
助手は挑発するだけしておいて牛が突進してくるとさっさとフェンスの隙間に入り込んで逃げる。
次に馬に乗った槍方が登場する。
どうやってうまく誘導をするんだか、牛はここで必ず槍方の乗った馬の横腹に体当たりをする。
馬はたまったもんじゃないが、プロテクターをしているのでどうにか耐えて、そのすきに槍方が手にした槍を牛の肩骨の隆起部にブスッと突き刺す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/39/f760c921806766d606ca7cc25f837d66.jpg)
この突き刺し加減が重要で、ここで牛を弱らせすぎてもダメだし、逆に突きが甘すぎて牛が力を残しすぎても次に登場する闘牛士が困る。
地味なパフォーマンスだが結構難しい任務を背負っているのだ。
そして3人の助手がそれぞれ2本の銛を持ち、順番に牛の正面に立って背中に銛を突き立ててゆく。
黒い牛の背から紅い血が流れ出る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/a7/cc01b56d7df9fd48ebf45c8ad9948af5.jpg)
涙が出る。
牛をまともに見ることができない。
やっぱり来るんじゃなかったと後悔した。
わけがわからずいきなりアレーナに追いやられて、あたふたと走り回るうちにグサグサと銛で刺される牛を想うと胸が痛くなり目を背けてしまう。
そんなことはお構いなしに淡々と儀式は進む。
いよいよ闘牛士の登場だ。
つづく。