スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

本来のカラダ・・・?

2008年04月25日 | ワンコとの生活

我が家のワンコ、ゆずのお風呂は2週間に1度である。
ちょっとバッチイ気もするが、あまり洗いすぎても皮膚にダメージを与えるのでよくないと聞くし、体臭の少ない犬種でもあるので2週間に1度で十分らしいのだ。

大抵は週末にしているが、ここのところ週末にゆずの調子が悪かったり、すごい雨降りで気分が落ちたりして(飼い主の)、結構お風呂の間隔が空いてしまった。
う~~~、臭い、臭い。
かなり臭い。
抱っこしたくないくらい臭くなってしまったのでとうとう風呂場行きとなった。



お風呂はあまりお好きではないようだ。
神妙な顔である。
シャワーでお湯を体にかけ始めると「ク~~ン、ク~~ン」と切なげな声をあげながら浴槽から逃げようともがくもがく。

しかし毎回笑えるのがゆずの本体。
本来のカラダ。



ふわふわでモコモコでポチャポチャなゆずが↑こんな。
まるで別犬。
気味が悪いほど痩せててなんだか情ない。
彼女はほとんど毛で成り立っているのだ。
なんだか「お化粧を落としたら別人!?」みたいで初回のシャンプー時の私たちのショックと言ったら。
回を重ねてもまだいつも軽くビックリする。

でもシャンプーのあとタオルでゴシゴシしてドライヤーでブゥォ~~ン、と乾かしたら元どおり!



シャンプーはほんのりピーチの香り。
これでしばらくはほおずりしても大丈夫。
すりすり~~~。


迷子もまた楽し(part 2)

2008年04月17日 | 子供たちのスペイン

前回の続き。

いやはや、大変な騒ぎになってしまった息子とその友人Aちゃんのマドリッド迷子騒動である。
しかし中学3年生にもなろうという少年たちが自分の家に帰って来るのにいったい何を大騒ぎすることがあろうかと、普通ならそう思われるところであろうが、ここでの生活事情を酌んでいただきたい。
結構な事件なのだ、これは。

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学校の先生にも相談し、やはり警察に捜索願いを出すべきかも、ということになった。
とはいうものの、そのためにはどこへ行ってどうすればよいのかさっぱりわからない。
夕方の5時半を過ぎていた。
いくらのんびり屋の私でも、さすがに考えが悪い方へ悪い方へと転がっていくのを止められない。
事故!?誘拐!?殺人~~!?

大使館に相談しようと電話を取り上げた手がブルブル震えていたのに自分でも驚いた。
その時・・・!
ピンポーーン。
・・・帰ってきた!!
インターホンに映る2人の顔。
へなへなと床に座り込む母。
よかった~~~。
誘拐じゃなかった・・・。



生還した2人の長い冒険物語は以下のとおりである。

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電車がアトーチャ駅にさしかかった時、なんとなく様子がヌエボス・ミニステリオス駅に似ている気がしたので不安になり、隣にいたおばちゃんに「ここはヌエボス・ミニステリオス駅ですか?」と聞いてみた。
おばちゃんは何を思ったか(たぶんこの電車はヌエボス・ミニステリオスに行きますか?という質問だと思ったのだろう)、「Sí.(ええ)」と答えた。
そりゃ大変、あわてて席を立ち電車から飛び降りた。

(ちょうどこの時母は隣の車両から僕たちが席を立つのを目撃して「こっちへおいで」と合図をしたとあとで言っていたが、僕たちには母の姿など見えてはいなかった。)《★すれ違いポイント1》

ホームに降りたが母と妹の姿はない。
よくよく見ればそこはアトーチャ駅。
あちゃー、やっちまった。
迷子の鉄則は現場を動かないことだとわかってはいたが、母は僕たちがアトーチャで降りてしまったことをまだ知らないに違いない。
ということはここで待っていても無駄だということだ。
ヌエボス・ミニステリオスに向かおう、と次に入ってきた電車に乗った。



電車が次のレコレトス駅にゆるゆると入っていった時だ。
「あっ!!」
窓から母と妹が反対側のホームに立っているのが見えた!
「よかった。会えたよーー。」
僕たちはホッとしてルンルンと電車を降りた。
そこへガーーーッと反対ホームに電車が。
「あっ・・・・。」
その電車が去った時、ホームに立っていたはずの母と妹の姿はそこになかった・・・。《★すれ違いポイント2》


なんということだろうか。
母は今の電車で僕たちを探しにに戻ったのだ。
なんとか連絡をとる方法はないだろうか。
うう~、携帯さえあれば。
近くにいた見知らぬスペイン人に携帯を貸して欲しいと頼んでみたが、怪しまれただけだった。
レコレトス駅の案内所にも行って事情を話したが、わかってはもらえなかった。

気を取り直して、もう一度ヌエボス・ミニステリオスを目指そう。
そこで空港行きのメトロに乗り換えるのだから、会えるに違いない。

ヌエボス・ミニステリオス駅で僕たちは母と妹が現れるのをずっと待った。
(母はその駅でもくまなく僕たちを探したと言うが、ほんのわずかの時間の差ですれ違ってしまったのか。レコレトス駅で案内所に行ったりしていたから行き違ったのか。)《★すれ違いポイント3》

今日マドリッドを発つ友だちの見送りはもう間に合わないだろう。
最後に一目会いたかったけど。

母が僕たちの分も切符を持ってしまっているので、レンフェの改札から出ることもできない。
仕方ない、このままM市駅まで帰ろう。
M市駅は無人駅だから切符がなくても外に出られるし。
再び電車に乗り込んだ。
大きな駅でホームがいくつもあるから迷ったが、なんとか正しい電車に乗れたようだ。

M市駅の駐車場にはまだ母の車があった。
ちょっとホッとした。
ここで待ってさえいればいつかは母が戻ってくるのだ。

お腹が空いてきた。
そういえばお昼をまだ食べていない。
駅の前にあるガソリンスタンドの売店に行き、Aちゃんにお金を借りて2人でサンドイッチを買った。
Aちゃんにとってはスペインのお菓子とかが珍しいようだ。
グミなんか買っちゃってる。
さあ、車のそばに戻ってサンドイッチを食べよう。




僕たちは駐車場に戻って愕然とした。そこにあったはずの母の車がなくなっている。《★すれ違いポイント4》
ここまで意地悪な神様のいたずらってあるのだろうか。
このわずかな隙に母はこの駅に戻り、そして車に乗って行ってしまったのだ。
せつなくなってきた。

M市駅から家までは5kmくらい。
歩けなくはないけどしんどいし、タクシーは呼ばないと来ないし、バスに乗るしかない。
駅前のバス停から、家の近くに行くバスかどうか運転手さんに確かめて乗った。
以前まちがったバスに乗ってしまい隣町のはずれまで行ってしまって泣きそうになったことがあるから今でもバスは緊張する。

午後5時を過ぎていた。
めちゃくちゃ心配してるだろうな。
すごく叱られるだろうな。
せっかくのAちゃんの一日がこんなことでつぶれちゃって悪かったな。
友だちの見送りも台無しになっちゃった。
・・・

そんなことを考えているうちに家の近くまで来た。
バスを降り、2人でとぼとぼ歩いた。
ああ、ついに家に帰ってきた~。
「ピンポーン。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドラマのようなすれ違い劇だったことがおわかりになるだろうか。
この事件以来、子供たちには外出のたびに現在地や自宅との位置関係、電車やバスの番号と乗り場など、大事だと思える情報をインプットさせている。
外国だからといって甘やかしすぎたのだ。

しかし本当に無事2人が帰ってきてよかった~。
ご心配をかけた皆さん、すみませんでした。

それでもお互い2人だったことでなんとなく心強く、迷子も悪くない経験だったようだ。
忘れがたい思い出の一つとして笑って話せるんだったら、まあいいか。

















迷子もまた楽し(part 1)

2008年04月07日 | 子供たちのスペイン

春休みに息子の友だちが日本から遊びに来た。
その彼、Aちゃんを連れてマドリッド市内に出かけたときのこと。

M市駅からレンフェ(Renfe スペイン国鉄)に乗る時に、息子とAちゃんはわざわざ私と別の車両に乗り込んだ。
言葉もわからずマドリッドの地理にも疎い息子、普段の外出時には私に頼りきりなのに、友だちにはいい格好を見せたいのか、それとも親に聞かせたくない話でもあるのか。
まあそんなお年頃なのよ、と、目的地への乗り換え駅がヌエボス・ミニステリオス(Nuevos Ministerios)だということだけ告げて放っておいた。
しかしこれがそもそもの誤りだったのだ。

M市駅からそのヌエボス・ミニステリオスまでは10駅ある。
2つ手前のアトーチャ(Atocha)駅で、連結部分の窓ごしに隣の車両の様子をうかがった。
ちょうどその時2人が席を立ってこちらに顔を向けた。《★すれ違いポイント1》
やっぱり彼らもなんだかんだ言っても不安でこっちに来るつもりなのだわ、と思い、「おいで」というふうに大きくうなずいて私は自分の席に戻る。

(しばらくの後)・・・あれ?なんで来ないのかしら?
いやな予感に胸をざわつかせながら隣の車両に見に行ったら・・・い、い、いなーーーい!!!
2人が消えてるーーー!!
列車はアトーチャ駅を出発して次の駅へ動き出している。
どうしてェェェーー!?




私が「おいで」という意味でうなずいたのを彼らは「ここで降りるよ」というふうに受け取って降りてしまったのかしら。
そうに違いない。
今頃私たちが降りなかったのであせっているだろう。
迷子の鉄則はその場を動かないことだ。
そこで待っててよーーー!
私と娘は次のレコレトス(Recoletos)駅で降りて逆側のホームに走り、アトーチャ駅に戻るべくほどなく入ってきた列車に飛び乗った。《★すれ違いポイント2》

間の悪いことに、2人は携帯を持っていなかった。
Aちゃんのはバッテリーが切れて家で充電中だった。
息子のは、その電車を降りたら渡そうと思って私が持ってしまっていたのだった。
唯一の救いはAちゃんがタクシー代に足りそうなお金を持っていることだけだった。

果たしてアトーチャ駅のホームに2人はいなかった。
ンもぉ~~!!迷子としての自覚が足りないではないか。
怒り狂いながら、こうなればヌエボス・ミニステリオスまで行ってしまったのだと考えそちらに向かうべきだろう、と、再び逆ホームに向かい、やってきた電車に乗った。



ヌエボス・ミニステリオス駅にも2人はいなかった。《すれ違いポイント3》
4つあるホームを上から見渡せる位置に立ち、目を皿のようにしてくまなく探したが、いない。

その日の最終目的地はマドリッドのバラハス国際空港だった。
日本に帰国してしまう友人を見送る予定だったのだ。
さては彼ら、自力で空港に向かってしまったに違いない。
ヌエボス・ミニステリオスからメトロの8番線に乗り換えて終点の「ターミナル4」へ。
さほど難しい乗り換えじゃない。
いざ、空港へ!



ああなんということか、空港にも2人の姿はない。
いったいどこへ行ってしまったのだろうか。
気の毒に、その友人家族はスペイン最終日のせっかくのお別れの場を、あわてふためく私に引っかきまわされることになってしまった。
見送りに来ていた他の方々にも大変な心配をかけたまま、空港を後にして、娘と私はとにかく一度家に戻ることにする。
彼らがどうにかして家に戻っているとすれば、鍵を持っていないので中に入れないからだ。
レンフェでM市駅まで戻り、駅の駐車場に置いてあった車で家に。《★すれ違いポイント4》

家にもやはり、いない・・・。
もう思考がほとんど停止状態の私である。

娘を連絡係として家に残し再びマドリッド市内へ出たものの、どこを探すべきなのか考えが定まらない。
2人を見失ってからすでに4時間が経っていた。

ヨレヨレに疲れて家に戻ってみるが2人からの連絡はない。
息子だけならまだしも、よそ様の大事なご子息をお預かりしているのだ。
警察に捜索願を出そうか、というところまで追い詰められた。


次回へ続く。